BRING UP

①子どもを育てる。養育する。しつける。②問題などを持ち出す。提起する。

『やめないよ』

2011年10月15日 | Weblog


『やめないよ』
三浦知良著  新潮社  740円

 僕は、プロサッカー選手になって以来、いつも、来年のことはわからない、と思いながら過ごしてきた。サッカーの世界でチームを移籍することは、会社を替わったりするのとはずいぶん違う。移籍するたびに、これが最後のチームになるかもしれない、と毎年が崖っぷちにいる思いで、どこのチームに長くいたいとか、そういう考えは持たなかった。ヴェルディ川崎からクロアチアのザグレブに移籍したときも、これが最後かな、という気持ちで行ったし、その後も、京都、神戸、横浜とチームを替わりながら、ずっと、一年一年の勝負、というつもりでやってきた。「どこまでやれるかわからないけれど、とにかく今日を一生懸命、精一杯やる」という積み重ねだけで、気がついたら横浜にはもう6年近くもいた、という感じなのだ。
「引退」という言葉も周囲からは何度か聞いた。世間の声も耳に入ってきた。けれども、いま、僕の中では、どこでどんなふうに引退しよう、なんていう設計図はまったくない。カズらしさを持ったままで引退、とか、辞めるときのタイミングが大事、などと、いろんなことを言う人がいるけれど、僕はもう、そんなことすら考えていない。タイミングを計って引退するなんてことは、もはや僕の選択肢にはない。そんなことも考えずに、ただ今日も一生懸命やる、明日も一生懸命やる、それだけなのだ。   (プロローグより)


「だから僕もその夢を追っかけて、これからの日々を頑張れる。」

 ここでカズが言う夢とはもちろんワールドカップのピッチに立つこと。
悪夢の落選。「カズが許しても俺は岡田を許さない」と言いたくなるほど私自身あの時のショックは大きく、今でも納得できない。その後テレビや記事で何度か目にするのが「ワールドカップ出場は夢」とカズが言い続けていること。代表は3次予選勝って、最終予選勝ち抜けてカズにチャンスをプレゼントしてほしい。ブラジルワールドカップに出場しているカズを見たい。


「サッカーを見るのが好きなのか、するのが好きなのか? 見ることがやることほど面白いとは思えない。やるのが一番。 監督業? いや、選手の方がいい。」

 カズの答えは明快。今の私はまったく同感。サッカーは観るものではなく、まして、偉そうに教えるものでは決してない。サッカーはやるもの。ナイスゲームをテレビで観るとすぐボールが蹴りたくなる、この気持ちを持ち続けたいし、子どもたちにもサッカーをやることの面白さを伝えていきたい。

 カズには一年でも長くキングに君臨し続けてほしい。

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