紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

マイルス・デイヴィス・ニュー・クインテット~サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム

2007-05-05 20:04:31 | マイルス・デイヴィス
かつて、マイルス・デイヴィスが「このアルバムに解説は必要ない」と明言した、超名盤で、実際にアナログ盤の裏面にもマイルスのスナップ写真だけで、解説は掲載していなかった。

マイルス・デイヴィス・ニュー・クインテットの演奏は勿論素晴らしいが、この盤の本当の主役は、1曲目と5曲目に演奏に加わった「ジョン・コルトレーン」に間違いない。
やはりこの年代ぐらいになると、「時代の寵児、コルトレーン」は、師匠の一人である「帝王、マイルス」でさえももはや凌駕していて、このアルバムで、彼の天才ぶりを聴くことができる。
ある意味、「モブレイ」がとても可愛そうなアルバムでもある。

では、詳細を…

アルバムタイトル…「サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム」

パーソネル…リーダー;マイルス・デイヴィス(tp)
      ハンク・モブレイ(ts)※1
      ウィントン・ケリー(p)
      ポール・チェンバース(b)
      ジミー・コブ(ds)
      ジョン・コルトレーン(ts)※2

曲目…1.サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム(いつか王子様が)、2.オールド・フォークス、3.プフランシング、4.ドラッド・ドッグ、5.テオ、6.アイ・ソート・アバウト・ユー

※1…5曲目で抜ける。 ※2…1曲目&5曲目で加わる。

録音…1&2曲目・1961年3月20日、3&4曲目・1961年3月7日、
5&6曲目・1961年3月21日 いずれもニューヨークにて録音

演奏について…このアルバムの聴き処は大まかに二つある。コルトレーン参加の1曲目&5曲目のモーダルな演奏を聴く事と、マイルスの甘くなりすぎないミュートを中心とするバラッド曲を聴く事である。

コルトレーン参加の2曲においては、曲の有名さととっつき易さは圧倒的に1曲目「いつか~」の方であり、ここではモブレイのベテランらしいテナーと、トレーンのモーダルなテナーの両方が聴ける。
が、しかしお薦めは「モブレイ抜き」の5曲目が白眉で、来るべき「トレーン時代」のすごさが改めて分かる名演です。
トレーンを受けるマイルスのモーダルなプレイも秀逸。
マイルスの素晴らしさが体感できるのは、まず6曲目「アイ~」です。
ここでの渾身のミュートプレイは、「This is Miles」と言って良い演奏だろう。
短いがモブレイのアドリブも結構行けてます。
2曲目「オールド~」もマイルスのリリカルなプレイが聴けてOKです。
そして、3曲目「プフランシング」マイルス作曲のブルースの演奏と言えば、曲を聴く前からもうイメージ湧きまくりですね。

マイルスの言っていた、「解説の必要なし」は揺ぎ無い事実です。


      


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