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いもりんのヒルズ的生活+貧乏昔話

教師から起業家へ。無一文の外国人夫との超ビンボーな暮しから脱出、奮闘の末つかんだ、ちょこリッチな生活をおバカ調で公開。

産婦人科医を描いた名作

2009年01月09日 13時29分19秒 | 時事問題(こムツカシイ話題)
曽野綾子氏は、聖心育ちのカトリック信者で、恵まれない地域に活動に行くことでも知られている、尊敬すべき大好きな作家だ。彼女の本も、極端にキリスト教に傾倒しているもの以外は、ほとんど読破している。

最近産婦人科では、閉院や診療科の閉鎖が続いているという。
が、この一冊を読んでいた為、産婦人科医の日常を細かく理解出来ていた。診療以外にも深夜のお産があり、仕事は24時間体制、看護師との連係プレーや、手のかかる新生児のお世話、新米ママへの指導・・・。産科の現場は本当に過酷だ。

神の汚れた手〈上〉 (1979年)
曽野 綾子
朝日新聞社

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主人の野辺地(のべち)先生には、精神的に不安定な妻と、公立小学校に通う元気な娘がいる。
海辺に開業した産院には、様々な事情を持った患者が通院してくる。

未亡人が、検診を受けぬまま駆け込みで子供を産んだ。「戸籍が汚れるからそのまま養子に出したい」と騒ぐ産婦。医師は「自分で産んだんじゃないか。産まなかったことにするのは、無責任だよ」と諭す。

過去に中絶を経験し、今は二人の子供に恵まれているのだが「先に中絶した子が、”どうして僕だけ”と夢に出る」という患者の相談に、精神科の分野だけど、専門が違うからと言って追っ払わず、真剣に聞いてやる。

先生自身が妻の浮気の事実をつかんだ時、万一子どもが出来ていたら、自分の優秀な腕で始末をしてやろうと考える。

など、当人には深刻なエピソードにも、どこかユーモアやいたわりがあり、患者の人間描写が豊かで、飽きさせない名作である。

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