Cache-Cache ~かわいいかくれんぼ~

日々の生活の中で“見つけた”なにげない事柄を、
子供たちの育児日記と一緒に・・・

てまひま

2010年10月18日 | My Life
10月もそろそろ後半。
それにしては、まだ日中など半袖の人を見かけると
なんだか思っている季節感より、随分遠い感じがします。
長袖の綺麗なシャツやニットを着たいけど、
実は私も、インナーは半袖か5分袖が活躍中。
せめてもの償いに、薄手のカーディガンを羽織っています。

今年は、秋の味覚が大打撃だったようです。
お米は昨今のニュースの通り、梨も柿も葡萄も栗も収穫が少なく
また、店頭に並んでいても心なしか小さく、なんとまあ値段の高いこと。
冬眠前のリス(クマ)のごとく、この時期は戻った食欲にまかせて
好きなだけ堪能するのが楽しみな私だけに、今年は物悲しい秋です。

そんな秋の楽しみの一つが、栗の渋皮煮を作ること。
毎年、あちこちのスーパーや直売所などを回り、良い栗を入手することから
始まるのですが、如何せん、そんな状況ですから
肝心の栗が見当たらないのです。

ようやく見つけた初物の栗は、なんだか嫌な予感・・・。

『虫干ししてないから、おまけしておくよ』

という店員さんの言葉通り、小さな穴があったり、鬼皮を剥き始めると
お先に~とばかりに・・・。
ああ、分かっていてもさすがに発見した時のあの瞬間は
嫌なものです。
おまけにそんな“入居済み”な栗ばっかりで
捨てたほうが多かったかもしれません。

そんなこんなで、今年は栗は諦めようと思っていたら
ありました、デパ地下に。
それはそれは見事な栗。
デパ地下という花形にふさわしい、大きくて、育ちの良さそうなその栗は
利平栗という名前でした。
幸い、今時栗仕事をする人がそういないのか、日にちが経ってしまったからなのか
意外にお安く購入できました。

1キロ全部“未入居”で、中が焼けている(黒く変色している)物もなく
とても優秀なその栗。
肝心のお味は・・・栗本来のほっこりとした味に、黒砂糖の甘さが加わり
いくらでも食べれちゃう。
まさに冬眠に備えての、これでもかという栄養が濃縮された“旬”の風味を
醸し出しています。

栗仕事は、浸水、鬼皮を剥く、灰汁抜き、スジ(汚れ)を取り除くなど
丁寧な仕事がその都度必要です。
沢山の栗を前に鬼皮剥きで少しへこみますが、その甲斐あってのあの味。
灰汁抜きも片手間ではなく、火の前に張り付いて、栗が顔を出さないよう
しっかり見ていないといけません。

のんびり静かな秋の夜。
コトコト台所に立ち、作っている者の特権、何粒か味見などをしながら
次の日の朝に、しっかり味がしみこんだ栗を食卓に出すのです。

『うん、おいしい。』

このひと言で、私のてまひまは報われるのです。
今夜は、冷蔵庫で冷やし、味の落ち着いたのを、ハーゲンダッツのバニラなど
添えて、メープルシロップをかけて頂きました。
もちろん、大人だけのお楽しみです。

お姉ちゃんには、遠足のお弁当に(ナイショで)入れておいてあげようかな。