ペンシルハウス物語~東京日和~

-gozar de tokyo-きまま そのまま なすがまま 

それでも生きる子供たちへ

2007-06-30 | 観 Movie Museum
7つの国の子供達を

7人の監督が、

7話のオムニバス形式で綴った映画。

それでも生きる子供たちへ


日本では

明日食べるものがないとか

銃声に脅える毎日だとか

お金がなくて学校へ行けないとか

親がHIVの麻薬中毒患者だとか

それはテレビの中にある想像の世界でしかない。


でもそれは紛れもない現実で、
生きていく事に必死な子供たちがいる。

強くて、そしてやさしい。

何不自由ない所に生まれたから幸福で
何もない所だから不幸なのか。

恵まれた自分の場所から

「可哀相に」と同情する事だけの
ただの自己満足なのか。

出来る事といえば
缶バッチを買う位しかないのか・・・。

映画館を出れば人が波の様に揺れる
虚しさと現実が押し寄せる渋谷の喧騒。

あの中国の花売りの女の子
小猫の笑顔が少し救い。。

燃える赤シャツ

2007-06-29 | 暮 Life
「ほら見て、豆腐売り場の前にいるオジサン、
絶対ダンスやってるわよ」

と母がこそっと耳打ちする。

先日父の日に実家に帰った際に

近くのスーパーに買い出しに行くという両親に
荷物係りとして付き合った。

荷物持ちといっても、
いつも自分の欲しい食材をどさくさに紛れて

何品かカゴに入れるという姑息な魂胆。
ウホホホ。


母が突然ヒソヒソするので
前の豆腐売り場に目をやると、

納豆を真剣に選んでいる奥さんの横で
顔はすましているが、

足をクイックイッと動かすオジサンがいた。


ワタシ:「わわわ!足が勝手に動いてるよ、あぁお父さんみたい・・・」

母:「スーパーの中の曲がワルツだからよ。」

と、説得力に欠けるご意見。


ワタシ:「あれ?そういえばお父さんどこにいった?」

母:「そうなの、さっきからいないのよ」

どこにいったのかしらね~と

ふと後ろを振り返り、
ぐるーっと店内を見回すと

少し離れた野菜売り場のバナナの前で
店内を流れるワルツに合わせて妙なクネクネ動きをしている、

ウエストポーチをしたオジサンが見えた。


ま、ま、まさか!?

あの変なウエストポーチ間違いない・・・


ワタシ:「お母さん!た、大変!お、お、踊ってる!」

母:「誰が?」

と振り返った母の目にもバナナの前で
踊る父が写る。

ワタシ:「ゲゲー!豆腐オジサンどころじゃないよ!激しく踊ってるし」

母:「ダメだわ~お父さん顔が下向いてる!」

ってそこでダメ出しかい。。。

母は全く止める気がないので
急いで止めに駆け寄った。

ワタシ:「ちょっとお父さん!ここは家じゃないんだからね」

父:「おぉーメンゴメンゴ。つい身体が動いちゃうんだよ。エヘヘ」

メンゴメンゴじゃないっつーの。

父はいつもこんな調子なので

少し広い所、鏡(窓ガラスも可)、ダンス風曲の

三つの内の一つでも揃うと
自動的に反応して動き出す。

会社でもそうだったらしく
あっという間に

”ナベさんダンス始めたらしい”と皆にバレていた。


母と二人で出来る趣味でもあるし、
メタボからも縁遠い体型も維持できて

若返る良い趣味を持ったとは思うが
もう少しTPOを考えておくれよ父ちゃん。。。


そんな父の日のプレゼントは
以前からのリクエストの”燃える赤シャツ”

燃える赤シャツって?という質問に

「とにかく赤。真っ赤な情熱の赤シャツをよろぴんこ」
とわけのわからない返事であった。

ヒロミ・GOが着そうな赤シャツに
黒の細いラメ入りネクタイをつけてプレゼントした。

まるでルパン三世。
還暦過ぎてもルパン三世ならいいのか・・。

エスカレートしなければいいがな・・・。






プラダを着た悪魔

2007-06-27 | 観 Movie Museum
先月から毎日業務日報なるものを
書かされている。

外回りの営業でもなく
日々ルーチンの業務をこなす事務職に

日報もなにもないだろうと、
ブーブーブーと文句を言ってみたが

あっさり却下され導入。

それでも開始されれば
毎日同じ事を繰り返してる仕事だとおもいきや

意外と日々なんやかんやと事件は起こる。

その度に

「これはおかしいのではないか?」

「こうすべきではないか?」

「納得いかない!!」等々、

毎日8割は怒りの報告?と思われるほど報告があり

しまいには、欄が足りなくて
行を挿入している始末であった。

ある意味ノリノリ。

怒りの報告に関して都度
上司のコメントが入ってくるが

「あまり怒らずに」や「長い目で見てあげて」などと

なんやそのぬるいコメントは!交換日記かい!と
ツッコミ返したくなる・・・・。


クサクサするわーと会社帰りにDVDを借りた。

映画で見損ねた「プラダを着た悪魔

もんのすごい怖い
ファッション雑誌のスゴ腕女編集長メリル・ストリープと

見習い新人記者で雇われるはずが、
いつのまにか編集長秘書になってしまった
アン・ハサウィエイ。

この人は目が顔の1/3あるんじゃないかと
思う位のパッチリおめめ。

どう遺伝子が組み合えば、
あんな大きい目が出来るのだろう?人体の謎。


このメリルが演じる女上司は怖いが、
現実にも充分に生息している。

気分屋で、冷酷で、でも頭は切れる。
気に入ってもらえば身分保障。。。

怖い。怖い。

そこに嫉妬や男が絡むともっと大変。

あーでもこれは勝手な私の思い込みか。

随分と過去にあまり女上司で
いい記憶がないから偏見があるのかもしれん!?


アン・ハサウェイがダサダサファションから
どんどん垢抜けていくのは圧巻。

やっぱり人間
外見を磨くのも大事である。

♪ボロは着てても~外見コニシキ~♪
じゃ駄目なのねーきっと。







New Bornと番長

2007-06-24 | 暮 Life
先日会った友人に
無事ベビ~が誕生した。

凛々しい男の子。

新生児室のガラス越しに

「うひゃー可愛いわ~」

「やっぱり小さいね~」と家族ばりにガラスへばり付く。

出産した友人は、
ちょっとクズリ出した上の子を部屋に連れて行ってくると

ひとり新生児室に残されたが、
「寝てるだけなのに、なんて可愛いんだー」と

しつこくガラスにへばり付いていた。

ふと、何やらジッーと
見つめられている視線を感じ顔を上げる。

視線の先には

新生児室の゛番長゛の様な
貫禄ある助産婦さんが座っていた。

私:「こ、こんにちは~」

ガラスにへばり付き過ぎて怒られるかと
少々ビビリ気味。

番長?:「はい、こんにちは~」

私:「赤ちゃん、かっ、か、可愛いですねぇ」

番長:「可愛いわよ~」
「あなたもお子さんいるの?」「結婚されてる?」
「えっ何?してない?」「年齢は?」「住んでるのはご実家?」
「ご兄弟は?」「働いてらっしゃる?」「仕事忙しいの?」
「駄目よ~すぐ産まなきゃ」

私:「い、いえいえ~はっ、はい~」

矢継ぎ早の質問に、ひたすらイエスとノーを繰り返し、
タジタジしている私に

どれだけ初産年齢が上がると
出産が大変かを説明され、

そして結婚しないならば、
「お金を貯めなければ駄目だ」と諭される。

「でも産む時はしっかり
取り上げて上げるから安心しなさい」と
なんだかよくわからない微妙なアドバイスも頂戴する。

ヒェー!ヒェー!ヒェー!

しばらくすると、
もう一人ベテラン助産婦さんも加わって

「あなたがエリ好みしてるんでしょう?」
「あなた条件厳しいのよ~」
「人間ね、顔じゃないのよ~」

と、まあ出てくる出てくる。
ハイ。重々承知の上です。。。

様子を見に来た友人の旦那は、

私と番長達のやり取りを見て
「スゲー新生児室で説教されてる(笑)」と横で楽しんでいた。

私もこんな神聖?な新生児室で
説教されるとは思わなんだ。。(ウマイ!)

しかし、実際の現場で働いてる人達の
生の言葉は身に染みたか?!馬のミミに念仏か!

とにもかくにも母子共に無事で健康で何より。

ぎゅっと握りしめた小さい手のひらに
未来が沢山つまっていて

大きな希望が見える気がした。

さあ私は何から頑張るっぺかなー。

エレファント

2007-06-22 | 観 Movie Museum
レンタル屋でいつも気になるパッケージと
不釣合いなタイトル。

ガス・ヴァン・サント監督
エレファント

アメリカ・コロンバイン高校で起こった
銃乱射事件を題材にしている。

普通の高校の日常が淡々と
非日常の悲劇まで続く。

様々な生徒の目から写る日常。

あの頃は何に対してあんなに怒りを
絶望を抱えていたのかと鈍い痛みも。

ステディカムの長回しで追いかけているので
とても後姿が多い。

そしてその後姿は

強く印象に残る。


監督は出演の高校生は全て現役の高校生を
オーデションで選び、

セリフはほとんどがアドリブだという。

シーンそれぞれにストーリー性を持たせていない。

だからこそ、まったく無関係に見える
生徒同士が必ず交差する場がある。

彼が見ていた景色と
彼女の見ていた景色は

同じ空間にいながら全く違うものになっている。

なぜ?どうして?

理由がないからこそ
大人が勝手にそれらしい理由を、

もっともらしい理由を付けて
自分達を納得させてるのではないか。

理由のない悲劇は悲し過ぎる。

その中に答えは見つからない。

切り取った写真の様な
空が美しい映画。


映画とはぜーんぜん関係ないが
意外と象好きな自分に気が付く。

この間ニュースで千葉の”市原ぞうの国”で
生まれた子象に、布団を敷いてあげると
ころりんと横になる映像が流れていて

「すげぇー可愛いーよ!可愛過ぎだぜーゆめ花!」と
絶叫している自分に恐怖