ペンシルハウス物語~東京日和~

-gozar de tokyo-きまま そのまま なすがまま 

その道はギリシャへと続く

2011-09-26 | 観 Movie Museum
これが'テルマエ・ロマエ'への伏線だったのか!
と言うのは無理やりのこじつけ。

会期末ギリギリに出掛けた8月と9月の展覧会。

■国立西洋美術館
古代ギリシャ展

■新国立西洋美術館
ワシントンナショナルギャラリー展

■東京オペラシティアートギャラリー
家の外の都市の中の家


ギリシャ展のテーマは
「THE BODY」というだけあり、

余分三兄弟なぞ一切ない美しい肉体の彫塑が並ぶ。

オリンピアからの歴史も語りつつ世界中を巡回し、
来年にはロンドンオリンピック開催に合わせて凱旋帰国する展覧会。

古代も現代も「美」は均整のとれた美しい肉体に宿る。

あの有名な円盤投げ像が、ぐるり360度から眺められ
まずは正面からの躍動感ある腹筋に、

「たまらんわ~」と萌え。

後ろに回りこみ、
鍛えられた太腿から臀部にかけてのライン。

また背中の筋肉な感じが飛びつきたくなる。

変態?(笑)

にしても、ギリシャ時代を見ていると

'生'と


'性'と


'快'と


'死'と。

たった4つで成り立っているように思える。

貪欲で、

思うがまま、

自分に逆らわない単純かつ明快。


□ワシントンナショナルギャラリー展は
ザ・印象派王道。

やっぱスーラよねとシミジミ。

しかしアンジェラアキがカンに障る。
なぜテーマ曲?

夏休みも終わりとあって子どもが沢山。

「チっ!ガキ共!ウルサイ!」と思いつつ

絵の事など何だかわからなくても
あれ位の時から色々観ながら

あれ好きだーやなぜこんな色?
などと話す事は情操教育で良いかもねと思いながら

「オラッ!ここは公園じゃねぇ~走り回るな!」
とバタバタと走る回るコドモに睨み効かせつつ。

この日はずーっとイライザ。
なんだイライザって(笑)

□家の外の都市の中の家
東京という世界で類をみないミニマムな中に
せめぎ合う様に建つ住宅。

ビルに囲まれた中に
小さな住宅が守られる様に建っていたり

都心の中に入れば入るほど
その中で住む人々が軒先で育てる緑が増えていく。

いつか都庁の上から見下ろした時に
ある一定の大きな通りにだけビルがずっと連なっていて

「きっとあれが甲州街道だね、山手通りだね」

「ビルが内側にある家を守っているみたいだね」と

話していた事が、

本当にファイアーウォールとしての役割を果たしていたのか!
とちょっと嬉しくなり。

でも狭いペンシルハウスからは
どうにか脱出したいのだ。


オペラシティの水辺で手を繋ぎ。

東京の一番好きな場所はと聞かれたら
私はここのオペラシティが一番好きだと答えるだろう。

そしていつかここを離れる日が来て(来るのか?)
何年も何年も月日が流れても

きっと東京を思い出す時浮かぶのは
このオペラシティの水辺と光の光景だろうなとなぜか思うのだ。


TDW

2010-11-04 | 観 Movie Museum


東京ディズニーランドではなく。

神宮の早慶戦でもなく、

東京デザイナーウィークへ。


最終日は気持ち良い快晴。


外苑前のいちょう並木はまだ色づき前の緑と黄色が混在している。



何年振りかの東京デザイナーウィークは、


以前に比較したら出展数も少なくなっているのは不景気のせい?


'環境'という、今の旬、外せないキーワードを主体にして


新しいデザインの形を見せてくれる。



妹の説明していた3Dプリンターも、なる程こういう事かと納得。



機械自身が増殖するとは。新しい発想。



クリエイティブな人、物、場所。


自分の世界は小さい。



小さくて知らない事だらけで


見えてない事だらけ。


もっと脳ミソこねくり回さないとな。。発酵だけはドンドコ進行中。


しかし黄金トイレはあげると言われてもご辞退したい品だなぁ(笑)


宣伝

2010-10-24 | 観 Movie Museum
宣伝でございます。

自分探し迷走中?事故療養中?家事手伝い中?の
妹が来週から始まる

Tokyo Designers Week 2010」に
何やら参加するからと招待券をもらう。

一体何をやるのかと尋ねた所、

「cafeを作る」

「・・・・・・」


ええ。そうですとも。
百聞は一見にしかず。

お時間がある方はぜひ覗いてやって下さいまし。


もうひとつ今、彼女がかなり力を入れている
”足ツボ”推進。

ご意見うけたまわりたいらしく。
こちらもどうぞよろしく(笑)

moshimotion

バウハウス・キッチン

2010-10-20 | 観 Movie Museum
汐留ミュージアムで開催されている
バウハウス テイスト バウハウス キッチン」へ。

デザインや建築でバウハウスが
取り上げられる事は多々あるが

今回はバウハウスのキッチンにも焦点を合わせている。

毎回感じる事だが
バウハウスのデザインを目にする度

今から80年前に既にこのデザインが
生まれている事の事実に

現在のデザインなど足元にも及ばない。

展示スペースにバウハウスのキッチンが再現されており
なんと撮影OK.ふとっぱら。

【汐留ミュージアム バウハウス展2010年】

ガス台の横に調味料棚。
その下に引戸収納。湿気防止の丸いメッシュの窓付き。
これは道具系を入れる所にあると良いなと感心。

部屋の両側から使える戸棚。

動線を考えた配置。

食器洗いが便利になるシンク。


女性の家事労働からの解放する為に
考えられたキッチン。

男子厨房入るべからずなんて言ってた国とは
どえらい違いだこと。

天空の音楽とMan・Rayと

2010-09-04 | 観 Movie Museum
9月になっても暑い毎日が続く。

照りつける日差しが強すぎると
街中が白く見える。

コンクリートの沸き立つ放射熱の中を歩くと
息をするのも苦しい。

首の後ろを流れ落ちる汗は
不快さを通り越し感覚さえ失う。

ここはどこだろうか。
白く霞む街並み。

ああこれはもしや熱中症。。


何て事を考えながら会期が迫る
展覧会をハシゴする。

有元利夫展

有元利夫は38歳で急逝した画家である。

日曜美術館で紹介されているのを
観るまではその名前を知らずにいた。

でもその絵は、

どこかノスタルジックに、
どこか遠い記憶を呼び覚ます感覚がある。



-エクスタシーと浮遊。
音楽を聞いていても、その陶酔感は僕の中で
浮遊に結びつく。

だからそれを絵として表現したい時、
それこそまさに通俗に徹し

臆面もなく文字通り人や花を
「天に昇」らさせてしまうのです-
toshio arimoto


描かれているのは、
いつもどこか無表情な女性がひとり。

何をしているのか、

何を思っているのか、

どこへ行こうとするのか。

それでもどこか幸福感を表している様な
ふわふわと浮遊している絵。

音楽が聴こえてきそうな絵。
絶望を感じる絵よりもずっと気持ちいい。

そんなふわふわ浮遊感のまま
今度は六本木の

Man・Ray展」へ。


これまた全くジャンルが違うので
浮遊感から現実へしばし戻る時間を必要とす。

「モダンアートの先駆者」と評されるマン・レイ。

1860~76年に撮影された写真、絵画、彫刻、デザイン。

その斬新さを前にしてみれば
今、世に出回っている全てのデザインはただの真似でしかないと

つくづく思い知らされる。

溢れる情報や簡単に手に入る様々なものや便利さは

考える、生み出す、想像力、
色々な事を奪ってしまっているんだなと。

そしてやはり芸術家は常に”愛”と共にあり。

なんといっても

そりゃあどんな凡人だって、
”愛する力”ほど脳活が活発になり

生きていく活力となり、
クリエイティブになるものはないだろう。

そして天才は共通して超人的恋愛体質。
愛を作品に変えるのだ。

別れた女性が忘れられず
その彼女の唇を3m近い大きさの彫刻になんか出来ないもの。

そんな愛持ってないもの。

でも私はふわふわ浮遊する幸福感の方が
好きだったりする。

ずっと熱中症なのかもな。