ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

今後の産婦人科医療のあり方

2012年02月18日 | 周産期医学

一昔前までは正しい手技と皆に信じられていたルーチン手技であっても、今では有効性が否定され、むしろ有害とされている手技も少なくありません。しかし、産婦人科の医療現場では、昔ながらの古い知識のままで、昔ながらのやり方をかたくなに押し通そうとする人達も少なくないと思われます。

また、産婦人科の医療施設は一昔前までは比較的小規模施設が多かったんですが、最近は全国的に産婦人科施設の集約化がどんどん進行しつつあります。職場の構成員の数が増え続ける中で、職場の多くの構成員が、それぞれ自分が正しいと信じた医療を独自に実践して互いに対立しているようでは、チーム医療としてうまく機能する筈がありません。かといって、上司が部下に対して、「オレ流のやり方に黙って従え!文句は言うな!」というような封建的な職場体制のままでは、いずれ破綻する時が必ずやって来ます。

大きな集団になればなるほど、チーム全体を律する明確な規範を設定して、チーム構成員の皆がその規範に従って一致協力していく必要があります。規範を設定する際には、偏屈な経験主義に陥らないように十分気を付ける必要があります。その点では、最新のエビデンスに基づいて数年ごとに改訂されている学会の制定したガイドラインの最新版をチームの規範として、一致協力して標準医療を実施するという姿勢を徹底的に貫くことが重要だと思います。

世の中の変化に合わせてチーム全体が常にバージョンアップし続けていかない限り、将来的にこの世の中に生き残れないと思います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。