犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ポログリット

2010-09-16 23:22:23 | 言葉
 光子の夫,ハインリッヒ・クーデンホーフ伯爵は,ポログリット(多言語使用者)でした。

 光子によれば,夫が話せるのは次の18か国語。番号は得意な順番で,13番目までは読み書きもできたとのこと。


1 ドイツ語
2 英語
3 フランス語
4 イタリア語
5 スペイン語
6 ポルトガル語
7 ロシア語
8 チェコ語
9 トルコ語
10 アラビア語
11 ヒンディー語
12 ギリシャ語
13 ラテン語
14 朝鮮語
15 日本語
16 中国語
17 マレー語
18 アルメニア語

 いやはやすさまじい。語学の天才ですね。

 この手記は,子どものために夫の美点を書きつらねているので,「夫自慢」のための誇張かもしれませんが,旅行記の中の船上や旅先で,さまざまな外国人と相手の母国語で会話している様子が描かれているので,あながち嘘とは思えません。

 事実,語学の学習に打ち込む熱意はたいへんなもので,日本滞在中は毎日,朝鮮語と中国語と日本語の学習を続けていた。朝鮮語は朝鮮大使館の秘書から,中国語は中国大使館の秘書で大学教授でもあった中国人から。上のリストで日本語は15番目に書かれていますが,日本語の官報を読み,通訳なしで大臣や天皇陛下と話していたということです。

 ヨーロッパに戻ってからは,毎日世界地図を広げて,その日に勉強する言語を決め,ローテーションを組んで語学力の維持に努めていたようです。

 趣味は狩猟。たばこを愛し,ゲテモノ料理にも好奇心を発揮し(樺太では熊の肉を食べた),ワーグナーを歌い,小説も書いた。カトリック信者でありながら,ほかの宗教についても深く研究し,コーランを諳じていた…。

 外交官を引退してからは哲学書の執筆を準備していたようですが,47歳で死ぬことがなければ,世界的な学者になっていたかもしれません。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
シンガポール人 (犬鍋)
2010-09-23 21:10:05
たいしたものです。

韓国語やタイ語もけっこうなレベルですね。

やはり若さが大きいと思います。
50歳まで秒読みの私には,もはや新しい言語に挑戦するのは無理だと思います。(と書きつつ,先週,モンゴル語の入門書を買ってしまったのですが)
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種田輝豊 (犬鍋)
2010-09-23 21:06:15
1970年以前の人ですね。

http://ijustat.at.infoseek.co.jp/gaikokugo/taneda.html

知りませんでした。
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Unknown (Cru)
2010-09-22 22:22:12
ポリグロットという言葉をはじめて聞いたのでぐぐってみたら面白い動画を見つけました。
http://www.youtube.com/watch?v=yIhLUAKAXd4

やあ、かん高い声の兄ちゃんだなあと思ってたら、日本人ではないと知って吃驚。

18ヶ国語ぉ?とか疑ってましたが、こういう人がいるんだから、中には18ヶ国語とか20ヶ国語とか話せる人もほんとに居るんでしょうねぇ
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Unknown (某延世大留学生)
2010-09-21 00:15:31
日本のポログリットで『20ヶ国語ペラペラ』の著者、種田輝豊さんを思い出しました。
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