紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

昨日の続き…風の語らい

2007-11-11 00:18:08 | ラテン・インストゥルメンタル
まず、オープニング曲「果てしなき道」…前半はカントリー調のリズムに乗って、ケーナで素朴だが哀愁たっぷりに聴かせる。
後半はカーニバル風に、一寸劇的にメロディが盛り上がり、悠久を流れる大河の様にゆったりと聴かせる。
バックのバンジョー陣の出来も良いです。

2曲目「もう一度あなたのもとへ」…「ホセ・ラミレス・トーレス」作曲のポルカ・ボリビアーナで、弦楽器の軽快な基礎音をベースにして、ケーナとバンジョー、ギターが見事にコラボレーションを魅せる。
曲の間の取り方が、センス抜群で、魅力的な一曲に仕上がっている。

3曲目「きらめく川」…リーダー、エルネスト河本が作曲したクエカで、ヴォーカル入りのトラック。

4曲目「あの約束」…この曲は良いですよ。
パーカションが効果的で、ネオ・フォルクローレと言うべき、ジャズ・エッセンス満載の名曲・名演です。
ケーナの哀愁ある音色と、打楽器のリズム、そして伴奏に終始し、サイドをガッチリ固めるギターが最高の調和を魅せる。
曲のメロディも哀愁たっぷりで、とにかく聴かせる曲です。

5曲目「カミオネッタ~」…序奏からギロのリズムで始まる個性的な曲。
中間部分は、いかにもフォルクローレとも言うべき、素朴なテーマ・メロディにKOですね。

6曲目「蜃気楼の歌」…「グラシェス・スサーナ」が作曲したカンシオン。
「島田静江」のヴォーカルは余り上手くは無いが、曲の魅力だけで充分に行けます。
とにかくセンチメナリズムの極地的なギターの伴奏だけでも、聴き応え有ります。

7曲目「ラ・ビキーナ」…聴いていると元気が出てくる、メジャー調子の曲。
悲しみを乗り越えて未来に向かう、「マルコ」の「母を訪ねて三千里」ってな感じです。
サンポーニャを超絶技巧で吹く「TOPO洋平」の名演奏にご注目です。

8曲目「ワイナ・ポトシ」…ケーナ、チャランゴ、サンポーニャの民族楽器群が、マッシブにパワフルに、大地を揺るがすような熱い演奏。
勿論、楽器だけでなく、それを奏でる人間の魂の熱さは、それ以上です。
とにかく素晴らしい演奏ですね。

9曲目「タローペの花」…「オスカロ・リベロ・アラマーヨ」の作品の名曲。
「島田」が味わい深い歌唱をしてくれますが、とにかく曲の名旋律に泣かされます。
これぞ、ラテン歌謡の代名詞とも言うべき曲で、日本人の琴線にも触れ捲ります。
最高ですね!!

10曲目「カラササヤ」この曲もゆったりとした時が手に取れるような、不思議なタイム感覚と、雄大さが魅力溢れた曲です。
こう言う曲って日本にはないよね。と言いながら作曲したのは「エルネスト河本」なんだけど…それでも、やはり大陸の香りがぷんぷんに香っているね。

11曲目「ラ・プリマベーラ」この曲は、ボサ・ノヴァ風に作られていて、純然たるフォルクローレではないけれど、このモダン・センスをエッセンスに含んだ、ネオ・フォルクローレも、かなり良いんでないの?
私は「買い」と見ています。

15曲目、ラストは表題曲の「風の語らい」ですが、当然このアルバム中で、白眉の名演奏でしょう。
ケーナ、サンポーニャの名演奏、吹きっぷりは正しく、目の前を通り過ぎる風だ。
風の語らい、そのものだ。
バックのギター伴奏がガッチリ・リズムをキープして、その上空をこれらの吹奏楽器が飛翔する。
飛翔といっても渡り鳥ではない。
やはり、南米のコンドルとか、大陸を渡るのではなく、見渡す猛禽類だろう。
自身の翼に沢山の風を受けて、ゆったり、どこまでもゆったり天空に羽ばたく。
風は俺の味方だ…風ある限り、どこまでも、いつまでも飛べるんだ。飛べるはずだ。


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