SpiMelo! -Mie Ogura-Ourkouzounov

L’artiste d’origine Japonaise qui mélange tout sans apriori

一段上がる。〜Diyの聖域2〜ついに改装の結果ご報告!

2021-09-17 12:49:00 | Essay-コラム
ピンクがかったミルク色の空がパリを包んでいる、新学期の朝。


もう私は一段上がったから大丈夫、というところまで来られた。


そう言い切れるのは、この夏、家の全面改装に関わってくれた親愛なる同僚Cの友人、Fくん率いる「筋肉ヒップホップ改装隊」を始めとする人たちのお陰である。


お金さえあれば、改装は全部業者にお任せして、自分たちは他の家でも借りてヴァカンスへ。帰ってきたらアパルトマンは美しく完成されており、かつ身体は休まり充電されて、新学期快適スタート!というようなことだって可能なのだろう。でもお金がなくたって、知恵を極限まで絞り、心から喜んで手伝ってくれる心温かい人たちに出会い、自分たちでお店に行って材料を買うところから始め、やったこともないDIYを一からやってみる。全身真っ白、筋肉痛になり、どんなにそれが大変なことか身に染みて分かる。しかし一緒に爆笑したり、どうにもこうにもうまくいかないことにパニクったり、時間がとめどもなくかかることに連日イラついたり、買っては返品で試行錯誤したり、そんなこんなでお金が底を着いて銀行から脅しが来たり、ぎゃあぎゃあ騒いだとんでもない8月。そんなこんなを一緒に楽しんでくれた人たちがいたからここまでできた。 


それでは写真で、その凄まじいDIYの成果をいくつか公開!


リビング

Before



After



廊下

Before

ものすごい時代モノの壁紙が至るところに貼ってあった。






After



台所
Before




After



お風呂
Before


After



ベランダ

Before



鳩の巣があって、フンが3cmぐらい集積していて歩けない状態。卵は箱に入れてみたが、人間が動かすともう親鳥は戻ってこないと知る。トラウマになりそうな3K掃除を行う。

After



引っ越しでは感動的なことに、ご近所さんたちが総出で動いてくれた。

寂しくなるね、と段ボールをいつもくれた向かいのスーパーのおばちゃん、自分の店に荷物をストックしてくれ、何度も車で運んでくれた同じ建物の下のムスリムの仕立てやさん、軽トラを気前よく何日も貸してくれた数件先の建築屋さん、郵便物や荷物を監視してくれた下の階に住むおばちゃん、、、


自分の家賃を払うのも精一杯で、助け合って生きている親愛なる近所の人たち。


他人事なのに、しかも顔見知りでもなかったのに、自分のことのように喜んでやってくれる人がいる。もうそこには「私」も「それ以外」もなく、愛で一体になっている世界。この発見こそ、私を一段高めてくれたものだと思う。私はこれから、この人たちのように、「私」と「他」を壁で隔てない世界で生きたいと切に願う。


そういう人たちと作った家って本当に誇りに思うし、この家にはたくさんの人の愛情が籠っているから、前みたいにほったらかしにせず自然に掃除するし()、自分なりに整頓出来ていると頭がすっきりして今日やるべきことがちゃんと分かる。





パリの東方面を眺めながら、日没を愛でる。


そう言えば前のアパルトマンを出るのに最後の大掃除をしていた時、娘に「あなたは生まれた時からここに住んでいたんだから、ちゃんと感謝して掃除するんだよー」って言ったら

「ママ〜、アパルトマンは生きてないから感謝しても分からないよ〜」と言われてしまった笑。


娘よ、日本では、すべからく場所には魂があると解釈するのであるよ。


さすが西洋教育で育った子は違う笑。


そういえば幼稚園の時から、これは生き物、これはモノ、ってご丁寧にカテ分けさせられてたものね。


話は逸れたが、前だったら携帯を見ている時間がけっこう多かったのに、窓からの一刻一刻と変わる空を眺めていたいが為に、(それがこのアパートを選んだ一番の理由だったのだけど携帯を見るのが苦痛になってしまった。


すると、どうでも良いフェイクニュースや雑多なゴシップ、どうしようもない人の発信した悪い感情が入ってきて一喜一憂することも無くなるし、生活はもっと現実の感覚に根ざしたクリーンなものになっていくと思う。


思い起こせば、物件購入に必要な、銀行やら仲介者やらの複雑怪奇で膨大な書類の、日々ストレスで頭を抱えながらクリアーせねばならぬ恐ろしき数々の難関、、、


しかもフランスでは、それぞれの担当者が間違えたり、途中で投げ出してヴァカンスに出ちゃったりするので、自分たちで徹底して監視してないと、そうこうして出てきたミスや期限遅れは、全部自分たち自身の過ちとして降りかかってくる。


それは際限なく続く、新たに現れ続けるハードルを毎日超えているようなキツさだった。


この世の中にはただのモノは一つたりともない。


だからこそ感謝することがいかに大事なことか。


その辺の事を嫌というほど学べただけでも、この世で人生の折り返し地点、どうにかやっと、ちゃんと地に足つけられたかな、という感じがする。


もう〜、早く音楽やりたいのに、、、面倒くさい!と焦れながらも書類に奔走したり、Diyの真髄に引き込まれていった、2021年春〜夏。


私達の人生で明らかに足りなかったこの訓練を経てしか、来られなかったこの新しい場所で、いまやっと音楽は一段上に解放されるのかも知れない。


DIYの聖域() ...()


ベランダから夜景を観ながら、ついにビールで乾杯🍺




PS 本業のお話し。大阪万博助成事業に採択された「らるちぇにっつぁトリオ〜ブルガリアと日本の架け橋2021」10月日本ツアーは、コロナの感染状況悪化により残念ながら延期となりましたが、現在水面化で「ネットを通した文化交流企画」を計画中です!
めっちゃくちゃ楽しい、日本とフランスとブルガリアにいながらにして音楽で繋がれる企画にしていきたいと思っています。
そこにはなんと、日本の小学生たちも登場!!
どうなることやら?!
発表は間もなくこのブログ上にて!!お見逃しなく😉❤️