BRING UP

①子どもを育てる。養育する。しつける。②問題などを持ち出す。提起する。

きょう抜糸

2015年03月24日 | Weblog
 退院後初の外来診察。ピンセットを取り出して、
「今日抜糸しますね」
(エッ! エエーッ!!! 痛そー)
「我慢しましょーねー、大人なんだから。オペ室行くの面倒でしょ」
(少年たちにはいつも、おとなげないと言われます)
「これを機会に大人になりましょうねー」
何だ、ここの会話は。
(おい!青年! 主治医じゃなかったらオーバーヘッドキックだぞ!)
取った糸を見せられた。じゅうぜろナイロンというもので髪の毛よりずっと細い。
「顕微鏡下で取るんですけど、ここでもできるから」
抜糸に麻酔を使うとは思わなかった。

 あの日、3月12日
10時20分定刻、親父の手術のとき9時間座り続けた、かみさんのときは何時間だっけ、その待機所の前を通って手術室、九つある一番手前、自分で手術台に上った。布団のようなものがゲル状みたいで気持ちいい。
点眼の麻酔、視界ぼやける。目の部分をくりぬいた布をかぶせられ、まぶたを閉じられなくする器具をつけられた。じょぼじょぼと目を洗われた後(これ意外と気持ちいい)、目玉にシールのようなものを貼られた。ほとんどぼんやり。無影灯まぶしい、でも目は閉じることができない。なれてくるとなぜかその無影灯がグーフィーの目と鼻に見えた。
カウント開始、時間計るんだ。
最初に水晶体を取り出して眼内レンズを装着。頭上にひとり、右手に一人ドクターがいるのがなんとなく見える。ナースどこ?、手を握っててくれてもいいのにと思っていたら、左から細い棒のようなものが迫ってくるのが、見えるじゃないの、ダメよ~ダメダメ。見えないと言ったのに、ぼんやりなんとなく見えるよー。
レーザーとか何とか言って、押されるような突かれるような、変な感じ。
「私はあーだ、こーだ、こうすると術野がどーだ」「はい、はい、なるほど」とか、やりながらもう一人に指導をしている会話。(俺は教材か?)
「麻酔レベル上げます」
この後は右眼だけ完全な闇、ここからがながーく感じた。
「口呼吸で静かにお願いしますねー」(いちいち語尾を伸ばすな)
(まずい、咳が出そう。たんま、たんま)
汗が首筋を流れる。口呼吸、意識するとけっこうキツイ。
「あと5分くらいですよー」
ここからがまた長い。
11時50分、オペ終了。手術台を降りた後、下を向かされ、頭を持って振られた。テキラー飲んだわけじゃないのに。このまま下向き生活が始まる。眼球の中に詰めたのはエアー、ガスのほうが長持ちするのだが今回はエアーでやったと言う。そのほうがうつぶせ期間が短くてすむからとのこと。短いはずが5日間だった。

病室に戻ったら昼食が用意されていた。通常食。
オペ室から送ってくれた副婦長が、うつぶせ寝の重要さを迫力を伴ってレクチャーしてくれた。そして、
「どうぞお昼ですよ、召し上がってください」
(もう食べていいの? 今終わったばかりじゃん。でも、腹へった)

12時16分、昼食。目から出てきたらどうしよう。メニューは盛りうどんだった。

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