武道・禅の心で臨床を読み解く(武道、禅、心理療法、ボディワークを学ぶ理学療法士)

21年間の運動指導・700冊の書籍からリハビリ・トレーニングを読み解きます。
良書の書評、稽古・訓練方法、研修報告など

ある治療をして良くなったからといって(自分の治療に自惚れないためには)

2011年05月03日 | コラム
 皆さん、自分の治療方法を根本から振り返ってみたことはありますか?

 社会心理学の側面から腰痛を診よう、と提唱しているTMSジャパン長谷川氏の講習会で『三理論』という考え方がありました。

今までの医療(代換医療も含む)は
①(ある治療家が自分が信じる)治療し
②(介入した結果)良くなっ
③故に効い(と自分の治療方法が優れていると主張する)
というもの。


 理学療法に限らず、多くの研究報告がとある介入して良くなったから効果があったと主張しています。他の治療方法と比較していたとしても狭い視野でしか比較していません(というか比較は理論的に無理なんですが…)。


 皆さんは他の業界の研究報告を見たり聞いたりした事がありますか?その効果を自ら体験したり試したりしたことはありますか(つまり異業種への武者修業です)?

このblogでは武道をうたってますが、決して刀に固執した堅物の武士になれとは言ってません。刀の魂を大切にしつつ銃や大砲、蒸気船へと飛躍した幕末の志士のようにありたいのです。

 昔日の合戦での死亡者の大半は刀でのチャンバラではなく弓・銃・投石で亡くなったようです(日本の和弓は相当な威力があったらしく腕の優れた者が放った弓は鉄兜を貫通する能力があったようです(月刊『秘伝』より)。

多くの人が想像する刀と刀での正々堂々一騎打ちは実際には殆どなかったのです。つまり勝つためには綺麗ごとだけではなく冷静かつ合理的でなくてはならないのです。これから超高齢化・景気減退という混迷を突き進む日本の医療・介護界もまたしかりです。

 もしこれから理学療法士が理学(Physical)療法のPhysical(身体もしくは脳機能)のみに固執するならば、刀や根性に固執して玉砕した戦前の日本軍の二の舞となるでしょう。世の中はそのような存在は求めていないとすでに答えを出し始めているからです。

 本当の武士道とはスパイのような諜報活動・後方撹乱など一見卑怯ともいえるような手段も使い確実に勝ちをおさめることのようです。決して『潔く(ともすれば安易に)すぐ切腹』が武士道の先行したイメージですがかなり間違いのようですね。
⇒興味がある方は
菅野 覚明著
武士道の逆襲(講談社現代新書)

をご覧下さい。

 混迷の医療・リハビリ界を生き抜くヒントが見つかるかもしれませんよ

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