夏の読書につまづいた・うちのチットですが
その後、むらかみはるき(村上春樹)の新刊(といっても1年前に刊行された小説 )を読んだら、
一気に 別世界に 連れて行かれていました。🌈✨
タイトルは、『街とその不確かな壁』。
※いかにもハルキ・・ あまりにも「村上春樹」なタイトルです
かべ(壁)・・
📚
(あらすじ)
物語の主人公は、17歳の「ぼく」。
16歳のきみ(彼女)に夢中ですが、
その「きみ」が 何の前触れもなく姿を消してしまったから、大
打ちひしがれ、落ちこみつづけ
たましい(魂)が 孤独にひたされます。
以来、男女関係も人間関係もうまく結べず、何にも打ち込めない。
そんな無為な人生を送っていた、
ある日・・
ぼくは、
昔 「きみが創った想像上の街」に 唐突に入り込んでしまう🌀
のです。
17歳の彼女は言っていた。「本当の私はその街の中にいるの。👩」
と・・・
ここまで読むと
完全に ファンタジーですが🌈、
この後、45歳になった主人公ぼくの現実世界のストーリー が展開されるくだりが
面白い。
ハルキ文学のしんずい(真髄)に触れられる、第2部です
しかしながら・・クリン🐻、
今回はこの小説を
(なんだか妙だな~)と 引っかかりつつ、読みました。
あまりにも、全てがハルキすぎて・・(村上春樹過ぎて)、、
これが、70代になったハルキの書く小説なのかな
って、
いわかんがあったのです。
だって・・
*壁=春樹長年のキーワード
*主人公が愛する人を喪失し彷徨う=十八番テーマ。←『色彩を持たない多崎つくる』でも書かれています
*ヒロイン=こむずかしくて・面倒くさい女
*こちらの世界とあちらの世界を行き来する、ちょっと ミステリーな物語←『騎士団長殺し』っぽい
全てが、あまりにも 春樹の定型文 だったからです。
なぜハルキは、今さら、これを書かなければならなかったのだろう
「これが 村上文学なんだ!俺なんだ!!」という、本人のダメ押し?
、、
ふしぎでした。
しかし
今回、珍しく 本人が後書きで 種明かしをしてきたのです
この小説は1980年代に文芸誌に発表されたものだったけど、
当時は生煮えで、、今いち すっきりしなかったため、本人は「書籍化」を希望しなかった。
でも、
「この作品には自分にとって何かしら とても重要な要素が含まれていると 僕は 最初から感じ続けていた」
ため、
全てを余すところなく 書ききれるようになった今
リトライ(円熟の筆で再生させようと)した
と いうわけでした。
その一番・重要な要素の部分を、
今回、作家・村上春樹は完ぺき(璧)に 書ききっていた👍
と 思います
(細部には不満な点もありましたけどね‥ラストはムリヤリまとめたな、とか、第3部はいらないんじゃね?とか。)
とくに、ここで終わってくれれば傑作だったのに・・
と 思われる第2部。
そこに出て来る
子易さんという登場人物が 実にみりょく(魅力)的で・・
こやすさんが語る言葉・ひとつひとつに、
村上春樹という作家が 生涯をかけて他人を見つめ、
自分の心を探って掴み取った、最終的な真実が込められている・・
と
クリンは かんじました🐻
「ぼくは思うのだが、この世界に心に秘密を抱かないものはいない
このような言葉が、どれほど多くの大人読者を 救うでしょうか・・