コミックナタリー - よしながふみ「大奥」、米のSF賞「ティプトリー賞」に輝くより引用
よしながふみ「大奥」が2009年度のジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞(以下ティプトリー賞)を受賞した。ティプトリー賞はジェンダーに対する理解を深めることに貢献したSF・ファンタジー作品に与えられる賞。
ティプトリー賞の公式サイトによると、審査員は「疫病によって日本の若い男性の4分の3が死亡し男女の立場が入れ替わった、パラレルな封建社会の日本」という設定に惚れ込んだとのこと。この設定を用いて、男女間の微妙なパワーバランスで成り立つ社会を巧みに描き出した、と評価している。
「たったひとつの冴えたやり方」などの名作SFで知られるジェイムズ・ティプトリー・ジュニアは、男性の筆名で活動し、その骨太な作風から「もっとも男性らしいSF作家」と呼ばれていた。しかしのちに女性であることが判明し、作風と作者の性別をめぐる論争、通称「ティプトリー・ショック」が勃発。米国の女性SF作家パット・マーフィーとカレン・ジョイ・ファウラーはこの事件にちなみ、ジェンダーにまつわる理解を深めた作品を表彰する賞として、1991年にティプトリー賞を設立した。
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★参考:「In bethu ingine」( http://d.hatena.ne.jp/kimuco/20100318/1268880020 )様が、「ティプトリー賞」公式サイトでの、受賞理由の本文と翻訳文を載せておいでです。
この作品を、世界中の創作作品の中から選び出した労力も凄いと思うし、「選考委員会の誰もほとんど漫画を読まず、誰も日本史の専門家ではないからだ」(受賞理由本文から引用)にも関わらず、作品を理解し、賞に相応しいか吟味された選考委員の皆さんが立派だと思いました。
『大奥』は過去に、この賞の日本版「センス・オブ・ジェンダー賞」の第5回(2005年度)特別賞を受賞しているので、これで日米制覇ですな、素晴らしい。この受賞で、もっと注目されて、世界中の多くの人に読まれて、良い意味でショックを与えられることでしょう♪