SpiMelo! -Mie Ogura-Ourkouzounov

L’artiste d’origine Japonaise qui mélange tout sans apriori

Atelier d'improvisation en concert!

2010-02-19 21:49:44 | Conservatoire-音楽院紹介


パリ19区音楽院即興科アトリエがついにコンサート・デビュー!

Jean-Marie MACHADO/Portrait
Scène ouvert aux élèves des classe de Jazz du CRR et CMA

~パリ地方国立音楽院&パリ市立音楽院ジャズ科合同による「ジャン・マリー・マシャド作品集」

2月18日(木) 19時30分  Paris Auditorium de Saint-Germain

2月20日(土) 17時  CRRパリ地方国立音楽院 Auditorium/ 14 rue de Madrid 75008 Paris
                                    (Métro :Europe)  

 
マシャドさんはパリ・ジャズ界屈指のピアニスト&エキゾチックな作風の作曲家。

今回はジャズの典型的なBigBandから私たちのアトリエのような変わり種の楽器編成も含め、彼の作品に焦点を当てて演奏しようという企画です。

作品を演奏するといっても、典型的なジャズの作品。テーマとハーモニー以外は演奏者の裁量に任され、各所に即興演奏を入れたり、アドリブソロを入れたりと、生徒達やアレンジャーである私の力量を存分に発揮しないと作品として成り立たない。

きのうのParis Auditorium de Saint-Germainで行われた一回目のコンサートでは、生徒達がはじめてのインプロヴィゼーションの経験であるにも関わらず、本当に緊張感のある渾身の演奏で、初めてにしては上々な出来!

即興、というと現在のクラシック音楽の世界では特殊なもの、ととらえられがち。

演奏者は曲の解釈を、ジャズマンは即興演奏を、作曲家は作曲を、というように、完全な分業化をみんな当たり前だと思ってやっています。

だけどバッハだって、ベートーベンだって、モーツァルトだって、リストだって、クラシックの歴史上の大作曲家はみな大即興家で、大演奏家でもありました。

バッハが王の前で王に与えられたテーマで即興演奏して大成功を収め、後日「音楽の捧げもの」として作品として書き上げたことは有名です。

ああ、もしこの時代の録音が残っていたとしたら。。。あの「音楽の捧げもの」の即興演奏はきっと、楽譜に書かれた以上のものであったのではないでしょうか。丁度あのキース・ジャレットのケルン・コンサートのように


私は現在の音楽家が即興で演奏することの醍醐味を経験することで、ジャズをやるにせよクラシックの演奏家になるにせよ、
その経験が必ず音楽をもっと本物に、呼吸しさわって感じることのできるような生きたものに、していくことと信じています

のこる演奏会は明日、CRRにて5時から。入場無料です。

パリ在住のみなさん、ぜひぜひ生きた音楽を聴きに、お越しください



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新米教授が行く

2010-02-04 04:54:01 | Essay-コラム
   パリ19区の下町より眺めるエッフェル塔。

いつも好きな音楽の話ばかりなので、今回はガチでパリのフルート界の話を。

昨日はパリ地方国立音楽院、及びパリ市立音楽院合同のフルート科専門課程(いわゆるスペシャリーゼ)の来年度入試に関する打ち合わせの会がありました。

ここで、パリ市内の音楽院のシステムについてちょっと説明を。レベル的には、パリ国立高等音楽院(CNSM)>
 パリ地方国立音楽院(CRR)> パリ市立音楽院(CMA)という図式なのですが、数年前から音楽を専門にする学生のための専門課程という領域においてのみCRRとCMAが統合されて同じレベルとなり、入試と卒試をCRRにて合同で行う以外はパリ市内どの音楽院のどの先生の下でも専門課程で学べるようになった、という革新的な制度が出来たのです。

実は私、パリ19区CMAのフルート教授に任命されて、3年。これまでは自分のクラスの生徒を知ること、そして育てることに精一杯で、こういう会はまあ義務でもないし、出たことが無かった。

だって、某スター教授(イニシアルも書けない)がでかい面して牛耳りそう。。とかパリ地方国立のL女史に威嚇されるかも。。とか思うと、私のような新米としてはすっごく行くの気が重いしね。

けど、けどしかし今回ばかりは、来年度2人の専門課程入試を控える生徒をかかえていて、かわいい生徒のためには、どーしてもイカねばならぬ。

もちろんところはパリ地方国立音楽院(CRR)。その名のとおり、我々パリ市に20ある音楽院を管轄する中心的音楽院。一歩踏み入れると我らが19区とは雰囲気が全然ちがうぞ~!なんだか自分がパリ国立高等音楽院にいた頃のピリピリした雰囲気を思い出して緊張していると、案の定CRRの畏れ多きL女史が現れた。「ボ、ボンジュール!」

実はこのL女史、パリ国立高等音楽院フルート科に受かる生徒の大部分を生産しているという噂の、凄腕教授である。
私もなんどか学生時代に叱咤されて以来、なんか異常に畏れ多い存在である。

しかもうちのダンナがファオリッジの店にかかっている我が師ソフィー・シェリエ女史の写真をみて、「すごいな、ソフィーって。隣の写真の男のひとより男前だよ。」とジョークを言ったつもりが、実はそのとなりの写真がL女史だったというほどの強面である。

会議は思ったよりずっと友好的に進行し、私も新米だからこそこのような無知な質問をさせていただくのですが、と断りつつも、去年のスペシャリーゼの試験で疑問に思ったこと、硬直したパリの音楽院の不可解なシステムに関する疑問など出来る限りのことは質問してみた。

フランスで生きて行くにあたって、言いたいことは口を開いて言う、そうしないと何も変わらない、ということが一番学んだことだからだ。

すると、意外や意外。私の舌足らずな質問にあの強面L女史がすべてに面と向かって的確に答えてくれたのである。しか~も!
会議後。L女史が個人的に「知り合えてうれしい」と声をかけてくれるではないか。

私の質問にたいしても、「私だって市立から教え始め、システムに風穴を開けようと必死でがんばってきた、あなたもがんばりなさい」と言われた。
そうか~。こういうお偉方こそがパリのシステムを硬直させてるのかと思っていたけど、じつはどうにか変えよう!と思って人並み以上の努力をして来られたんだね。

ず~っと学生時代からパリに居て、方向を失った時はこのようなお偉い先生に怒られつづけてきて、それでも自分のやりたいことを信じてやってきて、やっと、今、同僚として認めてくれたんだな、という気がして、感激でした。この人、適当にお上手いう人ではないもの。あ~、この15年は長かった。あきらめずにがんばることが肝心だぞ。

あと、パリ音時代の同世代、泣き虫NちゃんがCRR教授としての俊腕ぶりを発揮していたのも印象的だった。
やっぱりいつもレッスンの後泣いていた分、生徒の気持ちが良くわかるんだろうな。

ということで。これからが正念場!スペシャリーゼの試験は10月初。19区初勝利なるか?!前途多難なのは承知してるけど、才能豊かな生徒達とともにがんばるぞ。



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