心理学オヤジの、アサでもヒルでもヨルダン日誌 (ヒマラヤ日誌、改め)

開発途上国で生きる人々や被災した人々に真に役立つ支援と愉快なエコライフに渾身投入と息抜きとを繰り返す独立開業心理士のメモ

夢枕獏「神々の山嶺 かみがみのいただき」集英社文庫2000

2012-09-24 21:53:24 | 
夢枕獏「神々の山嶺 かみがみのいただき」集英社文庫2000
単行本は1997年。

現在宿泊中のカトマンズ・Fホテルの書棚から。

前から手を出したかったネパールモノの小説だけど、機会がようやくめぐってきたという感じ。
昨日と今日、2日かけて上と下504P.+564P.合計1068ページを読了。

著者はぼくの世代なので、興味の持ち方が重なる。
また、一般的な山の知識、とりわけヒマラヤ山域や高度障害、などについては、そうそう!と納得しながら読んだ。
特に今いるカトマンズの地名については、足元を描写されているような、当事者感覚。
あとがきでは、そうしたことへの著者の情報収集努力がうかがえた。

地球の最高峰エベレストへの英国遠征隊のアタック隊員で1924年に死亡したマロニーのものとされるカメラ、その拾得者としての山にしか生きられないアナーキーな登山家・羽生丈二(=今風には発達障害ということかもとは連想してしまった)と出会ったカメラマン深町を主人公にストーリーは展開していく、悲劇的な長編。

薬物
中古山道具店
裏商売
貧富と社会運動家
シェルパ社会
グルカ兵
ヒマラヤ登山史
高度障害下での幻覚
女性
などなどが背景となってゆく。
そして「ノート」や「独白」が多いことも特徴だろう。

さてぼくはふつうは小説は(冗長に感じて)読めない人なのだが、こうして旅の途上では手に取り、入り込んでいって読めてしまう。

さて明日はこのホテルの宿泊客が置いていった書棚から次はナニを持って来よう・・・




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