男性作家の手で、都合良く描かれる
小説の女たち、、
しかし
女性作家の手にかかれば、
その じゅんしん(純真)さが、きわだって光ります
平岩弓枝『夜の桜』には、そんな女が
出てきます。
(あらすじ)
「おこの」は、
少女のころから びんぼう(貧乏)してきた、苦労人。
これまで、ろくな男に 逢って来ませんでした
しかし
近ごろ、店にやって来る・お侍は、
見るからにカタギで、
(・・もしかしたら、目的があって
自分に近づいてきただけかも しれないけど、、
ちょっとだけ、信じてみようかな)
と
心を ゆるしかけた・矢先
お侍がやっぱり、八丁堀の役人で、
自分の情夫がからむ犯罪を 内偵していただけだった、、
と知って、きったタンカ!!
(が、ステキだったんです)
↓
「誰が・・・誰が、あんた達のいうことなんかきくもんですか。・
誰が、あの人を訴人するもんですか・・・殺されたって、はりつけ
ふん、なんだい、侍のくせに、女に惚れたふりをして淫売屋
お前なんぞに、
惚れたら、女は・・・
ちなみに、彼女が守ろうとしている平吉は、そこまで実のある男で
でも、、かばってしまう・・(それが女心)
さすがは、『御宿かわせみ』の作者・平岩弓枝先生です。
【おすすめ度:この「夜の桜」が入っている『花房一平事件帖』全体を合わせて、】
(次回は、宮部みゆきの『桜ほうさら』です。人情時代劇はつづく)