武道・禅の心で臨床を読み解く(武道、禅、心理療法、ボディワークを学ぶ理学療法士)

21年間の運動指導・700冊の書籍からリハビリ・トレーニングを読み解きます。
良書の書評、稽古・訓練方法、研修報告など

1万時間の壁を突破する

2012年06月23日 | コラム
 皆さんは「1万時間の壁」という言葉をご存じでしょうか?
 ヒトが自己変容するために要する時間があると言われています。

 人間は精神も肉体も恒常性(ホメオスターシス)があり、刺激を与え続けないと元の状態(自分)に戻ろうとします。それなので今の自分よりも更に成長するにはある期間、それなりの刺激を受け続ける必要があります。そのある期間が1万時間と言われています。

 この1万時間を普通に7時間労働し、7時間睡眠している人が日常生活の中で生み出すにはそれなりの努力が必要なんです。

 (食事・入浴・通勤・趣味などの時間を除く)帰宅後や週末の自由時間を自己成長に割けばおよそ10年間かかります。更に食事・入浴・趣味・通勤・睡眠などの時間を削減して自己成長に割けば5年間だそうです。

 皆さん、いかがですか?

 先日、最近職場に入職してくれた同僚との会話で「なるほどなぁ」と自分なりの気付きがありました。

同僚「武道PTさん(私)はすごく勉強してますね」
私「2:6:2の原理って知ってますか?」
同僚「初めて聞きましたよ」
私「職場でやる気がある人:どちらでもない人:やる気のない人、という比率のことです。多分、僕はやる気のある2割の人間なんだと思います。」
同僚「武道PTさんは2割じゃないですよ。今まで武道PTさんのような方、いましたか???」
私「・・・・・(いないな、確かに)」


 私は通勤時間(往復1時間半)と昼休み(30分)は読書に当て、業務終了後は自主稽古。勿論、週末の合気道稽古も続けています。普段の所作も稽古や治療に反映できなか?と暇さえあれば考えています。睡眠時間を削るのは最近はやめましたが、時には行います。



 今まで沢山の研修に出かけ、沢山の人に出会ってきました。

良く座学を学んでいる方は出会いました。身体を鍛えている方にも出会いました。

 しかし、身体と心(知恵も精神も)を両方とも研鑽している方とは確かに滅多に出会えませんでした。


 通勤電車はたいていいつも同じ顔ぶれになります。しかし、周りを見渡してもそこまで、せっせと学び続けている人はいません。勿論、職場でも・・・・。



 私は成人になってから「1万時間の壁」は分かる範囲内で4回突破しています。

 最初は大学院入学前と在籍中。毎日がインターン臨床実習のような日々を4年間続けました。次はPT養成校。夜間部の学生で昼間患者さんを担当していたので、今思い返しても患者さんに関することはかなり学びました。
 さらには臨床に出て最初の5年間は徒手療法を中心にかなり学びました(私のプロフィール記事参照)。
 最近ではボディーワーク・武道(合気道)です。

 周りを見渡すと1万時間を1回・2回突破している人は見かけます。しかし、この1万時間の壁を突破し続けている人はどうか?というとほとんどいないのです。

 4回突破した私はさぞ凄いのか?というとそんなことはなく、中途半端な感じです。

 何故なら、世の中で凄いと言われる人は10回や20回以上の「1万時間の壁」を突破してるからです。


 先日、娘が病院を受診しました。いつもお世話になっている医師で娘が危険な状態の時に助けてくれた命の恩人のような方です。

 とても有名な病院でしかも、その医局のトップの先生。しかし、偉ぶることなく診療時間も問いません。診療は愛情そのもの。

 その凄さはどこから来るのか??
 それは、誰にも負けない技術(何十回も『1万時間の壁』を突破して培った)と、
人を敬う愛情だと思います。そうでなければ日本でトップクラスの病院医局トップに居続け、更に愛情を注ぐことは不可能です。


 同僚との会話の後に、娘の恩人のような医師に久し振りにお会いし、身がかなり引き締まりました。

 2割に入って満足するな!、と。
 

 『まだまだ、修行が足りん』と気付いた今日この頃です。

 さぁ、もっと壁を突破するぞ!!


 
 

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