SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

NANCY HARROW 「ANYTHING GOES」

2007年08月22日 | Vocal

まったりする歌い方だ。
口を横に目一杯広げて歌うと彼女のような歌声になるかもしれない。
どことなくカントリーのような雰囲気もある。彼女の歌声を聴いていると土埃の上がる乾いた大地と強烈な草木の匂いがする。これがアメリカというものかと思う。
この雰囲気を創り出しているのが、ギターのジャック・ウィルキンスだ。
このアルバムは彼を大々的にフューチャーしており、そのギターの音色の上でナンシー・ハーロウが気持ちよく歌っている。

まず1曲目からちゃんと聴く。
ルーファス・リードの魅力的なベースだけを背景にした「ANYTHING GOES」で幕開けだ。ルーファス・リードといえば、レイ・ブライアントやケニー・バロンらと組んだトリオでの演奏が印象的だが、中でもケニー・バロンの「ザ・モーメント」での彼はすごかった。ここでもその時を彷彿とさせる深いベースの音を披露してくれている。
2曲目からはジャック・ウィルキンスを中心としたギタートリオがバッキングに廻る。
お気に入りは「I've got a crush on you」。この曲は最近だとステイシー・ケントも取り上げ、コケティッシュな魅力を振りまいていたが、ナンシー・ハーロウの歌声も実にいい味を出している。半分はこの曲の才能だとは思うが、何度聴いてもいい、そんな気にさせるナンバーだ。

話は変わるが、このところやたら忙しくなってしまい、このブログも毎日はとても更新できる状態ではなくなってきた。仕事柄これからの季節が一番忙しい時期なのである。何とぞご理解いただきたい。
しかし忙しいときにこそ欠かせないのが音楽である。幸いにしてデスクワークが多いのと、好き勝手な音楽を流しながら仕事ができる環境なので、その間も色々なジャズを聞き流している。特にインターネットラジオは重宝する。radioioJazzなどのジャズ専用チャンネルを流していると、知らないアーチストがどんどん出てくる。これをチェックするわけだ。
これが数年前からの私のささやかな楽しみの一つである。