実家に行くために、車で吉田川に沿った道を走っていたら、青空にでっかい鳥が飛んでいて、ああ、もしかしたら白鳥かなぁ?と思いつつ、次の信号で止まって横を見たら、稲刈りが終わって緑の雑草がぽやぽやと生えている田んぼに、餅のように真っ白な白鳥がぼてっと30羽くらい居ました。
朝の八時半くらいで、お日様のひかりが暖かく差す中、身じろぎもせずじっと座っている白鳥たちを見て、あぁ、お日様で体を温めているんだねぇ、遠いところからきてご苦労さんだねぇ、ゆっくり休んでねぇという思いで胸が一杯になりました。
冬が来るんだなぁという実感と共に、こんなにも大変な旅を、白鳥たちは毎年続けているんだなぁと思うと、涙が出そうになって鼻が痛くなりました。人も生き物も、なにがあっても生きていかなきゃならない、ただそれだけ。
台風で崩れた小さい土手が二か所、新しい土が盛ってあって直されていました。まだ崩れたままの斜面も、刈り取られず枯れてきた稲の田んぼもありますが、ちょっとですが復旧の手がつけられ始めたようです。震災を体験した身としては、一か月ではなんも出来ませんよ。TVの報道は煽るようなものばかりですが、そんなもんじゃない。
繰り返し『十二国記』を読み返しています。
◇小野不由美『十二国記 白銀の墟 玄の月』第四巻二十五章より引用
土を耕せば種撒く時のことを楽しみにしていられる。種を撒く時には伸びていく姿を思い描いていられた。
(中略)
いま身体を動かしていることこそが、確実に未来につながっている、という実感。
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