*************** 私見:
『この患者さんを絶対に助けたいと思って、臨床現場で医師達が正当な救命の努力をしても、その結果として患者さんの命を助けられなければ、担当した医師達が次々に逮捕され有罪になってゆく!』というような社会になってしまったら、今後、医師はこの国では救命活動が一切できなくなってしまいます。
今回のような悲劇が今後も繰り返されないように、早急に法律を整備して、国全体の(周産期)医療システムを改革していかなければならないと思います。
****** Yahoo!ニュース、共同通信
「医師不足が背景」と訴え 福島の医療事故で厚労相に
福島県立大野病院で帝王切開を受けた女性が死亡し、医師が逮捕、起訴された医療事故で、福島県立医大産婦人科の佐藤章教授らが17日、「へき地医療が抱える医師不足などが背景だ」と再発防止策を取るよう訴える陳情書を川崎二郎厚生労働相に提出した。賛同する医師ら6520人の名簿も添えられた。
陳情書は、この事故が産婦人科医が一人しかいない地域の病院で起きたことを指摘。一定の確率で起こり得る不可避な出来事に対し、専門医として全力の治療を施した医師ですら刑事責任を問われるのなら「ハイリスク患者のたらい回しが全国に広がることになる」とした。
(共同通信) - 3月17日20時31分更新
****** Yahoo!ニュース-毎日新聞
<医療過誤>福島県立医大医師グループが厚労相に陳情書
帝王切開手術中に患者を死なせたとして福島県立大野病院の産婦人科医が業務上過失致死と医師法違反の罪で逮捕・起訴された事件を受け、福島県立医大の医師らが17日、医療体制整備などを求める陳情書を、6520人の署名を添えて川崎二郎厚生労働相に提出した。「システムの問題として対策を考えるべき」と訴えている。
(毎日新聞) - 3月18日0時46分更新
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陳情書
平成18年3月17日
厚生労働大臣
川崎 二郎先生
6520人の賛同人と共に、この陳情書を提出いたします。
周産期医療の崩壊をくい止める会
代表
佐藤 章
福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座 教授
高久 史麿
日本医学会 会長
黒川 清
日本学術会議 会長
ところで、私は法律に疎くて、わからない部分があるのですが、事故調査委員会が作成した「事故の報告書」は公文書なのでしょうか?
経緯をみると、その「事故報告書」には、「遺族に対する補償のため、医療側にミスがあったように記述された。」と受け取れる部分があるのですが...そういうことって、文書偽造みたいな罪にはならないのでしょうか?
また、報告書を元に逮捕、起訴したのであれば、おおもとの根拠がゆらぎますよね...
私は、検査技師なのでエコーを見ている時、何かあるとすぐにわかりました。2週間前はありませんでした。月曜には精密検査を受けます。
今後、どういった処置になるのでしょうか?いろいろネットで調べていますが、情報があまりありません。
悪性だったらどうしようと思うばかりです。
「一定の確率で起こり得る不可避な出来事に対し、専門医として全力の治療を施した医師ですら刑事責任を問われ」るんだったら、「ハイリスク患者のたらい回しが全国に広がることになる」くらいでは済みません。あらゆる医療行為に危険性が内在していますから、不幸な結果ならとにかく刑事責任という方針が罷り通るならば、医者はあらゆる患者をお断りするしかないのです。
ですから、まず「不当逮捕・起訴を糾弾する会」であるべきだし、高久、黒川両巨頭が出てきたのは結構ですけど、行くべき先は法務省であって、提出すべきは「抗議書」です。
そこらへん、この「会」もマスコミも視点がずれまくっているんじゃないでしょうか。
光明は見えてきたと思います。
↓当該発言は18分45秒ごろから。今回の逮捕事件に関しては12分ごろから。
「仙谷議員の質問」
K医師逮捕以来こちらのブログを日々拝見しています。
とりあえずのアクションとして陳情書への署名もいたしました。
しかし現在、陳情書に関し、
わしさんと同様の違和感を持っています。
周産期医療や一人医長の問題も
もちろん重要なのはわかっていますが、
今回の事件はそこに集約させてはならない、別個の問題です。
「会」が狙ってとはいえ方向性を変えてしまった今、
この思いはどこに託したらよいものか、思案中です。
やっぱり医療関係者では無理で、
仙谷議員のような、政治家を頼るしかないんでしょうかね。
我々医療関係者が自分のフィールドでできる支援活動としては、加藤医師の診療行為に有罪となるような過誤はなかったことを科学的に立証して、それを一般の方々にもわかりやすく説明する活動を地道におこなって、一般の多くの人達の理解を得てゆくこと、なども一つの有効な支援活動になると思っています。
また、『正当な医療行為でも、診療の結果次第で有罪にもなりかねない!』ということになれば、産婦人科以外の診療科の多くの医師達にとっても他人事ではなく、明日は我が身ということにもなりますから、医師の間にもこの不当性をもっと周知徹底させてゆく活動も重要だと思います。この事件について全く何も知らない医師が、私の周辺にもまだけっこういます。