ペンシルハウス物語~東京日和~

-gozar de tokyo-きまま そのまま なすがまま 

銀座kazan

2007-05-19 | 食 Gourmet


久しぶりに花金の銀座で
友人とディナー。

最近残業を自主放棄している。

「えっ?もうお帰りですかい?」という周囲の
冷ややかな目と無言の圧力を背中に一身に浴びつつ

終わらないもんは、
今日でも明日でも終わらんのじゃワシは帰る!と

その視線を振りほどいてベルサッサ。




お店は東銀座駅から昭和通りから
少し路地に入った所にある。


銀座kazan

店内はライト抑え目で薄暗く
客層も場所柄R35以下お断り?な雰囲気。

乾杯は珍しい赤のスパークリングワイン。
(といってもお酒はこれ一杯で終了だったが。。。)

今回料理はコース。

お店の料理コンセプトが
野菜と魚貝中心という、ココロ掴まられるフレーズ。

「マグロのズニクでございます。」と言われ
ズニク?ズニク?と一瞬頭に「???」が浮かぶが

OH!頭肉!
友人達とこめかみに指をあて納得。


最近はもっぱら
恋愛ネタより健康ネタが、ぐんぐんとランキングを
上げてくるのが淋しい所。

いかん!こんな会社と家の往復だけの
サラリーマンオヤジの様な生活。

しかし結局最後は、また同じ壁にぶつかって
「どんだけー」の雄叫びが銀座の街にこだまする。

ほんと、何もかもどんだけー。









ぴーちゃんのベベン

2007-05-17 | 暮 Life
♪ベンベン~ベン・ベン・ベン~♪

襖の向こうから
何やら怪しい音がする。

何?何の音だ?

日曜日母の日という名目の
コロモガエの為に実家へ帰る。

玄関を開けると♪ベベーン♪

家に居た妹を捕まえて問いただす。

ワタス:「ちょっと、あの音一体何?なんなの?」

妹:「何も聞いてはナラヌ」

ワタス:「ねぇ、ねぇ、下の和室から聞こえるんだけど」

妹:「誰も開けてはナラヌ」

ワタス:「アンタ、質問に答えてない!」

妹:「自分の目で確かめてみるべしぃぃ」と逃げて行った。


音が聞こえる和室の襖の前に立つ。

♪ベベーン♪

あの怪しい音の出所はやはりこの部屋。

ゴクっと唾を飲み込む。


開けるべきか開けないべきか。
気分は”鶴の恩返し”の主人。

♪ベベーン♪

んー駄目だ!気になる!

えーい開けてしまえ!

何と襖を開けるとそこには、鶴ではなく母が居た。
それもウクレレを抱えて。


ハハ:「あらお帰り~♪ベベン~♪」

ワタス:「・・何やってるの?」

ハハ:「見てわかるでしょ~♪ベン・ベン♪」

ワタス:「高木ブー!」

ハハ:♪ベべべべべーン♪


父と妹によると

何でも30ウン年前に使っていた
ウクレレを最近再び復活させて弾き始めたという。

そんな昔の伸びきった弦のままで
毎日ベベーンが続いているらしい。

ウクレレというより”耳なし芳一”の
琵琶のようだとは父の弁。(うまいね)

琵琶聴いた事あるのか?と尋ねると
「そんなのあるわけないだろう。イメージイメージ」といい加減な回答。

しかし、ぴーちゃんはいたって本気で
楽譜まで買っていた。

ワタス:「この中で何を弾くの?」

ハハ:「3月9日」

ワタス:「ほほー?そんなナウな歌知ってるとは!」

ハハ:「知るわけないでしょう、はい歌って」

ワタス:「はぁ?」

ハハ:「ほれ♪ベベーン♪」

ワタス:「ええー♪な~がれ~るき~せつ~の♪」
といいながらしっかり歌う。

ハハ:「あーワカラナイ!聴いた事ない。はい次!」

という勢いで次から次へと歌わされるが、
「最近の曲はわからない」というわかりきった結論に行き着き、

最終的にぴーちゃんの練習曲は
「手のひらを太陽に」になった。

あんなに歌ってあげたのに・・・。

にしても、
ぴーちゃんは一体どこへ向かうのか。

ウクレレ弾いて、社交ダンス踊るのか!?
オソロシや。誰も止められないわな。。







グレゴリー・コルベール展

2007-05-12 | 観 Movie Museum


金曜の夜、会社の帰りに友人に誘われ
お台場で開催されている

グレゴリー・コルベール Ashes and Snow」へ。

ただ 圧倒。

ただ 圧巻。

手漉きの和紙に焼付けされた
セピア色の写真は合成ではなく

本当に動物と人間が向き合い寄り添う。

眺めていると、
この象は言葉がわかるのではないか?と錯覚を起こす。

作品が展示されているノマディック美術館は
移動式美術館となっており

152個の貨物コンテナを
4段の市松模様を描く様に組み立てられている。

一番上のコンテナの高さは10mに達する。



この貨物は全て移動先でレンタルされ、
返却される。

ニューヨーク、サンタモニカ、
今回の東京で3箇所目との事。



設計は板茂。
紙の教会等を手掛ける、斬新な素材やアイディアを持つ建築家。

今回のノマデック美術館の柱も
直径740mmの紙柱で出来ている。

高い天井に柱が規則的に並び
真っ直ぐ直線に続く通路に

大きく焼きつけされた写真が並ぶ。

この「Ashes and Snow」は

写真と映像と美術装置と美術館が
全て合わさり、全ての作品となっている気がした。

驚いた事に、今も作品は増え続け
継続し、進化している。

時間があったら、いやないなら、
作ってでも
ぜひ足を運んで欲しいと思う展示。






道産子 モエレ沼公園編2

2007-05-09 | 暮 Life
しつこく北海道ネタをひっぱって。

締めはモエレ沼公園の象徴
「モエレ山」編といく予定であったが、

デジカメの画像サイズが巨大過ぎて
アップロード出来ず・・・。

これはどうやったら
小さく出来るのかしらん??

ああ。。。
こんな時こそメカに強いダーリンがいれば!

と、妄想の翼がまたバッサバサと
羽を広げそうになりそうなオカン。

違った。なりそうな予感。


標高62mのモエレ山は
モエレ沼公園のシンボル山。

遠くから眺めても、近くに行っても
どこから見ても登っている人が豆粒みたいな大きさである。

山頂へは3方向5ルート選択できるが
あまりの山の大きさとテンションの高さで

皆で真正面から上り始めてしまう。

途中まではそれでもまだ良かった。
話す余裕もあった。

それが突如、勝手に決めた7合目辺りで
傾斜がぐんと急になる。

足の甲が上にそっくり返る様な状態で
登っていかなければならない。

上を見上げる余裕はなくなり
ただひたすら下の芝を見て歩く。

辛い。キツイ。苦しい。涙出そう。

こんなツライの
中学の部活の夏練以来かもしれん。

一緒に登った知人は隣で

「足がイタイぃぃ~足がイタイぃぃ~もう帰りたいぃぃ~」と
ずっと絶叫していた。

声が出るだけ元気で羨ましい。

アタスは苦しすぎてほぼ無言。

辛くて、辛くて、

あきらめそうになって

こんな苦しい思いをするならば
いっそ歩みを止めてしまえ。

逃げてしまえ。

でも 逃げても同じだろうし

この苦しさが抜けたら
何か良い事が待ってるんじゃないか?

どうなの?どうなの?どうなのよーと

苦しさはピークの上
自問自答で自滅しかけた所で山頂へ到着。

息も絶え絶えで顔を上げた先には
広大な北海道があった。

緑が眩い公園と遠くに札幌の街。

風が強くて、

それこそしっかり自分の足で立っていないと
吹き飛ばされそうだった。

週明けからの憂鬱な仕事も
ドン詰り気味な毎日も、鈍感なアイツも

どうでもいい小さな事に思える。

イサム・ノグチが目指したかったもの。

人間らしく戻れる所。

もしかしたらほんの少し感じられたのかもしれない。

なんて単純すぎか。








道産子 モエレ沼公園編1

2007-05-07 | 暮 Life
世の中には文字や映像で得た知識が
あたかも自分で体験したかの様な錯覚を起こす。

知った気も、わかった気も、
見た気も、食べた気も、ありとあらゆる気。

道産子最終日の晴れ渡る日曜日、
札幌のモエレ沼公園へ。

ここは今回の旅行で唯一絶対に行くと
決めていた所。

イサム・ノグチが基本設計を行い
17年かけて造園し2005年に開園した広大な公園である。

札幌市の市街地にあったゴミ処理場が
緑あふれる公園へ生まれ変わる。

模型や写真で見ただけで
知っていた気、理解した気が

実際の公園へ足を踏み込むと

全て粉々になる程の
圧倒的スケールと迫力と存在感。

何があるという訳でもなく
ただ大きい丘とただ広い芝生とただ大きい彫刻。

2年前にここに行きたいと強く願った事。

その時に見て感じた事は

実物を目の当たりにして
その何十倍の感動で自分の目で肌で心で味わう。

物より思い出。
自分で感じた事は大きな知識と記憶。

ゆるぎない財産。

【ガラスのピラミッド】



【ガラスのピラミッド内部】



この中にレストランがあり
お薦めと聞いたので入ろうと思ったらすでに1週間前から
予約で一杯との事だった・・・・。次回はぜひ食すベシ。

【カラマツの林】



木陰でお弁当を広げて食べる。
新緑ピクニック。

【テトラマウンド】


芝生のマウンドの上に
直径2mのステンレスの柱が三角錐を形造る。

ピラミッドパワーがあるか?と
みんなで中央でバンザイ!



不思議なもので、
人間はあまりにも大きなものに出会うと
バンザイしたくなるのかも。

【プレイマウンテン】



その大きな存在感に言葉なくして
歩き続けて、登り続けて、

辿りついた頂上から広がる景色に
小さな事も嫌な事も忘れちまいなーと思えた。