ここを通るたびに、
天国かとおもうわけです。
毎朝。
通称「多摩サイ」。
自転車乗りの、聖地です。
ウチのあたりでは、河原の幅は、５００mはあります。
広い川面と、びっしりとした白い砂利と、緑。
都会じゃありえないほど、空がひらけていて、
風が気持ちよく抜けてゆきます。
サイクリングロードは、尾根になっていて、
もう抜群に、見晴らしがいいのです。
そのへんの歩道は、見た目はきれいでも、
路面があまり平滑ではないのですが、
このサイクリングロードは、
車道並みにスムースです。
自宅を出てから約２km。
ここを通って、いまの気候に身体をなじませ、
筋肉をほぐしたのちに、
おもむろに、都心向かう登り坂にとりかかります。
帰りも。
都心の喧噪を抜けて、
多摩サイに入るとほっとします。
草いきれと、川のにおい。
一日のあれやこれやを、ぼんやりと考えながら、
すぱーんとひらけた夜の空のなかで、
追い風に乗って、ゆっくりゆっくり、リセットです。
仕事場と家をつなぐ、この多摩サイを渡るたび、
このうえない幸福感を感じるのです。