クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

桜ふる小説・12(平岩弓枝『夜の桜』感想)

2022-04-10 | 本と雑誌

男性作家の手で、都合良くかれる

小説の女たち、、

しかし 

女性作家の手にかかれば、

その じゅんしん(純真)さが、きわだって光ります

 平岩弓枝『夜の桜』には、そんな女が

出てきます。

 (あらすじ

 

「おこの」は、

少女のころから びんぼう(貧乏)してきた、苦労人

これまで、ろくな男に 逢って来ませんでした

しかし

近ごろ、店にやって来る・お侍は、

見るからにカタギで、なんかやさしい・・


(・・もしかしたら、目的があって

自分に近づいてきただけかも しれないけど、、

ちょっとだけ、信じてみようかな

と 

心を ゆるしかけた・矢先

お侍がやっぱり、八丁堀の役人

自分の情夫がからむ犯罪を 内偵していただけだった、、

 と知って、きったタンカ!!

(が、ステキだったんです

「誰が・・・誰が、あんた達のいうことなんかきくもんですか。・平吉が訪ねてきたら自首させろ・・・冗談じゃない・・

誰が、あの人を訴人するもんですか・・・殺されたって、はりつけになったって・・・私はあの人を裏切りゃあしない。口惜しかったら、あたしを縛って牢屋にぶち込むがいい・・・

 

ふん、なんだい、侍のくせに、女に惚れたふりをして淫売屋に日参するのがお役目かい。

お前なんぞに、女の気持ちがわかってたまるかい・・・

惚れたら、女は・・・いつだって、命がけなんだ・・」


 

ちなみに、彼女が守ろうとしている平吉は、そこまで実のある男では ありません

 でも、、かばってしまう・・(それが女心)



さすがは、『御宿かわせみ』の作者・平岩弓枝先生です。



【おすすめ度:この「夜の桜」が入っている『花房一平事件帖』全体を合わせて、

 

 

(次回は、宮部みゆきの『桜ほうさら』です。人情時代劇はつづく

 

 

コメント (10)
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