Pa'Lante!(パランテ!)

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細野サンのニューアルバムは高級な脱力アルバム。

2007-10-04 21:32:32 | 日本のロック・ポップス
Harry Hosono & The World Shyness
『Flying Saucer 1947』(2007)

今年の7月に還暦を迎えた細野晴臣師の、もの凄く久しぶりのソロ・アルバム。
(今回も、正確には「細野晴臣」名義ではナイですが。)

カントリー、という触れ込みのようです。

が、自らご発言されている通り、そのサウンドは「カントリーと言ってますが、ホントはカントリーじゃない」です。アタクシとて、カントリーは、多少は聞き齧った事もありますが、このアルバムの音は、確かに、アレらのオーセンティックなカントリーとはダイブ違います。

要は、細野さんのアタマの中のヴァーチャルな1947年のアメリカ、らしい。
そういう意味で、幻想の音楽、だそうデスよ。

で、そのサウンドですが、アコースティック・ギター、アコーディオン、アコースティック・ベース、ドラムなどを中心にして、そこにスチール・ギターとか、マンドリンとか、土臭い楽器がのっかる感じ。
基本、バンド全員による人力演奏の一発録りみたいデスが、細野サンを初め、名人揃いのプレイヤー陣の演奏は、流石のグルーヴ。「軽くない軽み」とでも言えばイイのでしょうか、さり気ない一級品が、ポンと無造作にソコら辺に置かれているような、そんなアルバム。本当に素晴らしい演奏デス。
(ちなみに細野サンは、全曲でアコースティック・ギターを弾いていて、ベースは半数くらいの曲でしか弾いてません。)

楽曲は、古いカントリーのカヴァーもありますが、細野サンの過去の名作や他の人へ提供した楽曲のセルフ・カヴァーとかが中心で、「Body Snatchers」とか「Sports Men」とか、バリバリにヒップホップだったりテクノだったりした楽曲が、カントリー様のアコースティックで演奏されるのには、マコトに驚愕っス。で、コレがまた実にカッコイイんです。スゲェ。

不思議なのは、あまりウマく無いはずの細野さんのヴォーカルが、このアルバムでは、何だか上手くなって聴こえるってコト!ワタシは、あの超名作、『Omni Sight Seeing』(1989)の二曲目で、細野サンの歌が聴こえて来た瞬間にズッコケタ事があるニンゲンなので、「ソロ・アルバムだからと言って無理に歌わなくたっていいのに」と思ってしまう訳なのデスが、こういう、どちらかというと脱力系なアコースティックなサウンドには、やっぱり合うンですね。結構、イイ感じです。

ハイ。
まとめます。

「ムカシのアメリカを幻想した音楽を、リアルな今のジャパニーズ名人芸演奏で纏め上げた、高級な脱力アルバム。値段はフツーです。」

聴きましょう。

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2 コメント

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感謝 (yoshizaki)
2007-10-04 21:42:06
はじめまして。
『Flying Saucer 1947』(2007)
細野さんのアルバム出ていたのですね。
良き情報ありがとうございます。
因みにボクは昔から細野さんの脱力系ヴォイスが
好きです。
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脱力 (bugalu)
2007-10-05 22:48:39
yoshizakiさん、はじめまして。

今回のアルバムは、脱力ヴォイスにぴったりの、脱力サウンドです。もちろん、だらしないサウンドとは違います。スバラシイ演奏ですので、是非、お早めにゲットされて下さい。
きっと、楽しめると思います。
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