どっちでもいいよ

東京で一人暮らしの大学生の末娘

たまたま連絡すると

風邪を引いたという

「2日くらい熱があったけど今は大丈夫」

 

「行こうか?]

 

「大丈夫」

 

「行こうか?」

 

「大丈夫友達も来てくれたから」

 

インフルエンザが流行っているからと

病院に行くことを進め

娘の好物の苺を送る

 

翌日メールが入る

「インフルエンザだったB型」

 

「えっ!行こうか?」

 

「どっちでもいいよ」

 

病院から入ってきた

どっちでもいいのメールには

不安が見て取れた

 

「直ぐ行くね」

 

家の中のものをかき集め

急いで子供のもとに駆け付ける

 

寝入った娘の

おでこを触るとかなりの熱

家から持ってきた氷枕を頭の下に敷き

おでこに冷たいタオルを置くと

「気持ちいい」と一言

そしてまた寝た

 

洗濯をしながら

3時間かけて

作り置きの料理を作る

小さな部屋を拭きながら

何も増えてない

さっぱりした彼女の暮らしを垣間見る

 

夜中少し落ち着いて来た娘に

声をかけ食事を取らせる

 

よく食べてくれた

薬のせいだろう

熱も引いて来た

 

何も食べていなかったのだろう

友人から差し入れられたと思われる

数種類のお粥のレトルトの袋は

封もあけてない

送った苺のヘタが数枚

流しの三角コーナーに捨ててあった

 

冷蔵庫にはポカリスエットが沢山入っている

これも差し入れだろう

有難いことだ

 

持って行ったポカリも入れると

冷蔵庫はポカリで一杯になった

それをベランダに移し

ベランダで冷ました料理を

小さな冷蔵庫に詰める

 

親元を離れ少し大人になった娘

それでも

いつも娘は幼い子供のまま

愛おしい

親はいつまでも親

それが有難い

 

熱を確認し

水枕を変え

朝の仕事に間に合うように

娘の部屋をでた

 

「ありがとう。助かった。」

短いメールが届いた

熱も下がりかなり楽になったようだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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