心理学オヤジの、アサでもヒルでもヨルダン日誌 (ヒマラヤ日誌、改め)

開発途上国で生きる人々や被災した人々に真に役立つ支援と愉快なエコライフに渾身投入と息抜きとを繰り返す独立開業心理士のメモ

山下祐介2011「限界集落の真実ー過疎の村は消えるか?」ちくま新書

2012-03-12 01:06:59 | 
11月に出たばかり。
現地で被災者支援に関わってきて、過疎という言葉が気になっている。

経過を丁寧に説明してある。
反論も、紳士的だ。
10数年間のフィールド調査がきっと生きているのだろう。

「過疎という言葉は・・・1960年代に使われ始めた行政用語である」
そして、1960年代末の若者の都市流出という「社会減」から、1990年では出生数より死亡数が上回ることによる人口減少という「自然減」が起こっていると、社会学者は整理する。
わかりやすい。

三陸沿岸部ではこの両方が起こっている。

限界集落という言葉が、提案者の用い方とは違うマスコミのセンセーショナルな使用によって変わっていったいきさつ。
決して65才以上が人口の半分の集落は消滅していっていないという事実。

その要因として、
・通う長男たち
・生活安定機構としてのむら
・広域に広がる家族
などを指摘する。

日本の過疎地の今後はどうなっていくのか・・・
地球の過疎地ともいうべき開発途上国の今後はどうなるのか・・・

都市に生きることが気が楽と感じながら・・・ぼくはとても気になっている。
著者も2011年に青森から首都に職場を移したと言う。

「社会減」はここでも起こっているよね・・・


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