心理学オヤジの、アサでもヒルでもヨルダン日誌 (ヒマラヤ日誌、改め)

開発途上国で生きる人々や被災した人々に真に役立つ支援と愉快なエコライフに渾身投入と息抜きとを繰り返す独立開業心理士のメモ

恣意的な場合もある、カトマンズのタクシーのメーター

2007-10-14 12:55:37 | ネパールでの生活
先日、こちらでNGO活動をしている知人が日本から戻ってきたので、
タメルからパタン・ゲートまでタクシーを使って会いに行きました。
雑誌などを、言葉に甘えて、頼んでいました。

ラトナパーク横のカンチパトの一方通行の部分があり、多少経路が違うとは言え、行きが195ルピー、帰りが95ルピー!
それで、デレイ・マハンゴ!と抗議しつつ・・・行きには150ルピーしか払いませんでした・・・
こんなにタクシーメーターが違うのは初めてです。

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旅にでるので、3週ほど、ブログ更新ができなくなります。
旅先で可能だったら、試みるつもりです。

愛は地球を救わない・・・かも!ー 国連MFGs中間達成報告書

2007-10-11 16:40:18 | 国際協力・一般
国際開発ジャーナル 2007.10月 通巻611
数少ない、国際協力をリポートする月刊誌です。
850円、80ページ内外の薄い雑誌です。

この業界に入って12年、JICA関係で派遣されると、毎月届いています。
ようやく、ここで語られていることが、読み取れる自分になっているように感じている今日この頃です。
2004年に1ページ、NGO記事を書いたことがありますが・・・

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今月号では、国連のミレニアム開発目標MFGsの中間年達成状況記事が印象的でした。
2000年に国連は、2015年までに達成する21世紀の開発目標を8点にしぼって定めました。以下です。

1.極度の貧困と飢餓の撲滅
2.普遍的初等教育の達成
3.ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
4.乳幼児死亡率の削減
5.妊産婦の健康の改善
6.HIV/エイズ、マラリアおよびその他の疾病の蔓延防止
7.持続可能な環境の確保
8.開発のためのグローバル・パートナーシップの推進

今年2007年は中間の年に当たりますが、次の点は達成される傾向にあるといいます。
・極度の貧困者は、1990年から2004年の間に、1/3から1/5に減少した。
・サブサハラの極度の貧困者は減少し、貧困率は2000年から6ポイント減少した。
・途上国の初等教育就学率は、1991年の80%から2005年に88%に向上した。
・女性の政治参加は、ゆっくり増えている。
・乳幼児死亡率は、世界的に減少傾向にある。
・サブサハラ地域の農業生産、就学率、マラリア予防、保健医療サービスへのアクセスなどは改善。

一方、次の課題が残るとしています。
・サブサハラ地域での妊産婦の死亡率は1/16で、先進国1/3,800に較べて非常に高い。
・エイズによる死者は、離間率が頭打ちになっているにもかかわらず増え続け、2006年に290万人。2005年には、1,500万人のこどもが親を亡くしている。
・所得格差が東アジアで特に顕著。
・199年から2004年の間、貧困層の消費率の低下が劇的。

UN事務総長のハン氏は、「世界のODAが2004年以降、増加を見せていないことが達成を困難にさせている。特に先進国が約束した援助増額を履行するよう」強調している、とあります。

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別ページー高橋基樹「アフリカ援助再構築への提言」-では、
「サブサハラの46カ国中、1995年から2000年と、2000年から2005年のGDPを比較すると、半数の国のみ増加した」との指摘があり、
その理由は「紛争後の、見かけ上の向上」と「中国とインドの需要拡大による、鉱物資源ブーム」としており、
アフリカ全体の持続的な開発と貧困削減にはへのつながりへは疑問を提出しています。

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援助で貧困は解決しない・・・
愛は地球を救わない・・・・・かもしれない!!!

個々の国際的な支援を終えるときを現場から考える

2007-10-09 13:12:38 | 国際協力・一般
個々の国際的な支援が終わるときについて考えてみます。

1.ODA(政府間支援)の場合は、プロジェクト実施期間が終了するとき。
つまり、予算が終了するとき。
ODAやUNなどのボランティアの場合も同じで、任期終了の時期が来たとき。
NGOの場合でも、単一の助成金などに拠っている時には同じ。

重要なのは、技術支援にしろ、箱モノの設置と運営支援にしろ、目標が達成されたとき、ではないということ。
また、支援する側の事情が決定するという事実。
まあ・・・単年度の予算主義に基づく、日本での官庁の仕事を考えれば、まったく同じ。予算が付いた事業を実施するのが現場の担当者(派遣者・実施者)ですから。
実施者の能力や工夫というより、「どこで、限られた期間内に、誰が、誰を対象に、実施可能な○○を実施する」という事業を企画し、予算を獲得するする人の能力が、成否を決める全てである、という印象があります。

活動予算を獲得するために、事前調査と実施計画はあっても、実施については派遣された担当者任せ・・・
現地の担当部局からは「予算は完全消化、しかし増やさずに、事故など起こさずに元気で帰国してね、結果は問わないから」との視点の働きかけばかりで、実施上の工夫は共有してくれず、
さらに活動報告文書上はほとんどの事業が、○千万円の予算をかけたのに、サスティナビリティなどに一瞥もせず、現地のたった○人の変化や、あるいは実施者の汗や満足に焦点を当てたりして、「とにかく成功」したことになっていきます。

2.独自資金を持っているNGO・個人などの場合は、支援活動をいつやめるか、本当は単純ではありません。
やりたいだけできる・・・
やりたくないときにやめる・・・
実施の中心人物がいなくなったとき・・・

事前調査と実施計画、実施方法の検討や裨益者との継続的な討論(参加型の工夫)、モニタリングなどなどについては、
ネパールやカンボジアなどの現場で見る限り、
実行しているとはとても言えないところが多く、時々現地を訪れる中心メンバーの印象と、現地通訳などとの間で決定されていってしまっている・・・

国際的な支援についての理論と方法の蓄積について、学び共有されて、
支援が、数年間だけあめ玉を味わってもらうというような、気分次第で行われることのないようになればいいと切望しています。
壮大な「虚業」では困ります。
UN資料に拠れば、長年にわたって国際的な支援が実施されてきたにもかかわらず、地球上の貧富の差は依然として拡大方向にあるのですから・・・

・・・・・・・・・・・

支援する方にもされる方にも、双方にとって正しい終了って、目的としたことが1)目標の妥当性及び、2)達成度、3)開発の効率性、4)有効性、5)インパクト、6)自立発展性(持続可能性)の各側面で起こって、互いに納得して、次のステップに踏み出せることかな・・・

ネパール旅行業界の変化

2007-10-07 11:31:08 | ネパールでの生活
滞在が長くなってくると、人間関係の幅も広がってくるように思います。
ホテルビジネスをやっているネパール人から聞いた話です。

「16年間、共同で事業をやってきたけど、きのう、別々にやるということを決めたんだ。
最初は、空港で客引きをして、宿泊客を連れてくる彼に25%のマージンを払い、
ホテルの増築や客が減って苦しくなってきた最近は、10%というふうに決めて続けてきたけど、
ずーっと彼の不満が強くて・・・接客でも彼は不機嫌になっていて、苦情があったり・・・」

ネパールの旅行業界では、
近年は、自分でPCを使ってHPから割引料金の予約を入れてやってくる、旅慣れた人の比率が増えてきているといいます。
また、以前は安宿だったゲストハウスのグレードが、多くのところが改修して、すこしづつ上がってきて、欧米やアジア、日本からの団体客も、客層に加わってきました。こちらは、提携するエージェントとの営業が窓口です。
以前のように、空港の出口でお客に日本語で声をかけて獲得する割合は減ってきたということも背景にあるようです。


選挙は延期して、国会を開いて討議・・・課題は同じ

2007-10-06 10:10:18 | ネパールの政治治安状況
すでに昨夜からNHKーBSでも流れていますが、
11月22日予定の憲法制定議会選挙は延期と正式に決まり、10月11日に、暫定国会が召集されて、そこで懸案事項が討議されることになりました。

今年は10月12日から1ヶ月ほど、国ぐるみでダサイン休暇ーティハール休暇に入るので、きわめて異例な日程ということになります。

調整を図ってきた政党リーダーの果たした(あるいは果たしていない)役割は何だったのでしょう・・・
同じように、マオ派からの課題を討議するだけです。

テレビでは、ほぼ準備が終了した、選挙委員会 EC が全国へ配る選挙資料の山を映し出しています。

UN代表は、苦情を述べています。
些細なことかもしれませんが、UNが6月!実施予定だった選挙の支援と監視を視野に準備して、以来、多数滞在させている国連ボランティアたちはどうするんでしょうね・・・?
彼らが、借家を借りまくったおかげで、相場は上がったままだし、
外人たちが多く利用するレストランやカフェは、混んでるし・・・
まあ、気候のよくなった時期だから、休暇さえもらえば、トレッキングなどには絶好なんだけど・・・ね。

ちなみにECは、ぼくの住居のすぐ裏にあって、最近では夜まで明かりがついているだけではなく、一部の部屋ではテレビの明かりも漏れているなど、見るところ、準備に余裕を感じていました。

たぶん、マオ派からの要求を呑むだけなんでしょう・・・
ネパール政界の、なんという当事者性の薄さ!リーダシップのなさ!問題解決能力不足!

やっぱり11月選挙は延期?

2007-10-05 12:14:30 | ネパールの政治治安状況
今朝5日のテレビ報道によると、
5日間延長された立候補名簿締め切り1日前の、きのう夜まで続いた8政党の話し合いでも、合意がなかったということです・・・

マオ派は、3日に選択肢を3つに具体化して、その実現を迫ってきました。
それは、1)暫定議会で共和制を宣言し、選挙システムを比例代表制のみとする
2)王政を廃止して大統領を任命し、多数票方式選挙にも比例代表システムを適用する
3)共和制の宣言をせずに選挙を実施することを是認し、選挙システムを比例代表性のみとする、の内容でした。
ネパール共産党が、間を取り持つ形で、ネパール会議との妥協点を探ってきたようです。
コングレスは、マオ派を含んで、全政党で選挙を実施したい・・・
マオ派は、きのうは、選挙前の共和制の宣言か、あるいは比例代表制の実現と、1点に要求を下げ、妥協を図った・・・

しかし!!!

きょうにも、政府から正式な発表があるとのことです。

ぼくの感想;
マオ派のやり方って、近年の北朝鮮の「瀬戸際外交」と似てない?
自分たちに呼びかけの声がかかることをいいことに、相手へ要求を次々と突きつけ、汗をかかずに実現を図る・・・
ぼくの知る限り、マオ・ツー・トンはこういう闘いはしなかったと思うんだけど・・・
また、比例代表制になぜこの時期にこだわるのだろうか、わからない・・・

2007年ネパール憲法制定議会選挙の日程変更

2007-10-01 17:46:51 | ネパールの政治治安状況
マオ派は、10月4日(木)から3日間のバンダの中止をきのうの会議で決定したそうです。
きのう30日に内閣が、立候補日程の延長をしたことが背景のようです。

Himalayan Times によると、この延長で選挙日程は次のようになりました;
10月5日;比例制選挙 proportional representation (PR) の立候補名簿提出締め切り
   8日;多数票方式選挙 first-past-the-post (FPTP) の政党と個人の立候補者の締め切り
   9日;選挙委員会 the Election Commission(EC)が届けられたFPTP名簿を出版
  10日;FPTP名簿についての異議申し立て
  11日;ECが申し立てについて決定し、出版
  12日;FPTP立候補者の辞退期限
  14日;ECは、FPTP立候補者の最終名簿と、選挙シンボルを出版       
20日;比例制選挙の名簿を出版
  21日;比例制選挙の立候補者が登録される
11月4日;ECは必要な名簿の削除をする
   6日;比例制選挙の立候補辞退期限
   7日;ECは比例制選挙の最終名簿を出版 
  22日;選挙
 
ネパール共産党とマオ派、そしてネパール左翼戦線 United Left Front Nepal の各党は、この選挙前の共和制宣言と完全比例制選挙の実施とを要求して、いまだ選挙運動には入っていないようです。

首都では、マオ派の大規模な街頭行動や、カンティプール新聞社との労働争議、などが、
また6つの地方選挙事務所 District election office での事務妨害が続いています。

選挙まで51日、情勢はなお、流動的です。