クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

街とその不確かな壁(村上春樹・感想)

2024-09-14 | 本と雑誌

夏の読書につまづいた・うちのチットですが

その後、むらかみはるき(村上春樹)の新刊(といっても1年前に刊行された小説 )を読んだら、

一気に 別世界に 連れて行かれていました。🌈✨

 タイトルは、『街とその不確かな壁』。

※いかにもハルキ・・ あまりにも「村上春樹」なタイトルです

かべ(壁)・・

📚

(あらすじ)

物語の主人公は、17歳の「ぼく」

16歳のきみ(彼女)に夢中ですが

その「きみ」が 何の前触れもなく姿を消してしまったから、大ショック💥

 打ちひしがれ、落ちこみつづけ

たましい(魂)が 孤独にひたされます。

以来、男女関係も人間関係もうまく結べず、何にも打ち込めない。

そんな無為な人生を送っていた、

ある日・・

ぼくは、

昔 「きみが創った想像上の街」に 唐突に入り込んでしまう🌀

のです。

 17歳の彼女は言っていた。「本当の私はその街の中にいるの。👩」

と・・・

 

ここまで読むと 

完全に ファンタジーですが🌈、

この後、45歳になった主人公ぼくの現実世界のストーリー が展開されるくだりが 

面白い。

ハルキ文学のしんずい(真髄)に触れられる、第2部です

 しかしながら・・クリン🐻、

今回はこの小説を

(なんだか妙だな~)と 引っかかりつつ、読みました。

あまりにも、全てがハルキすぎて・・(村上春樹過ぎて)、、

これが、70代になったハルキの書く小説なのかな

って、

いわかんがあったのです。

 

だって・・

*壁=春樹長年のキーワード

*主人公が愛する人を喪失し彷徨う=十八番テーマ←『色彩を持たない多崎つくる』でも書かれています

*ヒロイン=こむずかしくて・面倒くさい女

*こちらの世界とあちらの世界を行き来する、ちょっと ミステリーな物語←『騎士団長殺し』っぽい

全てが、あまりにも 春樹の定型文 だったからです。


 なぜハルキは、今さら、これを書かなければならなかったのだろう

「これが 村上文学なんだ俺なんだ!!という、本人のダメ押し?

、、

ふしぎでした。

しかし

今回、珍しく 本人が後書きで 種明かしをしてきたのです

 この小説は1980年代に文芸誌に発表されたものだったけど、

当時は生煮えで、、今いち すっきりしなかったため、本人は「書籍化」を希望しなかった。

でも、

「この作品には自分にとって何かしら とても重要な要素が含まれていると 僕は 最初から感じ続けていた」

ため、

全てを余すところなく 書ききれるようになった今

リトライ(円熟の筆で再生させようと)した

と いうわけでした。

 その一番・重要な要素の部分を、

今回、作家・村上春樹は完ぺき(璧)に 書ききっていた👍

と 思います

(細部には不満な点もありましたけどね‥ラストはムリヤリまとめたな、とか、第3部はいらないんじゃね?とか。)

 とくに、ここで終わってくれれば傑作だったのに・・

と 思われる第2部。

そこに出て来る

子易さんという登場人物が 実にみりょく(魅力)的で・・

こやすさんが語る言葉・ひとつひとつに、

村上春樹という作家が 生涯をかけて他人を見つめ、

自分の心を探って掴み取った、最終的な真実が込められている・・

クリンは かんじました🐻



「ぼくは思うのだが、この世界に心に秘密を抱かないものはいない。それは、人がこの世界を生き延びていくためには 必要なことなのだ。そうじゃないのだろうか?」



 このような言葉が、どれほど多くの大人読者を 救うでしょうか・・

 

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シャーロック・ホームズ 対 伊藤博文

2024-09-11 | 本と雑誌

(この夏)

「🐻 ねえ、お休みは  どうやってすごすの?」

ふふ~ん よくぞ聞いてくれました~ 前から楽しみにしていた本を読むんだ〜

 その名も『シャーロック・ホームズ 対 伊藤博文』!!

 

「🐻・・・えっ(いとうひろぶみ

 

タイトルからして 突っ込みたくなるような・その本は、

人気作家の松岡圭祐さんが 去年書いた、

歴史ファンタジー小説🌈。

 主人公は、かの 名探偵シャーロック・ホームズです

彼が、宿敵 モリアーティ教授との取っ組み合いの果てに滝に落ちて

第1部が終わる

のは よく知られていますが、

その後3年して、ロンドンに帰って来て 第2部が始まるまでの空白期間、

ホームズはどこで何をしていたのか?

そこを

「実は日本に行っていた。」

ってことにした、

そういう設定の本です

(よく読むと、そんなに史実との矛盾もないんですよね

よくできています

原作でも、失踪期間中ホームズは東方へ行っていた?と匂わせる部分がありますし・・

もともとホームズは、日本の武術に長けていますし🥋)

 ~あらすじとしては~

幕末に長州の志士であった22歳の伊藤博文は、イギリス留学中、ロンドンでまだ10歳のシャーロックホームズに出会う。

その後、大人になったホームズは、モリアーティ教授一味から身を隠さなければならなくなるに至り、

(できるだけ遠く・・そうだ日本に行こう 昔 知り合ったあのお兄さん(伊藤博文)もいるし・・

と 来日し🚢

すでに総理大臣になっていた伊藤博文と再会

滞在中 たまたま起こった大津事件(※来日中のロシア皇太子 ニコライが日本人に襲撃される、明治時代の有名な事件)

と、それにまつわるナゾを 解決する

 

そんな内容。

 おおつ(大津)事件とは、近代史にくわしい人なら誰もが飛びついてしまう

「起承転結すべてそろった、エピソード満載の事件」であり

当時の日本とロシア、ひいては 日本とイギリスとの政治的関係を

背景に大きく取り込んだ 松岡圭祐のこのかけ合わせは、

笑いながらも うなってしまう

すばらしい着想の、アナザーストーリーです

 うちの歴女チットも、この時代が 好きなので

はじめは、おかしそうに笑いながら

また、細かいところを確かめながら

読んでいました。

が・・・

 

読み進めるにつれて、

しだいに、きげん(機嫌)が わるくなってきたのです。

 

自分が長年、人に語ってウケてきた・お気に入りの歴史的エピソードが、

他人によって語られて、すごくウケている。

という

「やられた感」・・(しっと=嫉妬ですね。🐻(笑))

 

 話としては面白いんだけどさ~・・なんか私、おもしろくない。」

と 

つぶやいて、本を閉じました

📚

「🐻  作家さんと張り合ってもしょうがないじゃん。

 張り合ってるわけじゃない

 

休みの日に本を読むなら、

自分が詳しくないジャンルにしておいた方が、

純粋に楽しめるし、

休まる

という、実例でしたね~


(←こちらは、クリンの好きな、前髪下ろしホームズです

 

 

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明治大正昭和化け込み婦人記者奮闘記(平山亜佐子、感想)

2024-04-23 | 本と雑誌

少し前、面白い本を 読みました

『明治・大正・昭和 化け込み婦人記者奮闘記』です。

(※近代の職業婦人の本です

 化け込みとは、本来の素性をかくして別稼業をよそおい、

さまざまな場所に入り込んで 内実を取材し、

新聞紙上などでばくろ(暴露)する。

という 炎上取材で🔥・・

ゴシップ紙の人気企画として 流行っていたそうですが、

それを、うら若き女性記者が担当して、けっこうすごい爆弾を投下していた💣

筆者の平山亜佐子さんが、調べてまとめたのが 本書です。

 たとえば、婦人記者たちは、行商人や女中に扮装して名家に入り込み、名流夫人の裏の顔をあばいたり

お針子として遊郭に入り込み、娼妓の一日を探ったり

料亭の仲居や三味線弾きになって花柳界貧民窟を歩く

など・・

モデル、デパート店員、女優の卵、電話交換手、カフェーの女給、ダンサー・・

ありとあらゆる・人間になりきって、

人間関係濃いめの場所に入り込み

うわさ、本音の聞き込み、事件の数々をメモしまくってはさらし、

 読者の「のぞき趣味」を満足させていた

らしい。

(※今も昔も一緒ですね🐻)



実名を出されて をかかされた個人や店舗は

いっぱいあって

その「名誉毀損」っぷりは、今じゃ考えられないレベル。

むろん、化け込み記者は訴えられ 世間からひなんされ 執ようにバッシングされ

自分自身も、ゴシップセレブみたいになります。

(そりゃそうだ。クリンもこういう記者はキライです🐻

しかし・・

 能力が高くても・・真っ当な記事には関わらせてもらえず、

何かにつけて「女のくせに」扱いされ

世間からの抑圧、好奇の目にさらされがちだった

明治大正の婦人記者たち。

 

同じ社の男性記者からも さげすまれていた彼女たちが、

当たり記事を書く🎯ために始めた"化け込み”という苦肉の手法を

今のかんかくで、「愚かな」と 切り捨てることはできない。

(同情します

だって、

中には、家出上京少女のふりをして街頭に立ち👩、どんな男たちが声をかけてくるかを取材して

危ない目にあっているような事例もあるし、

なんだか、

哀しいくらい、みんな、無理をしているんだもの。

 筆者の平山さんのけんぴつ(健筆)また、ゴシップまんさいのため

グイグイ読んでしまうのですが

メインの「化け込み婦人記者列伝」のみならず、

知らなかった細かいネタも 拾えるので、

歴史に詳しい人でも「読んで良かったな~」と 思える1冊でしょうね

1934
(昭和9)年に黒田雅子・子爵令嬢とエチオピア皇子リジ・アラヤ殿下の結婚話の取材に赴く、

な~んて話が サラリと出て来るんです

びっくり❢

日本がドイツ・イタリアと仲良くしようとしていた時期だったので、エチオピアに勢力をもつイタリアが反対してこの話はポシャりましたが

エチオピア皇子が来日して日本人を気に入り👀、「日本女性と結婚したい」と言い出したら応募が殺到した

って、

これだけでも面白いですよね こんなエピソードが、注に小さく書いてあるんですよ

 

 

 

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浅草十二階が出てくる小説(『押絵と旅する男』・江戸川乱歩)

2024-03-17 | 本と雑誌

昼間

ししょうがい(私娼街)だった通りを 散策中

お友だちのジェマちゃんが、

 闇って、みんなが惹かれるものじゃない?」

と言ったのが

耳に  のこりました

そのあとで、クリン🐻

この浅草を舞台にした、やみ(闇)の小説を 思い出したのです

 江戸川乱歩の『押絵と旅する男』っていう・短ぺんです

 内容は、明治時代にここに建っていた「凌雲閣」というレンガ造りのタワーが持つ、

まりょく(魔力)を描いた

奇想小説で、

 りょううんかくとは、「浅草十二階」とも呼ばれた、

50mの、街のシンボルタワー🗼

 新奇を好む東京府民のほか、多くの文学者が吸い寄せられた

歓楽街・浅草の、展望塔でした。

 

そこから、ぐうぜん目にした女の子にをして、人生すべてをささげた男の物語

江戸川乱歩が着想した

それが、『押絵と旅する男』です

 ~あらすじ🐻~


汽車の中で、「私」は押絵をたずさえた男と出逢った。

押絵は極彩色の生々しい絵で、異様なほど。

気になって 見せてもらうと👀、

 それは、白髪の老人に、美しい娘がしなだれかかる構図の押絵で、

しかも、押絵の二人は生きていた(絵なのに)。


男によれば、

白髪の老人は自分の兄で

兄は若い頃、

浅草十二階の屋上から、下の浅草寺境内にいた・ものすごい美少女を目にし

恋い焦がれた。

 

しかし

よくよく確かめると、

美少女は、覗きからくりの中の押絵人形だった


なのに

すでに魂を抜かれていた兄は、

自身も押絵の世界に忍び込み、美しい娘と 本懐を遂げた。


男(弟)は、押絵を買い取り、

押絵の世界の住人となった・兄と娘を連れて

旅をしている

 

という。


 十二階ありし日の浅草を描いた、みわく(魅惑)的な
物語で

 

 

(『押絵と旅する男』の押絵ってないかな~?と、画像検索をしていたら・・「日野まき」さんというペーパードール作家さんの作品が出て来まして

イメージに近い作品だったものですから、魅了されております🐻

 

個展あったら行きたいな~

 

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暗い時代の人々(森まゆみ・感想)

2023-12-22 | 本と雑誌

前回、「関東大震災のルポを、あの大正ロマン叙情画家・竹久夢二が書き留めていた

という話を しましたが、

 こちらの『暗い時代の人々』という本には、

それだけじゃない。

夢二の、女関係抜きの側面なども  のっています。

(著者は森まゆみ

 

~今日は、本のご紹介です~

この本には、

「1930~1945年の最も抑圧された・暗い時代に「精神の自由」を掲げ、毅然と生き抜いた人々」

の伝記が、9人分のっています。

竹久夢二は、その4人目で、もちろん、環・彦乃・お葉その他の女性遍歴はデフォルトとして記されているのですが、

他にも、夢二が社会主義に傾倒し、大逆事件のお通夜を催したとか、米欧を洋行してこんなに色々活動してただとか・・

彼が一個の思想家であったという・知られざる側面に スポットが当てられています

 夢二以外の8人は
?といえば、やはり、いずれも戦前の日本社会の矛盾に声を上げ

それによって、辛い目に合った人たち・・

しかしながら

自分というものを持ち、たたかった人たち

が やはり取り上げられており

これが、すばらしい・じんせん(人選)でした。

竹久夢二と親交のあった山本宣治(治安維持法に反対して右翼に殺された無産政党の議員)

反軍演説で衆議院議員を辞めさせられた斎藤隆夫

民本主義の吉野作造

社会主義運動家の山川菊栄、九津見房子

反ファシズムで喫茶店フランソアに集った文化人

リベルタンで文化学院の創始者・西村伊作

唯物論研究者・古在由重

という、

歴史を知っていれば・うなってしまうような ラインナップです

 

そして、そこに、彼らへの敬意を込めた文章が つづられています。

 

 森まゆみさん・・谷根千のエッセイスト。文京区の博学者さん、

っていうイメージでしたが、

彼女の、せんがん(選眼)のたしかさと👀

人としての地の良さが あらためてきわだつ

そんな一冊でしたね。

 

(※20世紀初頭の暗い時代のドイツに生きた知識人をラインナップした、ハンナ・アーレントさんの同名作品『暗い時代の人々』にインスパイアされた著作であることは、間違いありませんね

その日本版、といったものでした~

 

 
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存在の耐えられない軽さ(ミラン・クンデラ感想)

2023-09-06 | 本と雑誌

新しい図書館で 借りた本は、

チェコの作家、ミラン・クンデラの、

『存在の耐えられない軽さ』です。

 映画化されたので、タイトルは世界的に知れわたっていますが

内容を知らないので、

作者の訃報が流れたこのたび、読んでみました。🐻

 一言でいうと、男女の三角関係が三人の内面を中心に記された、

「愛の煉獄(れんごく)小説」です。

(※後から一人追加され、四角関係になります

 男は生来の浮気者で、本当は結婚なんかしちゃいけないタイプだけど、

ある無力でかわいい女にひかれて、所帯を持ってしまう。

でも、

息を吸うかのごとく浮気をし、妻となった女を絶えず悩ませ

そんなストーリー。

 これがソ連の支配下にあって・体制を批判し
「国籍はく奪の憂き目」にあった作者の小説

なければ、

それほど 注目されなかったのかもしれない。


しかしながら、

この作者、大学の先生もやっていたため

 叙述が哲学的で・・ 登場人物たちに、どうしようもない勝手心や、執着心など、

世話の焼ける愛を とろ(吐露)させているだけのところでも、

 宿業とか、本質とか・・

やたら、真実味を まきちらしてきます。

 存在の耐えられない軽さは、耐えられない重さに あこがれる。

(ってことを言っているけど、、

・・ダメだ🐻 むずかしくて1回読んだだけじゃ、テーマをズバリ言い当てられない

 「幸福と不幸は、両極にあって 交換可能である」

(この一文には、えらくナットク🐻)

 人の悩みとは、自分だけにのしかかってくるように見えて、

だれの悩みでもある。


あなたは私、

私はあなた。

 

(藤井風?🐻)


そんなメッセージを 投げかけられたような、、

 大人が心に浮かべる・ずいそう(随想)が、全部つづられた小説でしたね

 

(ちょっとしゃべりすぎ=書き過ぎなところは、作者が亡命先フランスの影響を受けているものと思われます🥖

 

 

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失われた岬(篠田節子)感想

2023-03-29 | 本と雑誌

うちのチット、今、本を持つのも辛いので 

年末から、一冊も読んでいないんですけど・・

 去年読んで、一番おもしろかったミステリー小説を レビューし忘れていたので、

忘れ切らないうちに ご紹介しておきます

 しのだせつこ(篠田節子)、『失われた岬』です

それは、北海道の「新子牛田」という町にある、

「入った人は、老けることも病気になることもない」という・いわくつきのに、

選ばれて入って行った人々をめぐる

ミステリー小説なのですが・・

 内容が、ちょうど「新興宗教」が取り沙汰されている昨今と 

重なるところがあるので、

妙な現実味をもって 読めますし・・

 2021年秋・刊行というだけあって、(本当にこうなる日も近いな・・)と、

近未来を予言する、恐ろしい・しめくくりで まく(幕)を閉じているところが

ゾクッとさせられ

新しいジャンルの本を読んだな、という気に させられました。。


ミステリー小説としても 実におもしろく、

 舞台となる・怪しい岬には、「第二次大戦中に、旧陸軍の秘密の施設だったという、謎の構造物

も 備えられていたりして・・

約80年前の、黒々としたうわさも、読者をワクワクさせます。

 とにかく ふつうの人では入れない、

すごい地形、きびしい自然条件を かいくぐり、

数人の「家族も地位も名誉もある常識人」たちは、いかにして、その岬を目指したのか

しかも、すべてを捨てて・・

その岬には、果たして何があるのか

 北国のりん(臨)場感をもって描かれ、クライマックスも華やかです。←コワイ

 575ページもあるのに、2日間で読んでましたが、

 難しい予備知識なんかもいらないで、純粋に読書を楽しめる。久しぶりに、時間を忘れて過ごせた

って、言ってました~

 

 

【おすすめ度:

 

 

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さよなら八重洲ブックセンター

2023-03-05 | 本と雑誌

 東京駅・目の前にある「八重洲ブックセンター本店」が 閉店するそうです。

 やえす(八重洲)口から、道路を挟んですぐ という好立地から

東京駅近辺で働くビジネスマンに 愛されてきた

しにせ(老舗)書店ですが・・

ここら辺の再開発に 伴い、

3月31日以降、建物が こわされるそうです

 うちのチットは、ビジネスとはおよそ「縁遠い」ですが、

「八重洲ブックセンター内の中2階・喫茶店」には

15年ほど前、しょっちゅう・来ていたので、

このたび、惜しむ気もちで 訪れたら

 なんと きっさ(喫茶)店は、ドトールに変わっていました。(ショック

 当時、仲が良かった・友だちが、東京駅の近くのGaba(英会話教室)に 通っていて、

よく・あそこ(にあった喫茶店)で

待ち合わせをしていた

とのことですが、

 ドトールに変わった時点で、

ブックセンターへの客足は衰えていた・・

ということなのかな?

さびしく思いました。

 なにしろ  そこの「直営・喫茶店」でお茶しているおじさんたちは、タダモノじゃなかった

なにがしかの「役職」に ついていたり、

引退後も「講演を聴きに週一で上京してます」みたいな風情の

立派な おじさんたちばかり

だったそうです。

(作家・著者のサイン会も、やっていたよなあ~)

なんて、

出版全盛の時代に、思いをはせました・・🐻🌈

 クリンたちは、記念に、お母さんご所望の「岩波・国語辞典」を 買い、

 無料でおいてあった、岩波書店の『図書・2月号』を いただいて帰りました

 

(※さすがですよね こういうサービスがあるころが一流の書店です

一昔前に八重洲ブックセンター中2階でコーヒーを飲んでいたおじさんたちは、きっと『図書』に掲載されている学術論文並みに難しいエッセイを読み、挟まっている「書籍注文書」に欲しい本の番号を書いて、岩波書店・営業部に送ったりしていたんでしょうね

 

 

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『奏鳴曲』海堂尊・感想

2022-11-27 | 本と雑誌

前回、18世紀フランスの「不衛生」について お話しましたが、

19世紀の日本の「衛生史」をまとめた、こちらの本

『奏鳴曲(そうめいきょく)』(海堂尊・著)、

めっちゃくちゃ面白いです‼️

(きっかけは実家のお母さんが「今年読んだ本の中で一番面白かった」って言ってたから読んでみたのですが、
今年・2022年刊行のベスト小説に、クリンたちも、推します🐻

 主人公は、北里柴三郎(きたざとしばさぶろう)森鷗外(もりおうがい)

物語は、二人の幼少期から始まり、

北里は 世界的研究者として

森鷗外は 陸軍軍医のトップとして

 ともに「明治・大正の衛生学界」で巨大発言力を持って、

かげに、ひなたに、たたかいあう・・

というお話。

 作者が、二人のことを論文くらい細かく調べて書いているので

歴史的背景を知らないと 苦しくかんじるほど

登場人物など、ふくざつなのですが・・

うちのチット(歴女)なんかは、ひたすら楽しんでいました

お母さんは『前半はまあ義務で読んだようなもので、

後半の、北里と軍や官や帝大閥との闘いが凄かった』なんて言っていたけど、なんのなんの。

前半から面白いわ

と ほめちぎり、

 449ページを1日10時間×3日を費やして読み切って、

今、ちょっと「知恵熱」出しています

 ~ちょっとだけ・STORY~

熊本の庄屋出のきかん坊・北里柴三郎は、
津和野の典医のお坊ちゃま・森林太郎と、
時を同じくして、東大医学部に 入学します。

 真逆の資質でそれぞれ頭角をあらわした二人は、
やがて、ドイツ留学中もコッホ研究所に ともに籍をおき、
帰国後も
その人生を、複雑に絡ませていく・・

という展開です。

 全編が「激流の時代」を反映してドラマティックに 進んでいきますが

医学部時代に、すでに後の二人のライバル関係というか、天敵になってしまうだろう予兆が ふつふつ・たぎっていて 

キンチョ~しますし

 東大寮を仕切るバンカラ学生・北里の雄弁な演説を楽しみ

一方で、

後に文学の道に行くのが透けて見える細身のきりんじ(麒麟児)・森林太郎の ひねこび具合が、

まるで、ドキュメンタリーのように書かれているのを 読むうちに

 いつの間にか・・  明治という時代に 連れていかれる思いがする、

そんな本です。🐻

 クリンたち、森鷗外が軍医として、すごく大きなミスを犯した

というエピソードを 知っています。

彼が、かっけ(脚気)の根本原因を見抜けず、ビタミン不足の白米を食べさせつづけた結果、日清戦争・日露戦争で 陸軍の兵士たちが何万人も病死した。

っていう

つうこん(痛恨)話です。

でも・・

「なぜ、軍医・森林太郎が白米食にこだわったのか

読んでいて、よく分かりましたし、

北里柴三郎の、いまいち・よく知らなかった業績の数々も、

その「猪突猛進」な人柄とともに、はあく(把握)できました。

 主人公二人を振り回すモンスター同期・後藤新平

北里に惚れ込んでパトロンになった福沢諭吉

鷗外をねじ曲げ続けた軍人石黒 忠悳(いしぐろ ただのり)

など、

脇役も ごうかけんらん(豪華絢爛)で

 途中、「舞姫・エリス」とのいきさつが、キラリと心に落ちてきたのも

印象的でした。

 

【星5つ

 

 

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『香水~ある人殺しの物語』パトリック・ジュースキント・感想

2022-11-24 | 本と雑誌

 古い香水びん(瓶)の「断捨離」中

こんな本を 思い出しました

 パトリック・ジュースキント、『香水~ある人殺しの物語』

(※ドイツ人の作家さんが書き、世界で1500万部も売れたベストセラーです 映画化もされました

 舞台はフランス  主人公はとんでもない・
きゅうかく(嗅覚)を

もった、

「香水調合師」です


(わ~🐻 フランスってことは、コジャレた話なんだろうか

と 期待して 本を開くと、

冒頭から、こんなパンチのある文章が、来ます

「18世紀のフランスに、とある男がいた。天才肌の、おぞましいである。

その種の人物が少なからず輩出したあの時代にあって、とりわけ天才肌で、この上なくおぞましい人物だった。

これからその男の話を始めよう。名前はジャン=バティスト・グルヌイユ。」


引き込まれます。


(訳者は、池内紀さん さすがの一語ですね

さて、

あらすじを ざっくり説明すると・・

 主人公は、ニオイをかぎわける・天才ですが

それ以外の人間的みりょく(魅力)はなく、

愛し愛される・よろこびも、知らない「棒人間」。。

けれども、

「香水調合師という天職」につき

ただひたすら・・

香りを作るということのみ、いしきを向けて

生きています。

 そんな主人公が、ある日 若い女の子のえもいわれぬ芳香に気づき、

生まれて初めて

とうすい(陶酔)をけいけんする・・

そして、

「なんとか、この香りをもつ香水をつくりだせないだろうか

 と、とりつかれ
芳香の原理をつきとめるべく、

処女ばかり25人も殺す、、

という、

グロい・ストーリーです。

そこに、とってもかぐわしい・オチがついて・・

(fin)

 主人公の名が、カエルを表す「グルヌイユ」に 始まり🐸、

いとも・かんたんに、都合よく人が死ぬ展開など

(おとぎ話だな・・)

と 思うところもありますが・・

 世界史的に知られた、革命前後のフランスの、

臭くて、「公衆衛生絶無」な景色や 人々のくらし・・

 

教会が説く神の教えとは だいぶ逸脱した、

生々しい人間の営み・・

 

そういうのが、リアルに描かれていて、

きょうみ深かったです



 まあわかるけどね~

好きな相手の匂いは、嗅ぎたくなるものよね

それが、たとえお尻でも

そして、

5年以上お風呂に入っていない・クリンの頭でも

 ああ、くさあい(クンクン嗅ぐ、親友チット

 「クリン、くさくない🐻」

 

 

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山口拓夢『短歌で読む哲学史』(感想)

2022-10-02 | 本と雑誌

 天気がいいので、本の虫干し・・

 ハイデガー『存在と時間』・・

Eテレの「100分de名著」は 良い番組ですが、

この哲学者ハイデガーの回は、ちょっとむずかしかったです。

これはぐち(愚痴)ですが、、

 そもそも哲学って、人間にとって重要なことを扱っているのに、

ちんと説明してくれる人が少なくて、

わかりにくい。。

西洋哲学なんて、なおのこと キリスト教とむすびついて

奥深く、

日本人クリンなど およびでない、、

ヨーロッパの哲学者たちはいつもみんな、コインかどうぞう(銅像)みたいに 

ひんやりしていて

かたく、取っつきにくい。。

 だから、一生、あの雲のように、

形を変えて消えていくのを 目で追うだけなのか・・

と 

思っていました。

 しかし クリン、さいきん、すごく良い本を見つけて、

(もしかして自分にも、哲学が少しわかるかもって気が、し始めているんです

 その本のタイトルは、『短歌で読む哲学史』。

山口たくむ(拓夢)さんという・哲学者が 書いているのですが、

古今の西洋の有名学説が、

なんと、短歌の三十一文字でまとめられていて、

日本人にも、いでんし(遺伝子)レベルで理解できる

という・・

すぐれ本なんです

たとえば、


 

万人がその戦いを放棄して自分の権利を国に預ける・・・ホッブス

繰り返しこの人生を生きたいと言い切れるほど強く生き切れ・・・ニーチェ


みたいに、

内容を 説明してくれています

(慣れた形式だからなのか、スッと頭に入って来ました~🐻

 短歌・・ それは、目に見えるものと見えないものの両方を 端的に表現しうる、

かんかくの玉手箱

日本人の内面を照らしつづけて・千年超の歴史をもつ、

すぐれた言語ツールです

 著者・山口さんはそこに目をつけ

まさに、誰にでもわかるように 

哲学の思想ひとつひとつを まず、日本語の短歌にてあらわし

そこに、短めの「解説」をつけて、

ちょうどよく、分かりやすく

まとめてくれているのです

 クリンたち、これにより、冒頭のハイデガーの『存在と時間』の不明点を

明らかにすることが できました

先哲の思想を そしゃくし、

エッセンスレベルに 分かい(解)してから

三十一文字に へんげさせた 

現代の哲人の発信は、

 美しい・短歌の形式で、哲学という学問の美しさを

せいぜん(整然)と、示してくれていました

 

【星5つ

(いきなりブックレビューになっちゃいました

でも良かったので、みなさまにも伝えたくて・・🐻

なんか・・

「みんなに哲学のすばらしさを教えてあげたいっていう・親切心に あふれた文章だったんですよね 

このちょしゃ(著者)の気持ちに、打たれてしまいました~)

 


※さあ「断捨離」に戻らねば次こそ、つまようじのネタ行きます

 

 

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平野啓一郎『本心』感想

2022-07-14 | 本と雑誌

「新聞に、平野啓一郎(ひらのけいいちろう)の小説が連載されていた」

と 聞き、

読んでみました。(←好きな作家さんです

 小説『本心』は、「超高齢化社会」が進むこれから、

多分、真剣に話し合われるであろう、死の自己決定権にまつわる お話。

「自分が死ぬタイミングを自由に決められるようになったら、どうします?」

読者に そっ(率)直に問いかけてくる、切ない物語です。

~あらすじ~

 2040年、デジタル化がいっそう進んだ世の中。

仕事の多くは科学技術にとってかわられ

格差はひろがり

日本人が、中国に出稼ぎに行ったりする時代

 

「特に重篤な疾病障害がなくても、人々は個人の意思で自由死を選択してもいい」、

一線を越えた社会に なっています。

 主人公の29歳の男性は、母ひとり子ひとりで育った

心やさしい青年ですが、

先ごろ、母を事故でなくし

孤独に うちひしがれていました。。

 そんな中、亡くなった人のバーチャル・フィギュアを作るサービスがある

のを知り、

お母さんのバーチャル・フィギュアを作ろう

と 思い立ちます

 というのも、実は・・

お母さんは事故死する前、

彼に

自由死したい、との希ぼう(望)を 伝えていました

(・・なぜ、お母さんは、人生を終わらせる気持ちになったのか

 

理由を知りたかった彼は、

母のライフログを学習したAI に「最適解」を答えさせよう

と、

バーチャルフィギュアとくらす生活を はじめたのです

 ところが、お母さんは自由死にまつわる

一切の自己データを残さなかったため

「バーチャルお母さん」も 

そけだけは、答えることができず、、


 そうぞう(想像)以上に、深いお話でした。

 数年前まで、恋愛小説を書いて

読者をキュンキュンさせていた

じ作家さんとは 思えないくらい、

踏み込んだテーマで、考えさせられました。

 クリン🐻、自分だけの考えとしては、

死のタイミングや

あいする人亡き後の わが身の処し方について、

ひそかに けつい(決意)していることが

あります。

 でも・・、さまざまな立場や考えの人がいる世間に向かって

このような問いかけをするのは、

よほどの「説得力」と

「確固たる意見」がないとダメだって 

わかっているので、

うっかり 口にはできません。

 それを まだ老れい(齢)でもないのに 世に問うて

小説という形で ぜつみょうにまとめた

平野啓一郎さんは、

作家として、すごいフィールドに足を踏み入れた

と 

かんじました

 物語の主人公は、母の自由死のどうき(動機)を探るべく

自死を介助したお医者さん、

もと同りょう、

生前愛読していた小説、

などを探り、

その中で新たな出会いをけいけんして 次第に立ち直っていきます。



そして、

「人に自由死を選択させる社会」に、今度は 立ち向かっていきます

 ・・なんとなく、(こんな時代になるのかな?)

みんながうすうす恐れている

ドライな未来に、

力強い人間の一歩を踏み出させて 物語のまくを閉じた平野さんは、

 やはり、いつも通り、弱くても・がんばっている人の味方であり

人間の、がんばる力を信じている

「善良な魂をもつ・作家さん」だなあ

って

かくにん(確認)できました




~印象に残ったところ~

 

「小菅駅からほど近く、歩き始めると、スカイツリーを荒川の対岸に遠望した。手前の河川敷では、高齢者たちが草野球をしていた。その楽しげな様子に、心を奪われた。

無事にその年齢まで生きられ、そして、今は自由だということが・・」

 

 

 

【おすすめ度:

 

 

 

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夢野久作の九州日報記者時代

2022-06-15 | 本と雑誌

 忙しいチットの さいきんの楽しみは、毎晩少しずつ、

大正時代の「九州日報」を 読むこと。

 ここに のちのドグラ・マグラ作家「夢野久作」が、記者として

コラムを書いていて、

文章がとても良い、と言います。

・・夢野久作って父親が政界のフィクサーでさ、有名人。

右翼の玄洋社と つながってたんだよね 

九州日報の前身は玄洋社の新聞らしいから、多分父親のコネで入社したんじゃないかな?」

と 

説明するチットが ハマっているのが、

「街頭から見た新東京の裏面(りめん)」

記者・ゆめのきゅうさく(夢野久作)が、

「関東大震災」の翌年、東京に出てきて取材した、見聞記です

 

 

~出だし~

「万世一系のミカドの居ます東京――。
 黄色人種中最高の民族のプライドを集めた東京――。
 僅か五十幾年の間に日本をあれだけに改造した東京――。
 思想でも流行でも何でもかんでも、日本でモテたり、流行ったりするものの大部分はここからはじまる東京――。

 日光、京都、奈良そのほか日本の古美術や名所古跡に感心し、ゲイシャガールに涎(よだれ)を流し、能楽(ノーダンシング)に首をひねる前に、是非ここの黄色いホコリを吸わねばならぬことになっている東京――。
 
そのほかあらゆる意味に於てヤマト民族を代表し、国際問題の大部分に於て東洋を代表し、芸術なんどの方面ではうっかりすると人類文化の最も高い方面を代表しているところもある東京――。


 その東京が一撃の下に殆ど全域にまではたきつぶされたという事は、日本全国はもとより世界の人々を驚かすに充分であった。」


 リズムがあります



以下、
記者(夢野久作)は、

復興期の東京市政の腐敗や、

東京市民の堕落、

江戸っ子の衰滅、

鉄筋コンクリート都市の悲哀

などを あげつらい

「東京は大都市だけに、上中下どれともつかぬ階級の人間や、

思い切った変態生活者が夥しい。」

呆れたり  面白がったりしています

 彼が伝える細かい「路上観察」や

東京市長たちのありさまは、

なかなか知りえない当時の世情を リアルに教えてくれ

うちのチットは

「夏目漱石にこういう人間関係があったのか。」

とか、

「勝海舟の明治政府評は、さすがだね

などと

よろこんでいました

 中でも、江戸っ子のチャキチャキと一脈通じる
福岡っ子の

ゆめのきゅうさく(夢野久作)が、

ズバリ

江戸っ子くずれの「東京の知識人階級」を、

「天下の事に憤慨するよりも、一鉢の朝顔に水を遣る真実味を愛する亡国の賢人」

ぶったぎっているくだりには

すさまじく切れがあるといい・・

(ただの「変質者作家」じゃなかったんだな

発見できたって 言ってました

 

 

 

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マヌエル・リバス『蝶の舌』・感想

2022-06-12 | 本と雑誌

さいきん読んだ、もう一冊

(※さわやか系・海外図書の、ご紹介です

 マヌエル・リバス『蝶の舌』

 

この春🌼

映画「ドライブマイカー」が アカデミー賞(の国際長編映画賞)

をとり、

話だい(題)に なりましたが

その原作者である、村上はるき(春樹)の小説と、

「文体というか創作の雰囲気が似てる」

といって、

うちのチットが 気に入り出したのが、マヌエル・リバスです。

 ガリシア生まれのマヌエル・リバスは、詩人でジャーナリストで、
エッセイスト。



日本では 

そんなに 知られていませんが、

スペインでは、国民的作家だそうです。(※現在65さい

 彼の代表作が入る、『蝶の舌🦋』

という短ぺん(編)集には、

さまざまな「愛」が 

ごく短く・つづられているのですが

 どの作品にも、フシギな「浮遊感」が あり、

ドライに 酔えるので、 

 クリンたち🐻、「ジンソーダ小説」と名づけました

 

話のすじが、あちこちにとんだ

と思ったら 

はかなく消えたり・・

 とにかく、真夜中にみる
映画のように、

イメージが 

しずかにおりてくるかんじ。。

 たとえばこの本に所収されている、

『愛よ、僕にどうしろと?』

というお話。

それは、

 夏が来て最初に摘むサクランボの夢をみる」

という出だしで始まる、

若い「銀行強盗」の、片想い小説 

なのですが・・

 



けっきょく、ゆめ(夢)なのか、現実なのか? 

わからないままの

ストーリーに、

かんかく(感覚)のプリズムともいうべき・断片

フワフワ 浮いていて

 

よいんが のこりましたね。

 

 

 

 

 

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『変な家』雨穴(感想)

2022-06-09 | 本と雑誌

つながりで・・

去年発売されて、話題になった本

を 読んでみました

 『変な家』(雨穴・著)
おもしろかったです。

 ストーリーは、主人公が  とある中古物件の間取りに

ふしん(不審)を抱き

いろいろ   しらべまわったところ、

ある一家の、ものすごい「闇」にぶつかった

という

いんねん(因縁)話・・

「不動産ミステリー」というカテゴリーにぞくする、

目新しい作りの  ノンフィクション仕立て小説

です

 その家は   窓がたくさんあって、一見明るそうに見える

なのに、

なぜか、二階の子ども部屋には 窓がない。

 

一階にも 

用途のわからない なぞ(謎)の空間があり、

(よくよく考えていくと、なんだか・・怖くない

っていう 

家なんです。

 他にも、あと二軒

同じ目的で設計された、

いびつな間取りの家が 出て来ます。(図面で)


果たして、

その三軒の家に共通する  "目的”とは・・?


 雨穴(うけつ)さんという、YouTuberが Web上に発表して

たちまち大評判になった

とのことですが、

(ひょうばんになるだけあるな~🐻)

って

かんしんしました。

 

 

(読んでたらさむくなりました・・つゆざむ(梅雨寒)が加速するような、怖い本でしたね。

次回もブックレビューです

 

 

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