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①子どもを育てる。養育する。しつける。②問題などを持ち出す。提起する。

『のぼうの城』

2012年10月31日 | Weblog
『のぼうの城』
和田 竜著   小学館   1500円



 天下統一目前の豊臣秀吉は唯一残された敵、北条勢を圧倒的軍勢で攻めようとしていた。周囲を湖で囲まれ「浮き城」の異名を持ち、人々が平穏に暮らす「忍城」もそのひとつ。そんな中、忍城では、その不思議な人柄から農民たちからでくのぼうを意味する「のぼう様」と呼ばれる、成田長親が城を治めることに。迫り来る天下軍に緊迫する仲間たちを前に、長親は「北条にも豊臣にもつかず、皆で今までと同じように暮らせないかなあ」とのんきな言葉を発し皆を唖然とさせる。
 武将として名を上げることに闘志を燃やす石田三成は、秀吉から預かった2万の兵を引き連れて忍城に迫る。城主・成田氏長は「豊臣軍とは一戦も交えずに速やかに開城せよ」の言葉を残し、すでに小田原に向かっていた。やむなく開城することを覚悟する忍城軍。しかし、三成軍のなめきった態度に長親が思いもよらない言葉を発する。「戦いまする」。長親の言葉に騒然となる忍城軍。だが、長親の強い決意に惹かれるように、長親の幼なじみで歴戦の強者・丹波ら武将たちも一転、天下軍との無謀な戦いに挑むことを決意する。
 そして、誰の目にも圧倒的に不利な、たった500人の忍城軍と2万人の大群の戦いの火ぶたが切って落とされた…


この一行
「所詮は、利で繋がった我らが勝てる相手ではなかったのさ」三成の言葉


 秋の夜長に一気読み、お勧め本です。
 巷では速読がはやっているが内容が面白ければ早く読める、先が知りたいから。つまらなければ進まない、興味が持てないから。
 この本は前へ前へと読み進みたくなるが、ブレーキをかけてゆっくりそれぞれの人物像を眺めても良いのではないか。再読したい。

 長親はでくのぼうか、利口か、それとも天然か?

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