このプロコフィエフの書いたカンタータ、「アレクサンドル・ネフスキー」は、13世紀にロシアに実在した英雄、「アレクサンドル・ヤルスラヴィッチ」がネフスキーと呼ばれロシアの英雄になった、彼の生涯を描いた曲である。
また、演奏・指揮しているのは、録音当時若くして天才指揮者と呼ばれた「リッカルド・シャイー」の代表的なレコード(CD)である。
アルバムタイトル…プロコフィエフ
カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」op.78
演奏…リッカルド・シャイー(指揮)
クリーヴランド管弦楽団
クリーヴランド管弦楽団合唱団(合唱指揮…ロバート・ペイジ)
イリーナ・アルヒポヴァ(メゾ・ソプラノ)
曲目…1.モンゴルの制圧にあえぐロシア
2.アレクサンドル・ネフスキーの歌
3.プスコーフの十字軍士
4.めざめよ、ロシア人民
5.氷上の戦い
6.死の原野
7.アレクサンドルのプスコーフ入城
1983年3月録音
演奏について…一言で言うと、シャイーの天才性が充分発揮され、聴き手が堪能できる名演である。
理由として、まず、クリーヴランド管弦楽団の最も持ち味と言える、精緻なオーケストレーションを、完璧にドライヴィングしている点が挙げられよう。
このオケの歴史は、オーケストラ・ビルダー役となり、基礎を叩き込み、超一流に仕立て上げた名指揮者「ジョージ・セル」と、その完成を更に高めた「ピエール・ブーレーズ」の、学者肌二人の指揮者が育て上げたオーケストラで、一時期「ロリン・マゼール」が音楽監督時代に、演奏(レコーディング)の、好不調の波が激しい時代もあったが、この若き天才は、先輩二人の最良の遺産部分を活かした演奏をしたことにより、類稀な名演を導き出したのである。
7つあるパートの中で最も聴き物(所)は、一番時間が長い「氷上の戦い」です。
元来、戦闘シーンは大袈裟で派手な演奏になりがちだが、ここでの「シャイー」は非常にディティールを磨きぬいた、精巧極まりない演奏をして、最もマッシヴなフルオーケストレーションの場面でも、情感の激しさ等は表現しつつ、オケは決して五月蝿く鳴らしてはいない。
合唱コンダクターの「ペイジ」のアシストも、この若者を強力にサポートしている。
そして精緻だが、ロシアの大地の叫びは洗練させすぎずに、土の香が残る大陸の人間らしさも分かる描き方をしているのには、末恐ろしいと感じる。
まるで、ストラヴィンスキーの「ハルサイ」の「ブーレーズ」盤のようですね。
非常に繊細な微音で聴かせる後半部分も秀逸の名演です。
6パート「死の原野」の静音パートも聴き応え充分で、声楽パート、メゾ・ソプラノの「アルヒポヴァ」も、じっくり丁寧に歌い込んでいて、伴奏を合わせるクリーヴランドOと「シャイー」の指揮も彼女の歌とベスト・マッチングを見せる。
5パートと並ぶ、このアルバム中、白眉の名演・名唱です。
プスコーフの十字軍士では、おどろおどろしい旋律の激しい部分と、ピアニシモなどの微音パートでの表現力と、棒さばきの対比が絶妙で、特に静かな場面こそ「シャイー」&「クリーヴランドO」の見せ所(聴かせ所)の、面目躍如の部分だと改めて感じる。
それ以外のパートでは、短い曲だが、「めざめよ、ロシア人民」の合唱パートも上記同様、ロシア臭さが残った、それでいて洗練されている良い演奏です。
また、演奏・指揮しているのは、録音当時若くして天才指揮者と呼ばれた「リッカルド・シャイー」の代表的なレコード(CD)である。
アルバムタイトル…プロコフィエフ
カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」op.78
演奏…リッカルド・シャイー(指揮)
クリーヴランド管弦楽団
クリーヴランド管弦楽団合唱団(合唱指揮…ロバート・ペイジ)
イリーナ・アルヒポヴァ(メゾ・ソプラノ)
曲目…1.モンゴルの制圧にあえぐロシア
2.アレクサンドル・ネフスキーの歌
3.プスコーフの十字軍士
4.めざめよ、ロシア人民
5.氷上の戦い
6.死の原野
7.アレクサンドルのプスコーフ入城
1983年3月録音
演奏について…一言で言うと、シャイーの天才性が充分発揮され、聴き手が堪能できる名演である。
理由として、まず、クリーヴランド管弦楽団の最も持ち味と言える、精緻なオーケストレーションを、完璧にドライヴィングしている点が挙げられよう。
このオケの歴史は、オーケストラ・ビルダー役となり、基礎を叩き込み、超一流に仕立て上げた名指揮者「ジョージ・セル」と、その完成を更に高めた「ピエール・ブーレーズ」の、学者肌二人の指揮者が育て上げたオーケストラで、一時期「ロリン・マゼール」が音楽監督時代に、演奏(レコーディング)の、好不調の波が激しい時代もあったが、この若き天才は、先輩二人の最良の遺産部分を活かした演奏をしたことにより、類稀な名演を導き出したのである。
7つあるパートの中で最も聴き物(所)は、一番時間が長い「氷上の戦い」です。
元来、戦闘シーンは大袈裟で派手な演奏になりがちだが、ここでの「シャイー」は非常にディティールを磨きぬいた、精巧極まりない演奏をして、最もマッシヴなフルオーケストレーションの場面でも、情感の激しさ等は表現しつつ、オケは決して五月蝿く鳴らしてはいない。
合唱コンダクターの「ペイジ」のアシストも、この若者を強力にサポートしている。
そして精緻だが、ロシアの大地の叫びは洗練させすぎずに、土の香が残る大陸の人間らしさも分かる描き方をしているのには、末恐ろしいと感じる。
まるで、ストラヴィンスキーの「ハルサイ」の「ブーレーズ」盤のようですね。
非常に繊細な微音で聴かせる後半部分も秀逸の名演です。
6パート「死の原野」の静音パートも聴き応え充分で、声楽パート、メゾ・ソプラノの「アルヒポヴァ」も、じっくり丁寧に歌い込んでいて、伴奏を合わせるクリーヴランドOと「シャイー」の指揮も彼女の歌とベスト・マッチングを見せる。
5パートと並ぶ、このアルバム中、白眉の名演・名唱です。
プスコーフの十字軍士では、おどろおどろしい旋律の激しい部分と、ピアニシモなどの微音パートでの表現力と、棒さばきの対比が絶妙で、特に静かな場面こそ「シャイー」&「クリーヴランドO」の見せ所(聴かせ所)の、面目躍如の部分だと改めて感じる。
それ以外のパートでは、短い曲だが、「めざめよ、ロシア人民」の合唱パートも上記同様、ロシア臭さが残った、それでいて洗練されている良い演奏です。
シャイーの演奏では聴いたことがないのですが、確かに血気盛んな頃のシャイー向きの曲かなあと思いますね。
『氷上の戦い』、燃えますよね(“萌え”ではないですね。)。