犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

韓国便り~次期大統領

2017-01-21 23:24:39 | 韓国便り(帰任以後)

 映画鑑賞後は、少し遅い夕食会。事務所の韓国人メンバーも何人か来ました。

 場所は、以前にも行ったことがある「鍾路1番地」。オドルパプと海鮮おでんが売り物の店です(リンク)。

 映画の感想などを語り合ったあと、朴大統領の話になりました。

「日本もやっぱり韓国のことが騒がれてますか」

「いや、今はトランプでしょう。韓国の話はもう飽きちゃったんじゃない?」

「そうですか。韓国は今大変ですよ。毎週集会が開かれて…」

「でも、朴大統領、辞めることになったでしょう?」

「遅いです。すぐに辞めないとダメです」

「でも、あの集会、100万とか150万なんてありえない。あの広場にそんなに入らないし」

「嘘じゃないですよ。行ってみればわかります。ほんとにすごい人なんです」

(だからって150万っていうのは……)と言いかけてやめました。

「次の大統領はどうなるの?」

「犬鍋さんはだれがいいと思いますか?」

「よくわからないけど、パンギムン(潘基文)かなあ」

「パンギムン! アイゴー」

 国連事務総長を退任した潘基文は、お決まりの「親族のスキャンダル」が発覚して、評判が悪いらしい。

「でも、ムンジェン(文在寅)よりはマシでしょう?」

「なんでてすか?」

「だって、「北」とつながっているでしょう?」

「えっ? 犬鍋さんはそんなこと信じているんですか。そんな人じゃありませんよ」

 どうも、このメンバーはノムヒョン(盧武鉉)支持だったようです。

「日本じゃ、ムンジェンはパルゲンイ(赤野郎)扱いですか。慰安婦問題にいちばん毅然とした対応をしていますよ」

(おっと、この話題はやばい)

「犬鍋さん、政治の話はこれくらいにしましょう」

と駐在員が制止してくれました。韓国語はわからないけれど、雰囲気で察知したようです。そこで話を転換し、映画だとか、食べ物だとか、無害な話に戻りました。

 韓国のポピュリズムの一端を垣間見た気がしました。

 日韓では、このところ「釜山慰安婦像」問題で外交戦になっています。運動団体(挺対協)と大衆は意気軒昂だけれども、韓国のマスコミもさすがに「やりすぎ」という論調が出ているのは望ましいことです。

東亜日報【社説】(1月10日、リンク(原文韓国語))
日、安倍の慰安婦暴走、黄代行はリーダーシップ発揮せよ
 外交会談が妥結したとき、日本大使館前の少女像について「関連団体との協議を経て、適切に解決されるように努力する」と述べた韓国政府は、その後いかなる努力をしたのか省みる必要がある。ウイーン協約の第22条は、「相手国公館の安寧と品位を守る責務」を規定しており、大使館、総領事館前の少女像設置には議論の余地があるのも事実だ。さらに北朝鮮の核への対応、中国の圧力に対抗するため、日本との協力をいくら強化しても足りないくらいなのに、国家の生存がかかる外交や安保の懸案については、一貫して戦略的利益を最大にする政策がこれまで以上に重要だ。
(中略)
関連団体に会って説得したり、日本に特使を派遣するなどして、わが国の立場を積極的に説明しなければならない。

中央日報【社説】(1月12日、リンク
釜山少女像をめぐる対立、韓国中央政府が乗り出す時(前略)
 朴槿恵政府が「日本大使館前の少女像に対して韓国政府が関連団体との協議を経て適切に解決されるように努力する」ことで合意したなら、今はこれに関する趣旨を尊重するのが正しい。特に釜山の日本総領事館の前に少女像を据え付けるのは、外国公館の威厳の侵害防止を定めた「ウイーン協約」に反するものという日本側の主張に一理あるのが事実だ。
(中略)
 事態を解決するためには、韓国の中央政府が乗り出さなければならない。そもそも少女像設置の許可のように論争につながりやすい難題を区庁長、それも選挙を意識せざるを得ない民選区庁長にまる投げしたことからして、安易極まりないことだった。今になっても玉虫色の声明だけを発表するのではなく、外交部を中心に黄教案代行体制が積極的に介入しなければならない。
  市民団体も冷静に判断する必要がある。禍根を残した歴史を永遠に記憶するために少女像を設置するという意味を分からない人はいない。だが、韓日関係を麻痺させながら日本総領事館の前に設置する必要があるかは、また別の問題だ。

朝鮮日報【社説】(1月16日、リンク
韓国外交、「親日」「売国」批判だけでうまくやれるのか
(前略)
 外交関係ではより大きくかつ重要な国益を守るため、時に自分たちにとって気に入らない選択をせねばならないこともある。ところがそのような大局的判断が行われるたびに「親日」だとか「売国」などと感情的で単純な批判を続けてばかりいると国は前に進めない。また慰安婦少女像はどこにでも建てることはできるが、日本の公館前に設置することだけは考えなければならない。海外にあるわれわれの公館は絶対に同じような仕打ちを受けないとなぜ断言できるのか。


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