心理学オヤジの、アサでもヒルでもヨルダン日誌 (ヒマラヤ日誌、改め)

開発途上国で生きる人々や被災した人々に真に役立つ支援と愉快なエコライフに渾身投入と息抜きとを繰り返す独立開業心理士のメモ

イワナと休日

2011-05-25 21:09:47 | 日本で・・・
陸前高田に4月6日に入って以来、現地での初めての完全休日にした。
8日間、毎日約12時間働きづめになっていたから。
2次ストレスを、もう、再体験したくないからね。

気仙川漁協の遊漁証を手に入れ、下調べをしておいた気仙川に五葉橋から入り遡行し釣り上る。
さっそくブドウ虫に当たり・・・食いが浅くヤマメの魚体を見ただけで合わせソコネ?!
いるのかな・・・
次は・・・何度も流す・・・イワナ、斑点がきれい!
しかし後続のあたりはそこではなし。

渡渉して灌漑水路沿いに歩き、小さな堰の下の大石の間に流す。
エサを上げると黒い魚体がついてくるのが見えた。
イクラに代えて同じ流れに乗せる、釣れる!
丸々太った、22cmのイワナ!
右に社協の宿泊施設を過ぎて、平瀬になってしまう。
疲れたくはないので、3時間ほどで早めに納竿。

決して簡単な川ではないけど、天然魚と出会えるので、また挑戦したい・・・

遠野の街に戻って、駐車場のある商業施設の本屋に入って柳田国男「遠野物語」と井上ひさし「新釈遠野物語」、水木しげるの漫画化したものなどを購入。
直売でおかずも買う。
充実しているとうわさを聞いてた市立博物館にも寄って、納得。
戻って昼寝。

そういう休日だった。

あすは、このNGO本部が受け入れて現地が調整している6月末予定のタカラヅカOGグループの公演の下見5カ所に同伴。
東京都チームとして現地入りしている、ぼくの前職場T病院の医師・看護・PSW・CP・OTの皆さんと話す時間はとれるだろうか・・・

あさってのM会館避難所と近隣の方々を対象とした「こころとカラダの健康の集い」で、県立病院と市健康推進課、こころのケアチーム合同で今後進める避難所巡回のモデル活動を提示することになった。

今後残っていく現地資源の活動モデルを支援団体として提示できることは、とてもうれしい・・・

ぼくたちの被災した方々への心理社会サポート

2011-05-22 18:07:08 | 地域精神保健
第1週分の「こころとカラダの健康の集い」5カ所を終了。

金曜15時からは、77~95才の対象の高齢者9名が全員参加。
金曜18時から、オートキャンプ場の避難所で18名が参加。
土曜9時半から、漁師さんが多い地域の公民館で23名。
土曜16時半から、お寺に避難した34名。
そしてきょう日曜日13時からには、公民館が流されてしまって残った民家に分散して避難している地域の支援物資配布所で6名。
ちょうど市営温泉の送迎日と重なってしまって、向こうへ20人が出かけてしまった企画ミス。

次週は、金曜18時に別の公民館と、土曜17時半に避難所になっている小学校での、2カ所の予定。

「こころとカラダの健康の集い」という心理社会サポートプログラム

2011-05-18 22:57:06 | 日本で・・・
きょうまでに陸前高田市O町H町の20人以上が滞在している(食数計算と宿泊者計算があるけど、多い方をとっている)避難所10か所を回って、「こころとカラダの健康の集い」の説明をして、受け入れてくれたところが6カ所(1カ所は明日判明)。
今週金曜から開始して、それぞれ隔週で継続して活動する。
7月一杯までとすると30数回実施することになる。

6月末の避難所閉鎖、仮設住居への移転がほぼ決まっていて、出来上がったところから入居が始まっている今、どこも落ち着かないような、ソワソワとした、ウワツイタ雰囲気があった。
また暖かくなっているので、家が残った人たちは日中は片づけに忙しそうで、避難所の食事時間にも必ずしも集まらなくなっている。
つまり、これまではリーダーの統率のもと、ある意味で整然と避難生活をしていた人たちは、もうリーダーという存在が不要になってきている、ともいえる。

「集い」は、前半は県立病院理学療法士が交替で担い、後半はNICCO関係の作業療法士・PSW・心理士がほかに協力を求めながら進める。
つまり、被災後の陸前高田人口23000人で約半数いると分かったうつ傾向などのある方々に(実際の受診者の累計は約300名)、地域にぼくたちが出て行って、少しでもストレスを軽減できるような支援を心身両面で行うことを目的にした心理社会サポートプログラム。

以上の予定をぼくの役割に当てはめてみると、ぼくは今月は29日までここにいる。
6月は、避難所での活動のある週末中心で、15日程度。
7月は10日までのうち5日程度、陸前高田へ来るという日程になりそう。

このプログラムはNICCOの第2次こころのケア活動なので、
第3次の内容をどうするか、思案中。
夏休みで地域に戻ってくる子どもたちと、仮設住宅で孤立化していくかもしれない人々などが焦点になると予想している。
ぼくは直接、タッチしないんだけど。

仮設住宅建設が6月末完成目指して急ピッチ

2011-05-14 05:50:43 | 日本で・・・
きのうはケースの訪問と、心理社会ケア活動のための当事者側の内諾を得るために、避難所をクルマで動いていた。

モビリアというオートキャンプ場では3日前に県からの要請で、今までの60戸の長屋住宅タイプに加えて、100戸の一戸建てタイプの建設が決まったという。
一戸建て!
これは初だと思う。
オートキャンプ場だから、芝の庭付き・・・でも傾斜地だから足腰が強くないと大変そうだし、近くにお店はないよ。

矢の浦公民館では、鉄骨タイプではなくてすべてが木造パネルの集合住宅タイプを建設中だった。
あたたかみを感じることができていいなと思った。

陸前高田では、当初の4000戸の建設計画が、市外に出た人数を考慮して2000戸に見直されて、6月末にはすべて完成、避難所から移転となった、という市建設部長の話を伝聞で聞いた。

7月10日には特別災害救助法?の2回の延長期限が切れる。
すると避難所設置や自衛隊の炊飯支援などに、また自治体からの派遣支援体制に影響が出る、とはもっぱらの地元の不安。

7月初めには、支援の手が小さくなって被災地はひっそりとしてしまうのかもしれない。

陸前高田の2町、10避難所で2か月間に約40回のストレスケアという計画

2011-05-13 06:54:58 | 日本で・・・
昨晩は9時から6時まで9時間も寝た、午後から眠かったし、やっぱり疲れてるかなあ・・・
今晩は元気で、遠野市内に新たに借りた事務所内の作業で、明日午前にする仕事ができつつある。

先月末のスクリーニング質問票で、50%がうつ・39%がPTSDであるにもかかわらず、こころのケア外来や相談という臨床モデルへのアクセスが少ないという現状があると言える。
そこで、いわば自分のストレスをガマンして地域で生きている方々へ、こちらが出かけて行って、ストレスを軽減するような心理社会的なケアを行う意味が大きくなっていると思っている。

壊滅して外来のみコミュニティセンターで行ってきた県立病院院長I先生が、同じような地域活動を会議で提案した。
心理社会アプローチの呼び掛け文案を今日までに持ち寄ることになっている。
これで、NGOだけでなく、県立病院と市健康推進課と、こころのケアチームの共催の形が取れそう。
ここでは呼びかけ人である県立病院院長というステイタスは大きく、また個人的にも信望を集めている。
理学療法士協会がカラダのリラクゼーションを、そして心のケアチームからストレス系について話すという中身で、陸前高田にある88カ所を回ろうという院長の計画。

ぼくはNGOとして、1回のイベントだけではなく、これまでかかわってきているO町とH町については継続性を持ってかかわりたいと考えている。
「茶話会・うまいもんを作って食べる会・一緒に歌わねか・絵でも書くべし・ストレス測定とアドバイスできます・軽いスポーツすっぺ・手工芸やっか、など」の活動メニュを提示して、希望を聞きながら、隔週で行い、参加したいものに出てもらい、次第に自主運営に持っていきたいイメージ。
ただし、全避難所というのは現実的ではないと思うので、まずはO町の20人を超える宿泊者がいる5カ所の避難所で開始、予定。
つぎに、H町でも。

そして、今回は14日(土)に気仙沼のこころのケアの可能性を探る見聞ののち、一関から新幹線で帰宅する予定。
3泊して火曜17日にまた陸前高田、次は2週間ほどベタでいようかと。

5月6月7月初旬までの、このNGOの第2期ケアとして、計10カ所で各隔週で4回、計40回の計画を立ててみた。
ぼくは企画と実施の1回目の同伴が役割で、その後は手を放したいと考えてるんだけど、ね。

ちょっと復活

2011-05-04 15:35:00 | 日本で・・・
釣りには行っていないけど、ちょっと復活してきている。
昨夜は心配した姉からTelがあった。

本を読む気になれて、それで9日が開始日の○大学春学期の講義準備をしたり。
震災で開始が1か月延びたもの。
「障害保健福祉論」という科目なので、年初め頃に用意したシラバスに、震災支援経験と理論などを盛り込んでup to dateした。

ぼくの災害2次ストレス反応とバーンアウト対策

2011-05-02 19:53:53 | 日本で・・・
陸前高田での面接が回想され、ガレキに覆われた道路脇の光景がアタマに浮かぶ。
3週余を過ごしたとは言え、今は現場を離れているのに・・・

たとえば、「こどもの足が水から突き出て、流されて行くのを見たんです。なんにもできなくて・・・」
つらい・・・とてもつらい体験だっただろう。
フラッシュバック、うつ、悲哀、無力、罪悪感、自責・・・

自分らしい感覚の動きがなくなっている;
こころの動きが鈍い;
その場だけの思考があって、見通しがない;
再体験、回避・精神麻痺(かい離)、過覚醒、ぼくにそんな自覚がある。

それで、せっかく東京へ戻っているんだから、気晴らしをしなくてはならない!と考えている。
まず、高尾山へ歩きに出かけた。
小仏から陣馬へと早足で3時間ほどで歩いて、藤野へ下りて、温泉病院の温泉へ。

稜線はサクラ吹雪だった。
湿地には、ニリンソウ、ムラサキケマンなどを見つけることができた。
陽当たりのいいところにはタンポポの群生が。

たしかに、アタマから何かが抜けて行ったような気もする。

降りてきて、生寿司パックとトンカツと、100%のグレープフルーツとリンゴジュースとを各1リットル、食べて飲んだ。

あとは、釣りだな・・・海かな?渓流かな?

++++++++++++++

5月11日頃から再び現地入りして、心理社会ケアを具体的に進める予定。

PSW,OT,Ns、CPで、2~3か月ほど現地で滞在できる人を2名、リクルート中。
++++++++++++
事業期間:5月-7月
事業地:陸前高田市小友地区、広田地区
裨益者:避難所、公民館を拠点としたコミュニティの成員、数百人
実施体制:心理士1名、看護師、作業療法士またはソーシャルワーカー計2名、ロ
ジ担当者1名(NICCO職員)
事業内容:
・週4日、1日1カ所程度、各コミュニティを訪問してリラクゼーションプログラム
を実施する。
* 美術プログラム、クラフトプログラム、高齢者お茶会、健康維持プログラム
、母の会、お化粧プログラム、料理プログラム、青少年○○(スポーツ)大会等
・ハイリスクな地域、グループを特定し、そこにおいては特徴的なプログラムを
集中して行う。
・臨床を必要とするケースについて、金曜午後の「こころのケア」外来等にリフ
ァーする。
・学校からの要請に応じて、父兄、教師を対象とした心理教育を実施する。
期待される効果:
・コミュニティが震災後の心理的な問題への対処方法について理解を深める
・コミュニティが各プログラムへの参加によってストレスを軽減し、PTSDの予防
が可能となる。
・臨床を必要とする被災者が、必要な専門家によるカウンセリングを受けられる
ようになる。
評価方法:
・ケーススタディなど
+++++++++++++