順当に 出世し、
何をしても しょうさん(称賛)される
「光源氏」ですが、
心は
つねに 一点、空きょ(虚)でした
初恋から7年。
こがれ・つづけて
たえきれなくなった ゲンジは、
ついに
「千載一遇のチャンス」を つかみ、
命がけの
みっつう(密通)を 果たします。
たった一度の ちぎりでしたが、ふじつぼ
は かいにん(懐妊)し、
おうのう(懊悩)の末、
男皇子を 出産しました
ゲンジも
「罪の意識」から、
苦しみの一年を すごしますが、
同時に
ふじつぼが、
今まで以上に 自分を とおざけるように、なったことが
つらくて なりませんでした
おぼろづきよ(かんじ:朧月夜)です。
右大臣家の お姫さまであった
おぼろ月夜は、
東宮に こし入れが決まっていた
若き・美女でした
しかし、
「深窓の姫君」に 似つかわしくない
だいたん な気性のもち主で、
アデージョ(艶女)
「政敵の娘」と
知りながら、
ボタンのように あでやかな
おぼろ月夜を抱く・ゲンジ
は、
やり場のない
じょうねつ(情熱)を、
かけて しまいます。
この火あそびが もとで、
「次期・帝にそむいた罪人」
として
都を おわれることになるのに・・
(※次回は、花散里です)