海鳴記

歴史一般

続「生麦事件」(36) 海江田信義書簡(1)

2008-11-13 10:40:05 | 歴史
 では、先ず、西ヶ谷氏が所有している佐野常民宛海江田信義書簡を掲載する。
 (解読も西ヶ谷氏)

 謹啓。愈御安康之段為国家之奉賀候。
(いよいよご安康国家のため賀し奉りそうろう)
偖テ御依頼申上候本会之要旨ハ其節御送申上候
(さてご依頼申し上げそうろう本会の要旨はその節お送り申し上げそうろう)主意書ニ有之候通
(主意書にこれありそうろう通り)
一ハ国民全般之躰育ヲ図リ
(一つは国民全般の体育を図り)
一ハ国防上之強国ヲ計ランカ為メニ有之候。
(一つは国防上の強国を計らんがためにこれありそうろう)
因テ熟々本邦目下之状況ト宇内各国之形勢トヲ察スルニ
(よってつらつら本邦目下の状況と宇内各国の形勢とを察するに)
本会之拡張ハ実ニ必要中之必要ニシテ急務中之急務ト奉存候間
(本会の拡張は実に必要中の必要にして急務中の急務と存じ奉りそうろう間)何卒本会之主旨ニ御洞察セラレ賛助会員ニ御加入被成下度
(何卒本会の主旨にご洞察せられ賛助会員にご加入成し下されたく)
此段懇願仕候。敬具。
(この段懇願つかまつりそうろう)

追啓。右ニ付本会幹事長日高藤吉郎参上可仕筈ニ候間
 (右につき本会幹事長日高吉郎参上つかまつるべくはずにそうろう間)
仝人ヨリ詳細御聴取被下度此段申添■■■
(どう人より詳細お聴き取り下されたくこの段申し添え■■■)
九月九日
    日本躰育会副会長
    子爵海江田信義

子爵佐野常民殿