武道・禅の心で臨床を読み解く(武道、禅、心理療法、ボディワークを学ぶ理学療法士)

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武道PT的 リストマニア その五(徒手療法)

2010年08月31日 | 文献紹介(武道PT的リストマニア)
key word:徒手療法 お勧め文献 脊柱 モビライゼーション


 PTで経験年数が浅い方も多く閲覧してくれているようなので今回は、海外徒手理学療法についてまとめてみました。評価も☆五つ満点に変えてみました。

 整形疾患かつクリニック的な患者さんは強くなると思います。が、徒手理学療法だけ学んでしまうとこれらの疾患に対して偏った見方を強める可能性もあります。また、ここに紹介した本は全て西洋徒手PTです。デカルテ的考えにどっぷりとつかってしまう恐れがあります。

しかし、一方で骨関節を中心とした運動器に対する理解はぐぐっと深まります。全体を見据えるために局所を細かく学ぶのは大切かもしれません。決して「木を見て森を見ず」とならないようにしましょう。

皆さんは患者さんを多方面から見られるセラピストになって下さいね。

下線をクリックすると関連サイトにジャンプできます。

グリーブの脊柱モビリゼーション
Mobilisation of the Spine
原著者GregoryP.Grieve
監訳者斎藤昭彦
発行所エンタプライズ株式会社
評価 ☆☆☆☆☆
非常に良くまとまっています。ある程度(全身)、徒手療法を学んだ方にはお勧めです。徒手療法の研修に多く行ってみてこの本に出会い感動しました。系統だっていない研修が多い中でこの本はとてもよくまとまっています。値段は高いのですがグリーブ氏の意気込みが感じられる良書です。

徒手医学のリハビリテーション
原著者KareI Lewit
監訳 大川泰発行所
エンタプライズ株式会社
評価☆☆☆
PTの本ではない記載満載。精神疾患と姿勢に関してなどなど多岐に渡った考察がされています。しかし、エンタプライズ社が潰れてしまった?ので古書しか手に入らないかもしれません(泣)


運動器リハビリテーションの機能評価I ・Ⅱ
原箸第4版
Orthopedic Physical Assessment, Fourth Edition
原著者DavidJ.Magee
監訳者 陶山哲夫,高倉保幸,草野修輔.大井直往,山本満,赤坂清
発行所:エルゼビア・ジャパン株式会社
評価☆☆☆☆☆
徒手療法を学ぶ者なら端から端まで読みたい本です。とてもボリュームがありますが、バランスも取れており整形クリニックで勤めているなら完読を勧めます。治療手技は書いてありませんが、評価なくして治療はありません。私は訳本が出ないと踏んで原著を買いました。でも日本語の方が読むのが早い私は訳本が出た時泣きました。

マリガンのマニュアルセラピー
著者Brian RMulligan
監訳者 細田多穂/藤縄理/赤坂清和/亀尾
発行所 株式会社協同医書出版社
評価☆☆
治療法のみで評価についての記載はありません。クリニカル・リーズニングについて全く触れていないので初学者にはお勧めできません。上記の運動器リハビリテーションの機能評価I ・Ⅱなどで評価方法を学んでから、読むことをお勧めします。

ペルビツク・アプローチ
骨盤帯の構造・機能から診断・治療まで
Diana Lee
監訳:丸山仁司
医道の日本社
評価☆☆☆☆
骨盤帯の繊細な評価といえばDiana Lee女史です。彼女の評価・治療方法は世界徒手PTでも一目置かれています。

バトラー・神経系モビライゼーシヨン-触診と治療手技,
著者DavidS.Butler
監訳者伊藤直榮
訳者齊藤武利/阪丼康友/白井正樹/中村浩増本正太郎/吉原裕美子
発行所株式会社協同医書出版社
評価☆☆☆
今でこそメジャーとなった神経系モビライゼーシヨン。学校教育では良くて関節モビライゼーション止まりです。神経系の評価はかなりの熟練した技術、経験そして知識を要します。初学者には難しいのですが、臨床3~4年目以降の方は是非読んでみて下さい。

メイトランド四肢関節マニピュレーション(原著第4版)
監訳:赤坂清和(埼玉医科大学保健医療学部 教授)/齋藤昭彦(杏林大学保健学部 教授)
出版社: 医学映像教育センター
評価☆☆☆☆☆
メイトランド・コンセプトは今様々な批判を浴びています。しかし、徒手PTの根幹を成してきたのは事実です。特に彼は問診を大事にしています。私が心理学や催眠の大切さに気付けるようになったのも彼の問診への姿勢に共感したからなんだと思います。私は原著で読みましたが、現在のものは動画がCD-ROMで確認できるので研修などの復習にもってこいです。あくまでも復習用です。見ただけで分かった気にならないように皆さん注意しましょう。

メイトランド脊椎マニピュレーション(原著第7版)監訳:赤坂清和(埼玉医科大学保健医療学部 教授)/齋藤昭彦(杏林大学保健学部 教授)
出版社: 医学映像教育センター
評価☆☆☆☆☆
こちらも私は原著で学びました。ちなみに馬のマニュピレーションについても記載してありました。評価・記載方法などとても体系立てられていて、学びごたえ十分です。

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