無知の涙

おじさんの独り言

哀悼の意を込めて

2008年09月05日 | まじめ

日の朝7時前に個人用の電話が鳴った。

着信は親父からであった。
よっぽどの事がない限りは携帯など掛けてこないし、僕もしない。
よっぽどの事が起こったのだ。

良い報せにしては、時間が早過ぎる。
何か悪い事が起こったのだ。

少し心を落ち着けて、僕は携帯の通話ボタンを押した。
携帯のスピーカーを通して聞こえてきたのは、確かに親父の声だった。

親父はどこか外の山道らしい場所を歩いているらしく、
蝉の鳴き声がうるさかった。

「さっき、おばあちゃんが亡くなった」
親父は、そう言った。

葬式の日程はまだ決まってないから、決まり次第連絡する、
と親父は言って電話を切った。

母方のおばあちゃんである。
僕はおばあちゃん子だった。

電話を切ってから、
僕は手元の本棚からマンガ本を一冊取り出して読んだ。
別にそのマンガを読みたいわけではなかった。
何故そのマンガを手にしたのかも分からない。

パラパラとページをめくる。

おばあちゃんは何年も前から入院していた。
足が悪かったのだ。それ以外は特に問題はなかった。
94才にして、ボケてもなく、きちんと話しも出来ていたらしい。

僕はマンガを閉じる。
いつも通りの感覚、いつも通りのけだるい朝。

全く実感がないのだ。
おばあちゃんの死んだということについて。

 

-全てはその限りのない深淵に向かって進んでいる。
それはいつも突然にやってきて、
じわじわと僕の心を侵食し、過ぎ去ってゆく。

いつか僕自身がその深淵に飲み込まれるまで、
それは続くのだろう。

それが

おばあちゃんは太平洋戦争で夫を失った。
長男の家族と暮らしていたが、その孤独を僕は思う。

僕が小学生の頃は、まだまだ元気で半年に1回くらいは遊びに来てくれた。
いちど遊びに来てくれると一週間くらいは滞在してくれて、
僕はおばあちゃんが来るのを楽しみにしていた。

夜になるとよく一緒に散歩に行った。

ある夜、僕とおばあちゃんはツツジが鮮やかに彩る沿道を歩いていた。

おばあちゃんは僕の手を優しく握り、空を仰いだ。
「死んだ人の魂は星に生まれ変わって、私たちを見守ってくれるのよ」

おじいちゃんの事を言ってるのだと気付いたのは、ずっと後のことだ。

生まれ変わり。天国と地獄。
僕はそれを信じない。

宇宙は一定の方向へ膨脹をし続けている。
それはエネルギーである。
やがてエネルギーは収束し、元の無へと還る。
個々の持てるエネルギーにより、その時間は膨大であり、刹那である。

物質は全て等しくこの法則にあり、
我々人間もそのエネルギーを保つ事ができなくなる。
それが老化であり、やがてくる死である。

ある一定の条件の元だから必然的に誕生した生命は、
肉体を失えばそれで終わりである。

死んだ人が、魂を保ち、再び違う肉体に宿るという事はない。
その人の命はそれっきり、1回こっきりだ。

だから僕は大切なんだと思う。
人ひとりの命というものが。

死という闇を見つめるとき、いつもそう思う。

闇。

僕はそのとき闇の中で泣いていた。

おばあちゃんが滞在中に、一度とつぜん熱を出してしまったことがあった。
おばあちゃんは真っ暗な部屋の中で、僕の枕元に座って、ずっと看病してくれた。
僕の頭を優しく撫で続けながら。

おばあちゃんが自分の家に帰ってしまう前日の夜であった。
僕は明日やって来る、おばあちゃんとの別れが辛くて泣いていたのだ。

 いつも別れが辛かった。
最後の日は必ず、学校に行く前にさよならを言った。

それでも毎回、まだ帰ってないかもしれない、
という淡い期待に駆られて学校が終わると大急ぎで家に帰った。

息せき切らせて家のドアを開ける。
ランドセルを放り出して居間へ駆け込む。
やはりそこには誰もいないであった。
少し傾いた西日が居間のテーブルをオレンジ色に照らしているだけである。

おばあちゃんの香が少し残っている居間を見つめ、
僕は淋しさに耐え切れず、家を足早に出てゆく。

おばあちゃんと歩いたツツジが咲く沿道を走る。
また会える日を思いながら。



瞳を閉じればあなたが
まぶたの裏にいることで
どれほど強くなれたでしょう
あなたとって私もそうでありたい
(レミオロメン 3月9日)


引越し大作戦

2008年09月05日 | パチンコ
湿っぽい感じは終わり。

いつものアホによる、アホの為のブログへ戻ります。
ラグビー用語で表現するなら、

一人はみんなの為に、みんなは一人の為に。

です。
未だに意味が理解できない言葉ですが。

さて、

引越し大作戦

という昭和の香りがプンプン漂いそうなタイトルを付けてるんだから、引越しです。

お盆の代休を兼ねて、3連休取りました。

ヤバイっす。
ぜんぜん進まない。

日曜日中には出てかないといけないのに!

無音で片付けてるのは面白くないので、珍しくテレビを見ながらの作業。

1リットルの涙
というドラマがやってて、完全に見入ってしまう。

昼間からオイオイオ―イオ―イと泣いてしまった。

すげー悲しいドラマですね。

さぁ!
レンタルビテオ屋に借りに行こう!
あんのかな?