時々、無性に聴きたくなる!聴くと絶対元気になる!それが我が尊敬するローランド・カーク。
もうとにかく理屈抜きの音楽。バックのめっちゃくちゃぶっとんだスイング!ああ~気持ちいいいぞ~!!
あの、言わずと知れたサックスをいっぺんに3本吹く巨人。(どんなんや~!という方、すぐにユーチューブしましょう。)
彼のフルートへのアプローチも、わたしにとってはなんというか、一種の理想の形です。
フルートでしか出来ない味を引き出しつつも、楽器なんてもう、ど~でもいいわい!という感じが炸裂している。
はっはっは~!そうこなくっちゃっといつも彼のフルートを聴くたび、思う。
みんな、美しい音がどうこうって、議論するけど。
この音こそ、世界一美しい音なのさ。
腹の底から出てくる音だからね。
フルート吹きながら思わず(この、わざとでなく、思わずでちゃう、という感じはなかなかない)しゃべったり歌ったり。メチャクチャに速い舌技でめっちゃリズミックなフレーズを吹いたり。フルートを媒体として音楽をアンプリファイするように、楽しく使っているわけです。
サックス3本にしたって、ひとりで三人でなにが悪い!というような、気合いの入った楽しい使用法。いけてるね
盲目のかれは、盲目だからこそ、普通のひとが考えることから一億光年離れた飛翔した考えができるのだろうか。
いや、盲目というハンデを跳ね返す為に神様が彼に与えた才能なのか。
こんな単純明快な音楽でありながら、ジャズ、ゴスペル、ブルース、スピリチュエル、インディアンミュージック、ロック、はてはフリー・ジャズ系の現代奏法まで包容してしまう懐の深さ。彼を聴いていると、アメリカ黒人音楽の歴史がすべて俯瞰できてしまう。
「ジャンルにとらわれずに!」とかいって多くのミュージシャンがかえってオリジナリティーを失っているけど、かれは音楽のスタイルを真っ向からただまっすぐ演奏することによって、誰にもまねできないオリジナリティーを表現してしまっている。
そして、その「スタイル」を演奏するには、学んで学んで、そのスタイルが血に入ってくるほどでないとできない。(byマイルス)
ピュアで、おおらかで、子供のような音楽。
でも、子供らしいだけの子供の音楽なら、こんなに感動したりしないはず。
なんか、彼の音楽からは、ぜったい負けまい!平凡な世間の見方に負けるものか!!という不屈な反骨精神を感じてしかたがないのである。
表面的にはサーカスのようにおどけた、おかしな姿、天衣無縫、天真爛漫な音楽の奥に聞き取れるのは、悲しいほどの彼の苦悩だと思う。
本当に悲しいときに、笑ってしまった顔のような、そんな美しさである。
ああ、こんなぶっちぎりに真っ向からスイングする音楽がしたいなあ!
部屋で彼の音楽を大音量で聴いていると、クリスマスのお祭り騒ぎも終わってツリーがその辺に捨て置かれた、薄暗い陰気な1月のパリでも幸せな気分で過ごせます。
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