武道・禅の心で臨床を読み解く(武道、禅、心理療法、ボディワークを学ぶ理学療法士)

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いつの世でも求められる柔軟性とタフネスさ 『現代型うつ』から読み解く

2011年12月10日 | コラム
 私がマネージメント職に着き一年近くが経とうとしています。

 立場上部署内外で、多くの人に出会います。この出会いを通し、肌で感じるのは最近の人々の精神力の低下です。最近、というと年寄り臭いのですが私が二十歳であった20年前とは明らかに精神面に変化が出てきていると感じます。


 先日放送されたNHK「クローズアップ現代」で近年急増しつつある『現代型うつ』について取り上げられていました。
 番組によると、現代のうつ病患者は一昔前の患者とはかなり違うらしく従来の抗うつ薬に反応しない症例が多いとか。また従来のうつ病患者は自分を攻めるのが特徴であるのに対し、現代型うつ病患者は周囲の性にするそうです。20、30代に急増していて社会問題になっているとのこと。


 こういった患者が増えた背景は、大人になるまで大きな挫折を全く味わうことなく社会に出る若者が増えてきたことにあると解説されていました。また親や周囲の育て方が過保護になり過ぎた結果、精神的に幼いまま肉体のみ大人になり自分を内省する能力がない為周囲の性にする事しかできないとも。


『挫折』

 この番組を見たあと、自分の人生を振り返ってみました。私の人生は挫折の連続だったのかなぁと。とてもblogには載せられないような失敗・挫折の数々。

 でも、その度に乗り越えてきたんだなぁ、と。そして挫折だけではなく成功体験もそれなりにしてきました。成功と挫折を繰り返して人ははじめて強くなれるのです。

 そう、人は多かれ少なかれ挫折する生きもの。でも挫折から逃げてばかりではいけない。いつかは立ち向かう必要がある。もしくは自分を変えていく柔軟性が求められる。しかしそういったポテンシャルが感じられない人が増えてきた気がしてならない。もしくはそういったポテンシャルが無いと乗り越えられない時代になったのかもしれない。

 どんな時代でも不変のものなどなく安泰なものなどない。だからこそ柔軟性とタフネスさが必要なのに。

 幼稚園のイモ掘り大会では大人たちが予め深い場所にあるイモを掘り起こし浅い場所位に埋めなおし(つまりお膳立てして)、子供たちにイモ掘りをさせるところもあるとか。
 劇やお遊戯の配役も子供にまんべんなく役が回るうように配慮をしているとか。
 これでは、真の挫折も成功も味わえません。

 現実と向き合えない人が増えている現代。

 難しい時代だなぁ、と感じます。

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