“かりゆし農園”の丘の上で栽培されている「ヒラミレモン(平実檸檬)」。ミカン科ミカン属の常緑低木で、沖縄では「シークワーサー」と呼ばれている。このシークワーサーは外国語かと思っていたら、沖縄方言の“しー(酸っぱい)”と“クワス(食わし)”を合わせた言葉。酸っぱいものを食わせるという意味になる。また沖縄方言では、9年で果実が稔ることから九年母(くねんぼ)が訛って“クネブ”とも呼び、更に熟した果実が黄金(くがに)色であることから“クガニー”とも呼んでいる。
沖縄ではハイビスカス(ブッソウゲ)のことを“あかばな~”と呼ぶようだ。旅行初日は珍しくて何枚も撮っていたが、観光名所でもホテル駐車場でも見られるので、2日目からはスルーしていた。ところが東南植物楽園で見た花はずいぶん違った雰囲気。これは「フウリンブッソウゲ(風鈴仏桑花)」と呼ばれる品種で、名前の通り風鈴のように下向きにぶら下がっている。アオイ科フヨウ属の常緑低木で東アフリカ原産。
花が丁子形をしていることから名付けられている「ハナチョウジ(花丁子)」。オオバコ科(←ゴマノハグサ科)ハナチョウジ属の常緑小低木でメキシコ原産。色が異なるアキチョウジやセキヤノアキチョウジはシソ科で違う仲間。沖縄ではあちらこちらで見掛けた。
古宇利島の海岸付近に植栽されている「アカタコノキ(赤蛸の木)」。タコノキ科タコノキ属の常緑高木でマダガスカル島原産。タコノキの仲間では、この樹肌がもっとも美しいとされており、公園樹として広く利用されている。
尾根幹線の中央分離帯に植栽されている「ベニバナトチノキ(紅花栃ノ木)」。ムクロジ科(←トチノキ科)トチノキ属の落葉高木で、ヨーロッパ原産のセイヨウトチノキ(マロニエ)とアメリカ原産のアカバナトチノキを交配させて作った園芸種。日本には大正時代に渡来した。この界隈では大栗川遊歩道に植栽されているが、ここは初めて気付いた。また同じ日に、富士見台公園から続く農道でも咲いているのを見た。