SpiMelo! -Mie Ogura-Ourkouzounov

L’artiste d’origine Japonaise qui mélange tout sans apriori

飽食暖衣。日本のことなど。

2017-11-11 13:24:00 | Concert Memories-コンサート旅行記

November 11, 2017








日本滞在中、季節外れの2度の台風一過を経験! Quelle clarté de la lumière! un jour après le typhoon à Tokyo

 

 

飽食暖衣逸居して教無ければ禽獣に近し。って何か分かりますか?これ、多度津中学時代のU校長先生がいつも口にしていた言葉なんですが、時々呪文のように頭に浮かんでくることがあります。とくにパリで自転車に乗っているときに、「ホウショクダンイ。。。なんだっけ」なんてね。とは言え。よくよく考えるとなんか、矛盾が多い?この言葉。

だいたい 

1、禽獣は飽食をしない。(弱肉強食だが、生き延びるための分だけしか彼らは食べない)

2、禽獣は暖衣できない、衣服がないもん。

3、禽獣のほうが人間より自然の教えを守っている。(原発を建てたり戦争したりして自然破壊をしない)

まあ、禽獣というのを「悪」という意味で使ってるだけなんだろうけどねー。

 

あれ、なんでこんなこと話しているんですかね(笑)  

 

今回日本では、音楽監督、佐藤紀雄さんのお陰で「アンサンブルノマド」というすごい集団と演奏させていただきました。

アタナスのフルートとギターのコンチェルト、7拍子の難しいグルーヴ(ブルガリア人以外には、ということですが)にも拘らず、みんなすぐに理解して思いっきりノって演奏できた!!





Création de "Broken Concerto" d'Atanas Ourkouzounov à Tokyo OpéraCity avec Ensemble Nomad(Un merveilleux ensemble de musique contemporaine au Japon)

 

私はもうパリに来て24年になるけど、一緒に演奏しててワクワクできる人には少なからず会ってきた。でも、このノマドと演奏するときの一体感はなんぞや?!と思ったら、そうだ、

中学、高校のときのブラスの感じや!!と思い当たったのです。そうです、これこそ日本!このみんなで一緒にやっている、という感じ。これはフランスではない感覚なのです。フランス人とアンサンブルしていると、殆ど議論のような、はー、そう来るかー!みたいな、たまに逆のことをやられたり、なんかよく分からんサプライズがあったり、理解されなくて苦しんだり、いきなり本番で同意されたりとにかく起伏が激しい(それはそれで凄い面白い)のだけれど、

今回ノマドと感じたような手厚い温かいサポート、一体になる感動、素早い理解力、細やかな対応力みたいなのは本当に日本人にしかできないことです。そしてそれがノマドの色になっている!こんなにアバンギャルドな、誰も聴いた事がないレパートリーをやっていながら、それが多くの聴衆に温かく受け入れられているのは、やはり裏にその一体感溢れるブラス的フィーリングがあるからなのです。一緒にやっててとにかく楽しい!!いつも一緒にやれるこういうグループがあって羨ましい!これも偏に20年にわたり紀雄さんの感性が呼び寄せたもの。ブーレーズのお膝元フランスだと、どうしても現代音楽だと冷たい、という印象が拭えない部分があるので。

 

そして、この方、ノマドのフルーティストの木ノ脇道元さん。。。

 








 Avec le flutiste Dogen Kinowaki (ensemble Nomad)

 

 

 

 

 

 

この人にしかできないエネルギーの音で大変独創的です。そして人となり、服装までもが生き様を物語っている。サラリーマンだらけの東京の景色にこういう人がいきなりいるのも日本の凄いところ。大変刺激される存在です。また一緒に演奏したいです!しかし、ヴァスケスのコンチェルト私らは必死でずれないように三拍子をやっていただけなのに、みんなに「バトル」とか言われたのでウケました。ちなみに私が着ている水玉ドレスは、友人の服飾アーチスト、安藤福子さんが私の為に作ってくれたもの。

 





Concert au Katané Café à Shibuya Tokyo

そして恒例の代々木上原「カタネカフェライヴ!」それから「ファルスクラシックと仲間達ライヴ!」@渋谷公園通りクラシックス。めっちゃ楽しかったーー!!また絶対やるのでみなさん、どうぞよろしくお願いいたします!!!どちらも打ち上げがすごいんです。カタネカフェさんのめちゃ美味しいパーティー、そして渋谷の方は辛〜〜い本場四川料理。





 Concert "False Classic&Friends Vol.3" Shibuya Tokyo

 

 





 

パリの私のクラスに留学にきていた生徒、はっちゃんがThe fluteの人を引き連れインタビューにきてくれました。これもすごいなあー。だってまさか私がフルートの雑誌に出るなんて、考えても見なかったもんね。多分、あんまりフルートに関係ないトンデモ記事が出て来ると思いますので乞うご期待!(笑)ていうか、はっちゃんが私の行き過ぎた発言などはちゃんとまーるく収めてくれておるようですのでご安心を(笑)

 

 

日本って、とっぷり5時になると日が暮れますよね。すると夕刻のあの懐かしいカリヨンみたいなのが流れて、外を歩いているとお風呂のような、洗剤のあぶくような、とっても優しい、言葉では表せないようないい匂いがしてくるんです。(笑)みなさんはこの匂いのこと気づきますか?









 


 Dans les rues de Tokyo au couché du soreil...

 

 

そして一番嬉しかったのは、私のパリの生徒たちで今は帰国している、いずみちゃん、ひろこちゃん、あやのちゃん、はっちゃんが集まってくれたことですー!!もうこのフェット最高に楽しかったです。やっぱり教えることは、エネルギーの交換です。エネルギーを与えると、それは倍にも何倍にもなってかならず却ってくるのです。その時ひとりの個人的な悩みが出て、みんなであーだこーだと議論していたんだけど、パリに帰ってきて、やっと答えがでたわ。働くのは時にはキツイ。けど働く、と思うんじゃなくて、エネルギーを循環させる、と思えばいいのでは?だってエネルギーが回り始めたら、人生もっともっと楽しくなるでよー!!冒頭の「飽食暖衣してイッキョして。。。」は多分、そういうことを言いたいんでないかしら?じっとして好きな事だけしてるのは楽しいけれど、それ以上に人間にしかできないことをしなさいと。人生とはスパイラル状になっているようである。ちゃんと上がったらちがう景色が見える。毎回結局自分自身に戻ってくるとしても。





Avec mes élèves,Izumi,Hatsuki,Hiroko,Ayano

 

私のほう今いっときの飽食暖衣を楽しんでおります(笑)あと10分も自分の時間があるわー、とか。今年に入ってから、とにかくCD発売と日本公演のゴールを目指して、一時たりとも無駄にできなかった。これまでになかった程の疲れを感じ、しまいには同僚にも心配される状況だった。じゃあもっと後で、時間をとってやれば?と思われるだろうけど、でも、どうしても「今」やるしかなかった。44歳の今、これまでにやってきたことを全て形にし、しかもそれを自分のエネルギーだけに限定して一度やり遂げる必要があった。その結果良いものが出来るのか、変なものが出来るのか、そんなことは眼中になし。とにかく、今の私には「これ」を提出することしかできない。そこまでやりたかった。








Enfin... mon nouveau CD!!

 

今来週からはまた新しいプロジェクトが始動(またアップしますね!なんと三味線も入る即興スペクタクル!)

アタナスとのブルガリアツアーも待ったなし!

しかも、この録音した曲たちをどうやってひとりでライヴでやるのか、という無理難題も待ち構えております(笑)でも絶対やりますね。有言実行。乞うご期待!!