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横揺れのグルーヴ・キラー

2006-01-06 | music : special


The Black Crowesに代表されるように、私は横揺れのグルーヴにめっぽう弱い。
そんな私を、正にグルーヴ・キラーと言いたくなるほど酔わせてくれているThe Redwalls。
聴けば聴くほど、そして聴く度にどんどん好きになっていて、私の弱いところをどっぷり刺激している奴らである。
少し前まで、去年リリースされた 『de nova』 が1stアルバムと思っていたが、彼らのオフィシャル・サイトで、2003年に既にインディ・レーベルより一枚アルバムを出していることを知った。
『de nova』 で彼らに完全にハマった私は、その正真正銘のデビュー・アルバム 『Universal Blues』 を入手した。
現在平均年齢21歳の彼ら。このアルバムがリリースされた頃は、いちばん年上のLogan Baren(Vo./G)は20歳、弟のJustin Baren(B/Vo.)とAndrew Langer(G/Vo.)に至っては18歳だ。
その若さで、この音はいったい・・・。本当にこいつらはただ者ではない!ということを、改めて実感している。
この60年~70年代のテイストは、とても10代の若者が作り出しているとは、信じがたいほどのセンスである。
いくらThe Rolling StonesやThe Beatles、Bob Dylan、Otis Reddingなどにどっぷり浸かって、そこから音楽を学んできたとは言え、このセンスはやはり並大抵ではない。
まるで、60年~70年代の音楽が、彼らに催眠術をかけて乗り移ったかのようだ。
『de nova』 と同じく、バラードやミディアム・テンポのグルーヴィな曲で占められていて、インディ時代によくある荒削りなところがさほどない。
そして、Loganの感情豊かなVo.と、インテリジェンスな歌詞の世界は、彼らのバイオを知らなければとても20歳そこそこの若者たちが作ったアルバムとは思えないだろう。
M-1 「Colorful Revolution」 では、タランティーノの映画のサントラで注目を浴びたStealers Wheelの 「Stuck In The Middle」 を思わせ、リズム・パターンはBeatlesの 「Ob-La-Di, Ob-La-Da」 からの影響が伺える。
時事的問題や政治的なことを歌詞にしているところなどには、Dylan的テイストも垣間見られる。
そんな感じで全曲がいろいろなテイストを含んでいて、ひょっとしたら 「昔のアルバムだよ」 と言うと信じきる人が殆んどかも知れない。
しかしそんなレトロなクラシック・ロックっぽい音が、逆に新しくも思えるのが彼らの魅力だろう。
『de nova』 に収録されている 「It's Alright」 「How To Story Goes」 が、このアルバムに既に収録されていて、アレンジや演奏はやはりまだこっちの方が薄くてスカスカした感じだが、これはこれでまたなかなかいい。
オルガンをふんだんに使ったM-7 「What A Shame」 なんかは、フラワー・チルドレン世代の音楽を思い起こさせる。
ZZ Topのカヴァー 「Balinese」 は、特に渋すぎるくらい渋い。Vo.にエフェクターを使い、ブルージィにロックしている。
M-2 「You'll Never Know」 やM-8 「Home」 やラスト曲のアルバム・タイトル曲 「Universal Blues」 は、最もRedwallsらしい曲である。
『de nova』 収録曲の最高傑作 「Thank You」 に通じるものがあり、ゆったりとした横揺れのグルーヴが気持ち良く、体の芯まで刺激される。
アコースティックな切ないメロディ。そして自然と体が揺れるグルーヴが、最高に気持ちいい。
『de nova』 と比べると、Beatlesスタイルのロック・ナンバーが多く、ちょっと後期のBeatlesっぽさが強い気がしないでもない。あまりにも好きすぎて、どうしても音に出てしまったという感じだろうか、少しオリジナリティに欠ける感がなくもない。
そういうところが、まだインディーズ止まりであった理由だろう。でも、インディーズにしては貫禄がありすぎるくらいの出来だし、全曲心地良い曲ばかりだ。
そして今、堂々とメジャーで 『de nova』 を発表し、The Redwallsらしい音を、自信を持って届けている。
恐るべし若者たち。その音楽性は、計り知れないほどの味わい深さに満ちている。
早くも次の作品が楽しみでならなし、ライヴが見たくてたまらない!

★ 『de nova』 のトピはこちら


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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
The Redwalls (zuma)
2006-01-06 21:43:15
『de nova』は本当に堂々とした音ですよね。本当にグルーヴが気持ち良いって感じです。

デビュー盤のインディーズっぽいところも愛せるってすごくよく分かります。そのアーティストの過程を垣間見れるような気がします。

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うれしいなぁ~ (bloom)
2006-01-07 01:57:16
zumaさんを始め、ここを通じて彼らのことを知ってもらい、音楽を気に入ってくれた方がいて、うれしいっす!

私、かなりプッシュしてますもんね(笑)

でも本当に気持ちいいです♪

インディーズ時代の音を聴いて、彼らの“今”があるんだなぁって実感しました。
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ご無沙汰しております。 (コージ(The Rambling Shoes))
2006-01-10 19:58:23
bloomさん、覚えていらっしゃいますか(苦笑)?

ご挨拶大変遅くなりました。

今年も記事拝見させていただきたいと思います。





昨年は、Stonesといい勝負!?くらいRedwalls聴きました。9月に買ったときはここまで聴き倒す!?とは思いもしなかったのですが…(苦笑)。

間違いなく!?bloomさんの影響かと…(笑)。





よろしくお願いします。
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覚えていますとも! (bloom)
2006-01-11 01:01:48
コージさん、お久しぶりです。

こちらこそ、今年もよろしくお願いします!

そうですか…そんなにRedwallsを聴いたんですね。

嬉しいです! 今年もじゃんじゃん聴いてやって下さい。

(決して彼らの回し者ではありません…笑)

でも、ホントに何度聴いても飽きないですよね~。

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