女のごう(業)と桜を
結びつけた物語は 多々あれど
男の本能が全開するさまを、
「桜に棲むあやかしのせい」にして、
400ページにわたり
官能的に つづってしまった
なかにし礼の『さくら伝説』
レビュー・いきます!!
主人公は、大学の先生。
32歳の時、桜の名所で出会った20歳の女子大生をナンパし、
が、その後
54歳で、24歳のムチムチ娘に出会い、その肉体開発に 夢中に
その娘は、
かつて、自分が捨てた女の娘である。
と知りながら・・
とにかく、ベッドシーンが延々描かれていて、
ほぼほぼ、「渡辺淳一」。
しかし、わたなべ先生の男性主人公より、
身勝手度が高めな
なかにし礼の男性主人公は、
「色欲の餓鬼」との記述が ピッタリはまるほど
そっちのタガが 外れており、、
さいごは
ムチムチ娘と ぼうじ(房事)の最中に
ふくじょうし(腹上死)しかかって
地位とめいよ(名誉)を なくしますが、
たいして 後悔しません。
それどころか 妻、愛人、自分の3人で交わって
「これぞ完璧な解決法」とのたまい、昇天する・・
という、
しあわせな終末(?)を むかえます。
・・・・・
なかにし礼さんが、主人公のようなアナザーライフを
ゆめ(夢)みていたのか
はたまた、
男性の理想を ただ・ぶちまけただけなのか
わかりませんが・・
もう少し、社会性のあるテーマをもつ作家で、
なおかつ大衆の心をつ
との
「なかにし礼像」を 抱いている日本人は
多いでしょうから、、
この官能小説には、ドン引きするのでは ないかと、ふと・心配しました。
うちのチットいわく、
「・・20代前半の女が、自分より30歳年上の、
しかも、母親の元婚約者に対して、
『私・・、あなた
みたいな嬉しがらせを、言い続けてくれるわけがない。
最初の3ヶ月くらいならまだしも。
それに・・、浮気を知った妻が 愛人に対して、
『夫にそんなにまで大きな幸せを与えてくれてあ
って
直接、感謝の意を述べるとか、
ありえないでしょ。。
しかも、主人公の男は心臓がわるくて、年中、薬飲んだり病院かかって
そんな、、生命体としておとろえている、
なおかつ・ウンチク好きなエロお
メロメロになって、
その名を身体にタトゥーまでする女たちが、
いないから!」
・・・と
ひとしきり・ほえたあと、
「・・いないから、わざわざ小説に書いたのか。」
って、気がついていました
【おすすめ度:】
(一応、「桜鬼(おうき)が人の心を狂わせる」っていう小説なんです文章は うまいから、ヨシとしましょう
久しぶりに、ハラハラしたい人や、あと、頭を冷やしたい人には、、すごくおすすめです。。)
(※次回は、平岩弓枝『夜の桜』です。←さわやか)