ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

産科医・新生児科医の育成

2008年12月14日 | 地域周産期医療

周産期医療の崩壊を防ぐためには、産科医や新生児科医を育成し、将来的に周産期医療に携わる医師数が増えるように地道に努力していくしかありません。

崩壊寸前にまで低下した現有戦力が枯渇しないように、基幹施設に医師を集めて何とか急場をしのぐ必要があるのは確かですが、それだけでは単なる一時的な延命処置にしかなりません。中高年医師だけでいくら頑張っても、次世代の医師が育たないことには将来的にはどうにもなりません。周産期医療存続の危機に陥っている今こそ、将来の貴重な戦力となる若い医師達をじっくりと育成していくことが非常に重要だと思います。

****** 読売新聞、神奈川、2008年12月14日

産科・小児科医を育成 横浜市助産所健診の費用補助

 産科や小児科などの深刻な医師不足を受け、県や横浜市が、妊婦や子どもたちが安心して医療を受けられる体制作りを模索し始めた。県は、横浜市立大医学部で来年度から増員される医学生を産科・小児科の医師として育てることを決め、学費を援助する。横浜市では、助産所で出産する妊婦への資金援助を始めた。県は「地域医療を支えてほしい」と期待をかけている。

 県によると、県内の病院に勤務する産科・産婦人科の医師数は、1998年の419人から06年に363人と1割以上減った。横浜市の調査では、昨年度の産科病院数は05年度より4か所減った一方で、出産件数は400件以上増加した。

 こうした現状を踏まえ、横浜市立大は医師確保策として、医学部医学科の定員を来年度から10人増やすことを決めた。増員した医学生が卒業後、県内の医療機関で一定期間勤務することを条件としている。

 10人のうち5人は、出産直前直後の周産期医療に携わる産科や小児科などの医師として養成する。在学中の6年間、県が学費や生活費を融資するが、卒業後の臨床研修を経て、県指定の医療機関に9年以上勤務すれば返済義務がなくなる。残る5人についても7年間、県内の医療機関で勤務してもらうとした。同大は今年度、医学科の定員を20人増の80人としており、今回の増員で来年度は90人になる。

(以下略)

(読売新聞、神奈川、2008年12月14日)