クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

桜ふる小説・6(梶井基次郎『桜の樹の下には』感想)

2022-04-01 | 本と雑誌

桜に「魔」をかんじとった作家は

古今にあれど、

「桜の樹の下には屍体が埋まっている

と 

言い切って、

近代作家としての地位を かく(確)立したのは

 かじいもとじろう(梶井基次郎)です。

 彼の手になる『桜の樹の下には』

 

それは、

ぼうとう(冒頭)の「衝撃的なフレーズ」以外、

人々の記おく(憶)に定着しにくい

作品ですが、

このたび、たった3ページほどの その短文を読んで・・

 クリンたち、しびれました

 説明できるような・ストーリーじゃないんです

でも・・

もとじろうは

れんそう(連想)の幻視を かさねながら

「なぜ自分が、桜を見て『死体が埋まっている』と考えざるを得ないのか?

 らくらい(落雷)のはげしさをもって、

読者に 叩き込んでくるのです



 クリンたち・・🐻 何回か読んでいるはずなのに、

今回初めて、

そのすごさがわかって びっくりしたので

ちょっと この人物(梶井基次郎の来歴)を、しらべたくなりました。


そしたら・・

 かなり・はちゃめちゃな、マグマ男であることが、

判明しました

 ~梶井基次郎・略歴~

 

明治34年、大阪生まれ。

第三高等学校の理科に入学したのに、

文学へ傾倒しすぎて、後に東京帝国大学に文科で入学する(あたまいい

女性には全くモテなかったけど男友達はたくさんいて

才能あふれる友人を相手に 夜な夜な談義して青春を謳歌。

功利主義を低俗とみなし、精神面で偉大になろうと決意するも、一体何をしていいか分からず懊悩・・

享楽におぼれて色々やらかしつつ、学問、芸術、スポーツとまんべんなく熱中しそれらから、すべからく最良のものを吸収。


(と並行して、)

実家のいざこざや自らの不健康など、不安定要素が 突き刺さり・・

 

ちょっと精神を病んだ(かな、、)


なお 京都の「丸善」にレモンばくだん(爆弾)を 仕かけていたころ、

数々の伝説も のこしています💣💣💣

 ~梶井基次郎、伝説(※wikiより適当に抜粋)


🍋漱石が好きすぎて、どこに何が書いてあるか?すべて暗記。

🍋「肺病になりたい。肺病にならんと、ええ文学はでけへんぞ」と三条大橋の上で叫んで胸を叩く。

🍋酔って大の字に寝ころび、「俺に童貞を捨てさせろ」と大声で叫んで遊郭に登楼。

🍋酔って愛宕参りの団体客の部屋に裸で乱入。

🍋和歌山で海水浴中、崖から飛び込んで海中の岩で鼻を怪我。

🍋酔って料理屋の池に飛び込み、鯉を追っかけて、出禁となる。

🍋京都のカフェーでヤクザと喧嘩し、左の頬をビール瓶でなぐられる。

🍋東京でも、赤門前のカフェーで客と喧嘩し2階から転落。飲み屋で明治大学の不良と大喧嘩。
etc・・


・・・・・

なかなかの あらくれっぷりです。

 とはいえ もとじろうは、きほん、「義理人情」にあつく

すぐれた人には すぐにかんか(感化)される

ホットな交流を求めた

才子であることも 同時にわかりました。

 

(ピュアです)


 結核が進行し・・、帝大を中退した年に

もとじろうが書いたのが、

『桜の樹の下には』、、


クリンたち、

 俺には惨劇が必要なんだ」

といった、この夭折の天才が、

(なにゆえ屍体を想像したか?)

このたび、しっかりと、わかってしまいました。🐻

 

 

【おすすめ度:

 

 

(※次回は、基次郎がホレた宇野千代の『淡墨の桜』という作品を、とりあげます

 

 

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする