『三人の悪党 きんぴか1』
浅田 次郎著 光文社文庫533円
阪口健太、通称ピスケン。敵対する組の親分を殺り13年刑務所で過ごす。大河原勲、通称軍曹。湾岸派兵に断固反対し、単独クーデターを起こした挙句、自殺未遂。広橋秀彦、通称ヒデさん。収賄事件の罪をかぶり、大物議員に捨てられた元政治家秘書。あまりに個性的で価値観もバラバラな3人が、何の因果か徒党を組んで彼らを欺いた巨悪に挑む! 悪漢小説の金字塔!
『血まみれのマリア きんぴか2』
浅田 次郎著 光文社文庫533円
ピスケンが恋をした。お相手は、「血まみれのマリア」こと阿部まりあ。泣く子も黙る救急救命センターの看護婦長で、今まさに息絶えんとする重症患者を救うこと数知れず、の奇跡を呼ぶ女だ。あまりに意外な組合せに、驚きのあまり絶句する軍曹とヒデさん。一途で不器用なピスケンは、マリアのもとに通いつめるが……。 悪漢小説の金字塔、佳境の第2幕!
『真夜中の喝采 きんぴか3』
浅田 次郎著 光文社文庫533円
草壁明夫が殺された。広橋をスケープゴートにした大物政治家・山内龍造の悪行を報道した、あの気鋭のジャーナリストが……。訃報を耳にした広橋は凍りつき、草壁に伝え忘れたセリフを口にするために立ち上がる。一方ピスケンと軍曹は、ヤクザと悪徳政治家が自己弁護と保身に走る中、正義の暴走を敢行する。 三悪漢の破天荒な物語、ひとまず完結!
この3部作は表紙にも悪漢小説と表記してある。浅田次郎のピカレスクは期待を裏切らない。1冊に数回ゲラゲラの場面がある。これだけで満足した。しかし、主人公3人は共通して、渡世の貧乏くじをひく、わかっていて見栄でひく。寅さんに似たところがあるようにも思える。
年末年始の休みにごろ寝して読むにはうってつけ。
浅田のピカレスク、まだまだアリマスゼ。
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