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Pa'Lante!(パランテ!)

ジャズじゃ、ロックじゃ、サルサじゃ、ソウルじゃ、ファンクじゃ、歌謡曲じゃ、ジャージャー。

細野サンのニューアルバムは高級な脱力アルバム。

2007-10-04 21:32:32 | 日本のロック・ポップス
Harry Hosono & The World Shyness
『Flying Saucer 1947』(2007)

今年の7月に還暦を迎えた細野晴臣師の、もの凄く久しぶりのソロ・アルバム。
(今回も、正確には「細野晴臣」名義ではナイですが。)

カントリー、という触れ込みのようです。

が、自らご発言されている通り、そのサウンドは「カントリーと言ってますが、ホントはカントリーじゃない」です。アタクシとて、カントリーは、多少は聞き齧った事もありますが、このアルバムの音は、確かに、アレらのオーセンティックなカントリーとはダイブ違います。

要は、細野さんのアタマの中のヴァーチャルな1947年のアメリカ、らしい。
そういう意味で、幻想の音楽、だそうデスよ。

で、そのサウンドですが、アコースティック・ギター、アコーディオン、アコースティック・ベース、ドラムなどを中心にして、そこにスチール・ギターとか、マンドリンとか、土臭い楽器がのっかる感じ。
基本、バンド全員による人力演奏の一発録りみたいデスが、細野サンを初め、名人揃いのプレイヤー陣の演奏は、流石のグルーヴ。「軽くない軽み」とでも言えばイイのでしょうか、さり気ない一級品が、ポンと無造作にソコら辺に置かれているような、そんなアルバム。本当に素晴らしい演奏デス。
(ちなみに細野サンは、全曲でアコースティック・ギターを弾いていて、ベースは半数くらいの曲でしか弾いてません。)

楽曲は、古いカントリーのカヴァーもありますが、細野サンの過去の名作や他の人へ提供した楽曲のセルフ・カヴァーとかが中心で、「Body Snatchers」とか「Sports Men」とか、バリバリにヒップホップだったりテクノだったりした楽曲が、カントリー様のアコースティックで演奏されるのには、マコトに驚愕っス。で、コレがまた実にカッコイイんです。スゲェ。

不思議なのは、あまりウマく無いはずの細野さんのヴォーカルが、このアルバムでは、何だか上手くなって聴こえるってコト!ワタシは、あの超名作、『Omni Sight Seeing』(1989)の二曲目で、細野サンの歌が聴こえて来た瞬間にズッコケタ事があるニンゲンなので、「ソロ・アルバムだからと言って無理に歌わなくたっていいのに」と思ってしまう訳なのデスが、こういう、どちらかというと脱力系なアコースティックなサウンドには、やっぱり合うンですね。結構、イイ感じです。

ハイ。
まとめます。

「ムカシのアメリカを幻想した音楽を、リアルな今のジャパニーズ名人芸演奏で纏め上げた、高級な脱力アルバム。値段はフツーです。」

聴きましょう。

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水の底から来たアーバン・ムード歌謡の貴公子!田渕純の『夜をまきもどせ』(2007)

2007-09-26 23:12:31 | 日本のロック・ポップス
田渕純氏は、津久井湖の畔に住んでいるそうな。
しかし、ワタシには、ダムの底に沈んだ集落に、沈んだまま未だに生活しているように思えてならない。

そう思っていたら、ジャックスの「からっぽの世界」をカヴァーしていらっしゃる。ご存知の通り、モノスゴイ深い底の歌詞、な楽曲でありますから、その直感は正しかったと言えましょう。(歌詞はココを参照して下さい)
この、恐ろしい世界を、こうまで的確に表現し得る歌い手というのは、他には有り得ません。水の底でも、確実に霧が立ちこめます。この、淀んだ空気、いや、違うね、水の底の感覚ですがね。相当スゴイです。

タイトル曲も、また、凄まじい楽曲であります。
恋人を殺めて監獄へ行く、その心情を淡々と歌いますが、このサビのところの振り付けが、また、実に強烈。PVがYouTubeにありましたが、この振り付けでは無いのデス。ホントーに、巻き戻すんだもの~!
そして、衝撃的な転調。落ちて行きます。・・・恐い。

田渕氏は、マヒナスターズの最後のヴォーカリストであったそうです。いかにもマヒナスターズらしい楽曲「うなじ」(スチール・ギターは故・和田弘氏です!)は、聴く者すべてを1965年、つまり城山ダムが完成した昭和40年にタイムスリップさせます。愛しちゃったのよ、な世界。この歌唱がまた見事に本物。いや、この歌唱こそが、本来、田渕氏が指向しているモノかもしれない。繰り返しますが、紛れも無い本物。

いや、でも、この正しい本物のムード歌謡があって、逆に引き立ちまくる、情念の湖底歌謡。誠にもって凄まじい。

早めに、フルアルバムを期待したい!

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夜をまきもどせ
田渕純
VOLTAGE RECORDS

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原田知世『music & me』。

2007-09-15 01:07:08 | 日本のロック・ポップス
唯一の現役女神であり、初の日本国籍の菩薩でもあらせられる原田知世様のニューアルバムが、神無月の次の月の末に発表されるハコビとなった。

賢明なる愚民にして、忠実なる臣民の皆様。
まずはココを見よ。

http://haradatomoyo.com/news/

新・宰相(←プロデューサー)である伊藤ゴロー氏の元、世の賢人がコゾって、女神に作品を献上した模様。

世俗的な言い方をすると5年ぶりのニューアルバムです。
発売日は、11月28日の女神降臨記念日でアリマス。

賢明なる愚民にして、忠実なる臣民の我々は、新しいアンセムへの期待に、胸を膨らませている次第でアリマスが、賢明ではナイ一部の愚民達は、恐れ多くも女神の実力を知らぬかもしれぬ。
そこで、仕方なく、申し述べておくが、この女神のヴォーカリストとしての実力はタダ者ではナイ。
ご自身の声を、冷徹に楽器として分析し、どう扱うのが最も音楽的に実りが大きいのかを正しく判断し、実行されておられる。
平たく言うと、徹底的に歌がうまく、そして、その歌は徹底的に魅力的であられる。

今度の作品がどういうアルバムになるのか、そのサウンドを具体的に知る由は、今のトコロありませんが、1992年の『GARDEN』以降、一作として駄作のないこの女神の作品であるからして、イヤでも期待は大きい。

ハイ。
こっからフツーに書きますけどね。

冗談抜きで、原田知世というヒトのヴォーカリストとしての実力は凄い。
容姿から想像される通り、声量がある訳ではないから、迫力で誤摩化す歌い方は一切やらない。
やるのは、声の響かせ方の徹底的なコントロール。

このブログでは何度も書いてますけど、「歌う時には、感情移入より、声をどう響かせるかを考えて歌う。感情は詩を作る段階で込められているから。」という旨のご発言は、シンガーとしての圧倒的な意識の高さを伺わせますし、実際、高い意識から生まれた数々の名唱は、トテツモなくレベルが高い。このヒトと同じレベルで歌えているヒトなんて、J-POP、J-ROCKのギョーカイにはほぼ居ないンではナイですか?

隠れたニッポンのトップ・シンガーの5年ぶりの新作。
大きな期待を込めて待ちたい。

あとですね。
なんと!
もう歌わないと思われていた「時をかける少女」を、セルフカヴァーされている。
ご存知の通り、この曲は、アイドル女優時代の代表作であり、従って、「アイドル」から大きく離れて成長したいと思われていたであろう時期には、絶対に避けたいと考えていたに違いない楽曲だと思いますが、遂に歌う。最早、避ける必要なんかナイという事でしょう。
圧倒的な技術に裏打ちされた今の歌唱力で歌う「時をかける少女」。
どのように仕上がっているのか。

楽しみです。

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戸田恵子:『Actress』(2007)、そして「コスモスに君と」(1980)。

2007-09-11 23:14:15 | 日本のロック・ポップス
戸田恵子
『Actress』(2007)

イワユル美人女優ではナイ、こんな女優サンのCDなんて、誰が買うのよ?
多くの方が、そうお思いでしょうが、何と、ワタシが買ったのヨ。今回は。

前にも書きましたがね。ワタシ世代にとっては、戸田恵子サンは、女優と言うより、多分、声優としての印象が強い。ガンダムのマチルダさんとか、イデオンのカララとか、凛とした、芯が強くて美しい女性のヒトの声のヒトね。(←何だコノ文章は。)
で、ワタシにとっては、やっぱり『イデオン』のカララであり、その『イデオン』のエンディングテーマ「コスモスに君と」を歌っていたヒトなのヨ。

まぁ、そんなこんなで、ホンの少々ですが思い入れのあるヒトだけに、ココ10年くらいは、よっく、ブラウン管で(ぁあ、液晶じゃなくってゴメンね)、お目にかかれるのが、チョット嬉しかったりスル。
だから当然、CD出すなんて聞いたら気になりマスのね。

ハイ。

だから買いました。

で、聞きました。

実は、若干、危惧していたのは、"女優さんのアルバム"っぽくなってたりしないか、というコトなんデス。まぁ、女優さんのアルバムには違いないのですけどね、つまり、豊かな演技力を「歌」に持ち込んでしまって、言ってみれば、戸田恵子サンが歌ってるというより、戸田恵子さんが演じる誰かが歌っているアルバムになってしまってナイかという危惧ね。

で、ソレは5割くらい当たってしまってました。
後半の「しっとり」とした数曲が、特にそんな感じデスね。ココら辺は個人的には少々退屈。その一方で、前半にあるコミカルな数曲も、これまた、イカにも女優サンな楽曲なんデスけど、こっちは、ワタシは結構好きかも。
この違いは何ナンでしょうか。
すンませんが、よっく分かりません。

で、女優臭のない冒頭の「V.I.P」。
コレはかなりイイです。
PaniCrewの植木豪氏の書いた曲。
アレンジも含めて、今っぽいJポップの、最も質の良いサンプルって言えそうな気がします。BoAとかが歌ってもピッタリ来る楽曲。実際に歌ってる方は50歳のベテランさんデスけどね、アタシャ、「おぉ、大当たり」と言いましたヨ。多分、正体隠して、チョッとだけプロモーションにチカラ入れれば、フツーにヒットしますよ、って言いたくなりマス。

そんで、特筆すべきは、"Memorial Bonus Track"として、ラストを飾る「コスモスに君と」です。上述の通り、ワタシにとっての戸田恵子サンを象徴する楽曲なんですが、なんと、1980年の音源をそのまんま(リマスターとかはしてるかもしれんが)堂々と収録。だから言ったでしょって、アタシャ言いたい。これは、ホントウ~にゴッド級の名曲ナンですよ!あんまりにスゴイ名曲名唱なので、このまま眠らせておくのが、勿体なさスギルって、戸田サンもスタッフも思ってたに違いナイのですヨ。だから、27年もムカシの曲を、ココに堂々と復活させたンだと思います。

だから、コレ、絶対に聴いて欲しいノですよ。

ハッキリ言って、鳥肌立て放題。
何度でも立つ鳥肌。
形状記憶サブイボ。

そういう鳥肌発生装置が、この「コスモスに君と」です。
スゲェです。ホントにスッゲェーです。

聴きましょう。

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聖飢魔IIの代表曲?

2007-09-04 22:27:24 | 日本のロック・ポップス
聖飢魔IIと言えば「EL・DO・RA・DO」。
そして個人的には「1999 SECRET OBJECT」と「STAINLESS NIGHT」デス。

この頃には、デビュー当時のイロモノ的なイメージとは別に、メタル・バンドとしても結構スゲェぞ、というイメージが付いて来てたと思います。

「1999 SECRET OBJECT」の映像はコチラからね。
トニカク、シャープでカッコいいです。

デーモン閣下のヴォーカル・スタイルは、明らかに、ジューダス・プリーストの(Judas Priest)ロブ・ハルフォード(Rob Halford)だと思うのデスが、メタル・フリークの諸氏、どうですか?
(キレは、ロブ・ハルフォードが、メタル・ゴッドとして、圧倒的な次元の違いを感じさせますけど・・・)

で、聖飢魔IIのデビュー当時は、やっぱりイロモノだった。
ソコは爆風スランプと同じように、音楽を評価してもらえなくなるような目立ち方。ジェイル大橋代官の脱退とか、ま、そんなコトにつながる訳ですね。

で、デビュー曲デスが、覚えてますか?
インパクト強かったデスね。

えぇと、ろ、ろ、ろ・・・。
・・・ろうに、・・・「浪人生の館」!

・・・お前も浪人生にしてやろうか!

と、そんな恐ろしい曲。

チョト違う?

ハイ。

ボケられたので、コレでおしまい。

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HASYMO「RESCUE」(2007)

2007-08-25 09:14:26 | 日本のロック・ポップス
HASYMO
「RESCUE」(2007)

紛れも無くYMO。
やっぱ、カッコイイですな~。

ハッキリ言って、『Technodelic』(1981)と続けて聴いても、さほど違和感はナイ音楽だと思います。違いは、音色のエッジの尖り具合の差だったり、ノイズの量(←オーディオ的意味ではナイ)とか。
つまり、仕上げは、25年以上経った、イマの方がちょっとだけマイルドってコトですが、脳ミソを刺激するチクチクの深さや、冷たい触感は当時と変わらんカッコよさってコトで。

ところで、ムカシは、YMOはテクノって言われましたが、今は「テクノ」と「テクノ・ポップ」って、言葉の上では区別されていて、YMOは「テクノ・ポップ」の方の巨人な訳ですよね。でも、YMOの音楽のカッコ良さって、「ポップ」を薄めたり取り去ったりしたトコロにあるような気もするので、YMOを「テクノ・ポップ」というのは何だか個人的には違和感を感じます。
やっぱ、テクノだよな~。

今回の、このHASYMO名義のシングルも、分かりやすいポップさなんか皆無。
和声はあっても、コード進行なんかナイし。

と、言うコトで、「ポップ」の付かない、「テクノ」と、モード以降のマイルス・デイヴィスの音楽は、リズムこそ違えど、「上」は近い感覚があるなぁ、と一瞬思った、オトコたちの晩夏であった。

そう言えば、関係ナイけど、あべちゃんから、ポップを取り去ると、どうなるんだろう?
モードになるのか?ならねーよなぁ。

とか、思いつつ、それでは、行って来マス。

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クレイジーケンバンド『Soul電波』(2007)

2007-08-24 07:18:45 | 日本のロック・ポップス
クレイジーケンバンド(Crazy Ken Band)
『Soul電波』(2007)

CKBって、あんまりにも幅広い音楽性とか、なんだかオカシミを感じるタイトルとか、その他モロモロの諸事情により、音楽道の精進がまだまだ浅い方には、キワモノ的な印象を持たれるコトもあろうと思われますが、ファンキー&メロウ方向の楽曲のスンバラシさについては、どんな方が聴いても異論はなかろうと思うッす。

この新しいアルバムでも、メロウ方向なら「タオル」、ファンキー方向なら「HEMI HEMI DODGE CRUISING」「LADY MUSTANG」「てんやわんやですよ」など、思わず腰を振りながら時空を超えそうな、超時空級楽曲がメジロ押し。

まずは、ココらへんから聴かせて、白帯諸氏を洗脳し、ソレによって、CKBによる世界征服を草の根から支援するってぇコトが、えぇと、我々ショッカーの使命でアル。

では、今日のトコロは、これでサラヴァ!
また、自転車で五反田に行って来ます。
ひぃ~ッッッ!(←ショッカー声)

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aiko ニューシングル『星のない世界/横顔』

2007-08-21 23:43:26 | 日本のロック・ポップス
ワタシにとって、aikoサンというヒトは天才メロディー・メーカーです。
2000年に、「ボーイフレンド」という曲のスゲぇサビメロで、アタシャ、耳が点になるくらいにブチのめされまして、その後で、「花火」という、問答無用の天才の証左を知るに至って、完全にヒレフしたのでアリマスが、ここ数年は、aikoサンには、(違うかもしれんけど)産みの苦しみもアルんだろな、と感じます。(ウミガメの産卵とはチゲーぞ、念のため。そもそも、aikoサンは卵は産まん。・・・筈だ。産みそうな気もスルが。)

そんでも、3ヶ月前のシングル「シアワセ」(2007)では、天才復活を感じたのデスが、今回は、また、少々辛いか・・・。
まぁ、あのユーミンも、天才的楽曲は初期に集中してる気がしますし、一時期(70年代後期)は低迷期だったとか言われますしね。そんで、その後の80年代前半の第二次黄金期があったンですから(←コレは個人的に思ってるコトですが)、ガンバレ、aiko Haaaan!!!(舞妓Haaaan!!!と若干混同・・・)

とは、言っても、今回の楽曲でもフシまわしの一つ一つには、やっぱりタダモノじゃないモンを感じます。特に「横顔」の大サビのトコとか、あと、楽曲としては、今回のシングルでは最も出来のイイと思える、三曲目「恋愛」のサビ前とか。もちろん「星のない世界」もサビの4小節目から5小節目のトコとか、流石にスバラシイ。

サウンドは、島田昌典氏による、いつものヤンチャ系元気サウンド。
最早、aikoのサウンドはコレって感じナンですけど、そろそろ、島田サウンドを離れてもイイんではないのかいな、って気もしますね。

あ、一曲目はスローテンポの切々と系デス。
島田氏の、星を切望する系アレンジのヒラメキがスバラシイです。

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バービーボーイズ『Black List』(1988)

2007-08-09 23:06:16 | 日本のロック・ポップス
バービーボーイズ(Barbee Boys)
『Black List』(1988)

実に毒々しいバンドでした。

「ため息」「まっ赤な嘘」「ごまかせば」「ばれた」「男はずるい」「俺だけじゃない」「逃げる」「つけこんで」「やせがまん」

歌詞カードには、こんな言葉が行列を作ってます。
スゲぇなと思います。
アンタら恨み節系の演歌デスかって。

こんな歌詞を、男女のツインボーカルが芝居っ気タップリに歌うもんだから、コノ人ら「ロック界のヒロシ&キーボー」とか、言われてましたが、サウンドは実に見事で、2人のヴォーカルは、ヒトを惹き付ける卓越した触感を持ってます。男性ヴォーカルのコンタ氏の嘘くさいヴェルヴェット。対照的に、メッキを剥がすヤスリのような、ザラついた杏子サンの、血みどろヴォイス。そんで、背後のイマサ氏のギターは、空間の毒密度を自在にコントロール。スンげぇ緻密で、実に濃いサウンド。

1984年秋から1985年初春。
中学三年だったワシは、1stアルバム発売前のこのバンドを知っていたのデスが、高校に入った年に発売された、デビューアルバムまでは、手が回らなかった。理由は、佐野元春とイーグルスで手一杯だったからなんデスが、アノ頃、買わんで正解だった気がスル。

空間の色は紫ピンク。
時々ギラっと、一瞬、真っ赤。
暗転。
そんで、再び紫ピンク。
毒々しいね~。
サイコーッ!!!

・・・なのデスが、明るい家庭では聴けませんがな。

さて。

このアルバムは、1984~85年の楽曲を、リミックスして1988年に発表した、一種のベスト盤だそうデスが、全曲スゲぇテンションの高さで、息つく暇もナイ。「でも!?しょうがない」、「暗闇でDance」、「もォ やだ!」、「負けるもんか」など、バケツ一杯の鱗粉を四畳半の部屋にブチまけたような、イヤになるくらいの息苦しい曲が12曲。で、コレらがドレも苦いくせに微妙に甘いってから、トテモ恐い。
中毒には注意して頂きたい。

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キャンディーズ「夏が来た!」(1976)

2007-08-08 00:23:01 | 日本のロック・ポップス
どうせ、というか、残念ながらというか、キャンディーズは、ピンク・レディーとの対比で書くと、やっぱり分かりやすいのでアリマス。

1976年8月25日。
ピンク・レディーの「ペッパー警部」が発売されました。

その一週間後の9月1日。
キャンディーズの「ハート泥棒」が発売されました。

ワタシ、この時、6歳。

「ペッパー警部」のヒットはリアルタイムで記憶がアリマス。
夜でしたがね、国道五号線から、産業道路に入ったあたりで、クルマのラジオから流れて来ましてな。「ナンジャ、コリャ~!!!」とコドモゴゴロにも衝撃が走りました。(ワタシが運転していた訳ではナイぞ。念のため。)

ところが、同じ頃に発売されていた筈の「ハート泥棒」については、リアルタイムでの記憶がナイ。解散前の最後の半年には、ほぼ全てのキャンディーズのシングル曲は知ってたから、その頃には、この曲も知ってたと思いますが、リアルタイムでのキャンディーズの記憶は多分「やさしい悪魔」(1977/3/1)からナノですね。

つまり、ワタシはキャンディーズより、ピンク・レディーを先に知っていたコトになる訳です。まぁ、ビートルズよりも先に、ずうとるびを知ってしまったワタシなので、それに比べリャまだイイんですけどサ。

で、この印象の薄さが、やっぱりキャンディーズだったンだろうなと思うのデスね。
ピンク・レディーのスペシャルに対して、キャンディーズのジェネラル。
阿久悠・都倉俊一という固定作家を使い、特異と言うか突飛な、イメージ戦略で固めたシングルを連発してたピンク・レディーに対し、キャンディーズについては、ユニークだ、とか、オモシロイというイメージは全然ないし、特定の作家の印象もあんまりナイ。(強いて言えば、印象的な作家は穂口雄右氏なんでしょうが、それにしたって、全シングル18曲のうちの半分にも関わっていない。)

つまるトコロ、キャンディーズは、行き当たりバッタリに売られた、古いシステム末期の最後の大きな果実だったような気がするのね。
ピンク・レディーの戦略は、広告屋の戦略十訓的な、計算されたモノとも見えますが、ナベプロのキャンディーズは、早い話が、「モノが良けりゃ、あとは、テキトーに宣伝すりゃ、売れるンだろ」的な大雑把さを感じます。
二番煎じな曲が多いってのも、その根拠。

例えば、1975年、「年下の男の子」の大ヒットの次の「内気なあいつ」。
そんで、1976年、「春一番」大ヒットの次の「夏が来た!」。

歌詞もサウンドも、前のヒット曲を受けて、極めて安易に方向を決められたコトが、アホウじゃない限りすぐ分かる。

でも、その二番煎じな「夏が来た!」こそが、今のワタシにとって、最も魅力的なキャンディーズの楽曲なのヨ。

何故ならば、30年間、ワタシは、この曲を忘れていた!
逆接的な「何故ならば」デスが、ソコこそが肝。
もう、お分かりですね?

(つづく)

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あくゆう、と打てば、阿久悠と出ます。

2007-08-03 00:00:58 | 日本のロック・ポップス
阿久悠さんが亡くなった!

特別な思い入れが無いアタクシでも、思わず「ぇえッ?」って言いましたよ。
言うよね?
我が、同世代よ。

すぐに思い浮かぶのは、強烈な印象を残す、奇を衒った、ケバいスペシャルな歌詞。例えば、ピンクレディの「カメレオンアーミー」。

「カメレオン」で「アーミー」ですか?

ナンジャ、ソリャ?

今でも、そう思いますよ。
はぁ?・・・って。
他には、「透明人間」とか、「ジパング」とか。
やっぱり、はぁ?・・・ですね。

・・・でも。
・・・つまり。
今でも覚えてるンです。

そんで、「ジョニイへの伝言」も、「あの鐘を鳴らすのはあなた」も、「青春時代」も、同じ阿久悠だってコトに思い当たるンです。

1937年生まれ。

ある意味、泡沫的なクダラナイ歌詞を大量に作って売ったヒトでもありますが、一方では、30年経っても古くならない、普遍性の高い作品も多く作詞していたり、また、単なる売文屋では無かったコトを確実に思わせる、エッセイ、小説の類いが幾つも出版されてたりで、確実にこのヒトの歌詞に影響を受けて育った身としては、改めて、読んだり聴いたりしておかねばナランと思うのデス。

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『yanokami』(2007)

2007-07-16 11:42:48 | 日本のロック・ポップス
矢野顕子サンの異次元ヴォイスに、レイ・ハラカミ氏の叙情エレクトロニカ・サウンドが融合デス。
ハイ。かなりハンソン。(・・・イイです、の意味

ハラカミ・サウンドは色付きの墨絵ですね。
水彩画とも言えますが、対角の色相は使わない感じなので、墨絵的な感じ。
そんで、一定の濃度で塗りつぶしている場所は一カ所もナイですね。
で、そういう全体像の上に、所々、彩度の高い原色の飛沫を飛ばしてありマス。
ま、ノイズ的なモノと言えますが、コレがとてもイイ、アクセントになってマス。

矢野顕子サンのヴォーカルは、少しだけ彩度の高い色の曲線で何かを描いている感じ。線は細く、しかも一定の幅ではナイ。モチロン色相は変化して行きますし、形も変わるンですよね。例えると、iTunesのビジュアライザで描かれるラインみたいな感じデス。

ハイ。
以上が、聴いた印象デス。

アルバムは8月に発売だそうで、今ワタシが聴いているのは、iTunes Store版EPの方です。
ハイ。かなりハンソン


yanokami (矢野顕子 × レイ・ハラカミ) - yanokami - EP
↑ ↑ ↑
 試 聴

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ゴッド級名曲!戸田恵子「コスモスに君と」(1980)

2007-07-15 07:12:16 | 日本のロック・ポップス
戸田恵子サンと言うと、演技派女優として、今や知らんヒトはおらんほどの有名な女優サンだと思いますが、ワタシの世代にとっては、どっちかと言うと声優のイメージが強いと思います。
何故かってぇと、このヒト、ガンダムのマチルダさんであったり、キャッツ・アイの瞳サンだったりしたからナンデスが、ワタシにとっては、なんと言っても『伝説巨神イデオン』のカララです。(ヲタでスマンのぉ~)

で、今回はその「イデオン」というロボット・アニメのエンディング・テーマで、戸田サンが歌っていた「コスモスに君と」という曲のコトなんですが、コレがね、アナタ。またソーゼツに感動的な名曲なんデスよ。
で、戸田サンの歌がまたね。セーゼツに感動的な名唱なんデスよ。ホント、スッゲぇーよ。
もし、コレ聴いて鳥肌が立たなかったらね。全くもってアナタには鳥肌の素質がナイというコトで、その場合ね、オトーサンはキミをカンドーするぞ。気を付けタマエ。

と、まぁ、そのくらい言いたいほどワタシにとってはスゲェ名曲なんデスが、一般的には当然それほど知名度高くはナイですね。
で、そんな隠れまくった名曲が、最近、iTunes Storeで復刻しちゃったのヨ。ンなもんだから、みっけてから後、嬉しいなったらウレシイな~とバカリにDLして聴きまくっているワタクシなんですがね、28回聴きましたが、全く飽きない。やはり名曲名唱デス。

この曲は、まず、曲自体が、トンでもなく美しくも切ない超絶美メロな訳で、すぎやまこういち氏一世一代の神業級楽曲だと、ワタシ、思います。その超絶美メロの上に、戸田さんの完璧な表現力を持ったヴォーカルが乗っかる訳ですよ。このヴォーカルがホントに凄い。「いつくしみ ふと分けあって」ってトコの「ふと」が凄いし、その後の「分けあって」の入り方が凄い。が、良く聴くと、「いつくしみ」の「しみ」の表現力が既に凄い。とにかく、歌詞の一つ一つ理解した上で、どう歌うのか、という歌い手にとっての永遠の課題を、見事なまでに解決しまくった名唱デス。

と、まぁ、そう書いてるウチに、34回目を聴き終わりましたが、一向に飽きる気配はありません。
やはり、恐るべき巨神級の名曲・名唱デス。

圧倒されて聴くべ!


戸田恵子 - イデオン パック - Single
↑↑↑↑↑↑
本当に是非聴いて頂きたいのヨ


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宇多田ヒカル/Fly Me To The Moon (In Other Words)-2007MIX

2007-07-08 00:59:18 | 日本のロック・ポップス
宇多田ヒカル
『Fly Me To The Moon (In Other Words)』(2007)

あの、スタンダードの「Fly Me To The Moon」です。
何ユエに、宇多田サンが、今のタイミングでコレなの~?
よう分からんね~。
と思って、ネットで調べてみたっけサ。

壱。元は2000年のシングル「Wait & See」のカップリングで、今回のはリミックスらしい。
弐。エヴァンゲリオンの映画のタイアップらしい。(しかし、なぜか、今、"エヴァ"なのかもよう分からん。)

で、サウンドの方は、まぁ、R&B(アール・アンド・ビー、の方ね)ですね。
音数を絞ったベースとドラム(と言っても打ち込み)の隙間を、シングルノートのギターとかオルガンとかストリングスで埋めていてクールな感じ。埋め過ぎないのがイイ。ストリングスが効いてます。

肝心の歌の方ですが、コレは流石に、上手い。
何と言っても、押し引きの加減が絶妙に上手いし、細かいビブラートもスゲェねぇ。10代で(当時)、この歌唱力、表現力はハッキリ言って怪物です。ただ、完成され過ぎてて、既に、もう伸びしろが無かったかも知らんデスね。最近の曲も、ヴォーカルそのものは変わらんデスもん。
でも、ま、しつこいようですが、当時から、トンでもないレベルで完成されていたというコトで、悪いコトなど一つもナイです。
素晴らしいデス。ハイ。

R&Bな「Fly Me To The Moon」。
コリャ、ナット・コール(Nat Cole)にも負けねぇンでナイかい?
と思って、ナット・コールの聴いたら。
ま、流石にソリャ言い過ぎかなと。


『Nat King Cole Sings/George Shearing Plays』(1961)
このアルバムがまた至宝でサぁ・・・。
と言うハナシはまた別項で。

それは、そうとして、宇多田サンの「Fly Me To The Moon」。
なかなかのモンです。
一聴の価値ありだと思います。
(・・・何故、上からなの。オレ。)

↓聴ける↓

宇多田ヒカル - Fly Me To The Moon (In Other Words) -2007 MIX- Single


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ラッツ&スター。ボ~ンボ、ボンボ、ボンボ、ボンボ。

2007-07-03 22:19:56 | 日本のロック・ポップス
ラッツ&スター(Rats & Star)
『Back To The Basic』

ベスト盤ですね。
1996年。

コレ聴くと、初期のオリジナル・アルバムを聴いてみたくなります。
あと、デビュー直前頃のルイードのライヴとか、体験したかったとか思います。

シャネルズ。ラッツ&スタ-。

シングル・ヒットじゃないトコに絶対的な真髄があった筈。
ライヴは絶対に素晴らしかった筈。

でも、ヒット・シングルも素晴らしいね。

歌謡曲な俗っぽサと、R&Bな俗っぽさ。
この二つの掛け合わせの素晴らしさを体現できる音楽集団として、このヒト達以上の存在が居たでしょうか。

こういう分かり易さを厭わない音楽性に、天才シンガー・鈴木雅之の、ホント~に素晴らしいヴォーカルが乗るンですから、そりゃ、ヒットしまくったのも当然。

今の耳で聴くと、アレンジ面で古びた感を否めない部分が在るのは確か。
具体的に言うと、「憧れのスレンダー・ガール」(1982)のイントロとか。
でも、あくまで「部分」です。
ここに収録された楽曲で、古びてしまったモノは一曲もナイです。

「ランナウェイ」
「トゥイナイト」
「街角トワイライト」
「ハリケーン」
「め組のひと」
「Tシャツに口紅」

もぉ、ホントに最高です。

やっぱ、生で聴きたいデスね。
マーシーもカンバックってコトでサ。

一時的でイイから、再結成しませんかね~。

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