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2010年オーストリア・アルプスの旅 7

2012-05-04 | travelog

★2010年2月28日 : ザルツブルク

カピテル広場 [Kapitelplatz] から見上げた、ホーエンザルツブルク城 [Festung Hohensalzburg] へと向かう。


広場の端に、城まで行くケーブルカー乗り場の案内標識が見えた。しかし、この 「コンサート」 という日本語の目立つこと! 上に書いてある 「FESTUNGSKONZERTE」 はドイツ語で “要塞コンサート” という意味。ここで言う要塞はホーエンザルツブルク城のことで、お城でコンサートが開かれているのでその案内というわけだ。その角を曲がると、建物の隙間からケーブルカーの線路が見えた。
 

この路地に、ミヒャエル・ハイドンの住居がある。ミヒャエル・ハイドンは俗に言うハイドン(フランツ・ヨーゼフ・ハイドン)の弟で、同じく古典派の作曲家。ここザルツブルクで最期を迎えた。
 

ケーブルカーの駅FESTUNGSBAHN 

城へは歩いても行けるが、道はかなり急な坂道なので、行きはケーブルカーを使うことをおすすめ。ザルツブルクカードで一往復無料で乗れる。
いちばん後ろに乗ると、だんだん遠ざかって行く街の風景が楽しめる。 
真ん中で線路が二手に分かれていて、下りのケーブルカーとすれ違うようになっている。先に見えるのが、すれ違ったケーブルカー。
  かなり上まで来た。

ケーブルカーを降りてすぐのところから、街を見下ろす。
 
ケーブルカーの線路もかなり下に見える。 
そして、目の前には白い要塞がそびえ立つ。  
反対側からは美しいオーストリア・アルプスが望むことができる。
 
山麓に広がる街が美しい。 


★タイトル写真は、ホーエンザルツブルク城からのザルツブルクの街。

2010年オーストリア・アルプスの旅 6

2012-04-10 | travelog

何かと慌ただしい日々が続いて、久々の更新。オーストリア・アルプスの旅の続きから・・・。

★2010年2月28日 : ザルツブルク

旧市街に入り、アルター・マルクト [Alter Markt] へ。アルター・マルクトとは旧市場という意味で、ドイツ語圏の国の大抵の街に、この名前の広場がある。
 広場の真ん中にあるピラミッドのようなのは、噴水を覆っているもので、噴水の凍結を防ぐためのもの。他にも街のあちこちの噴水が、このように防護されていた。

このアルター・マルクトに、ザルツブルクに着いた日の夜に入ったCafe Tomaselli(トマゼリ)がある。
  

この辺りは広場が多く、アルター・マルクトのすぐ近くには、レジデンツ広場 [Residenzplatz] がある。ここは周囲を大司教の宮殿であるレジデンツ [Residenz]、大聖堂 [Dom] 、ザルツブルク博物館になっている新レジデンツ [Neuen Residenz] 、聖ミカエル教会 [Michaelskirche] に囲まれている。
 ザルツブルク大聖堂   聖ミカエル教会 
 このレジデンツ広場にある噴水、レジデンツの噴水 [Residenzbrunnen] は見どころのひとつなのだが、このとおり、ここも防護用の板で覆われてしまっていた。
 大聖堂とレジデンツの噴水の一部
 大聖堂とレジデンツとレジデンツの噴水

レジデンツ広場とほぼくっつくように、モーツァルト広場 [Mozartplatz] がある。その名のとおり、この広場の真ん中には、モーツァルトの像が立っている。レジデンツ広場に面している新レジデンツと聖ミカエル教会も、このモーツァルト広場に面していて、ほかにカフェやレストランがあり、ツーリスト・イフォメーションもある。
 モーツァルト広場
 モーツァルト像

モーツァルト像に向かって右側には新レジデンツ(ザルツブルク博物館)、左側の建物にはツーリスト・インフォメーションが入っている。
 
モーツァルト広場は、ユネスコ世界遺産に登録されている。 
 聖ミカエル教会。左側がレジデンツ広場側、右側がモーツァルト広場側で、その下にはザッハトルテで有名なデーメル [Demel] のカフェがある。モーツァルト広場からレジデンツ広場を見ると、左側にレジデンツの噴水と大聖堂が見える。


レジデンツ広場に戻り、大聖堂の裏を回って大聖堂の南側に出ると、巨大なカピテル広場 [Kapitelplatz] に出る。
 左側の道からカピテル広場に行ける。  大聖堂の南側

 カピテル広場にある人が乗った大きな金色の球体は、ザルツブルク財団によるアート・プロジェクト。奥に見えるのは、ザンクト・ペーター教会 [Stift St. Peter] の鐘楼。

 そしてこの広場から、ザルツブルクのシンボルとも言えるホーエンザルツブルク城 [Festung Hohensalzburg] が見える。次はいよいよこの城を目指す。


★タイトル写真は、レジデンツ広場とレジデンツの噴水と新レジデンツ。

2010年オーストリア・アルプスの旅 5

2012-02-17 | travelog

★2010年2月28日 : ザルツブルク

ミラベル庭園を出て、再び新市街を散策。
三位一体教会 [Dreifaltigkeitskirche] は、このふたつの鐘楼とドームが名前の由来なのか、名前が先なのか・・・。
 
 やがて、朝の鐘の音が響いてきた。

三位一体教会を通り過ぎると、少し道が狭くなり、ドライファルティクカイツガッセ [Dreifaltigkeitsgasse] に繋がる。
その通りの入口にある建物の角に立つ彫像。  通りの看板は華やか。 

ドライファルティクカイツガッセを一旦戻り、マカルトプラッツ [Makartplatz] 沿いにあるピンクの建物へ。ここにはオーストリアの国旗が掲げられている。オーストリアでは、名所旧跡には国旗が掲げられている。


実はここ、モーツァルトが1773年から1780年まで住んでいた住居 [Mozart-Wohnhaus]。モーツァルトの姉ナンネルは結婚するまで、父レオポルトは死去するまでここに住んでいた。
           

モーツァルトの住居から少し行くと、ザルツァハ川 [Salzach] 沿いのエリーザベトカイ [Elisabethkai](kaiとはドイツ語で岸壁という意味)に出る。
 ザルツァハ川

そして、マカルト橋 [Makartsteg] を渡って旧市街へと向かった。
橋の上から見る旧市街とホーエンザルツブルク城 [Festung Hohensalzburg]  


★タイトル写真は、マカルト橋からの風景。

2010年オーストリア・アルプスの旅 4

2012-01-25 | travelog

★2010年2月28日 : ザルツブルク

ザルツブルクは、他のオーストリアの街とは違って、大司教座が置かれたことで権力と富とで繁栄を極めた街。
その大司教が、愛人と子供たちのために建てたのが、新市街にあるミラベル宮殿 [Schloss Mirabel] 。この宮殿名は、後に後継者の大司教が改名して付けたもので、ミラベルとは “美しい眺め” を意味する。
宮殿は、現在市役所や図書館として使用されていて、市長公邸でもあり、マルモアザール [Marmorsaal] と呼ばれる大理石の間のみ見学ができる。
そこはモーツァルト親子も演奏したことのある大広間で、今はコンサートや結婚式に使われている。日本からでも、ここで挙げる海外結婚式の申込ができる代理店があるそうな・・・。
2階にあるホールに続く階段は、“天国の階段” と呼ばれている。マルモアザールの見学時間は限られていて、私は時間が合わず。

聖アンドラ教会 [Andräkirche] 側からライナー通り [Rainerstraße] を挟んで見るミラベル宮殿。
  ここから中に入ってみる。
中庭に出てくぐり抜けた建物を振り返ると、こんな感じ。

中庭から更に建物を抜けると、ミラベル庭園 [Mirabellgarten] に出る。
 
まだ真冬の2月だったので、木々の葉は落ちて枝だけの庭園は芝生の緑色だけだったが、花の咲く季節に来るともっと華やかで美しいのだろう。

 ミラベル庭園に出て真っ先に目に入るのが、ペガサスの泉 [Pegasusbrunnen]

この場所は、映画 『サウンド・オブ・ミュージック』 に登場する。 「ドレミの歌」 を歌いながらザルツブルクの街を歩き、そのフィナーレとなったのがここミラベル庭園。
  マリア先生と子供たちが歌いながらペガサスの泉の周りを歩き、
 階段を鍵盤に見立てて、楽しそうに上がったり下がったりしたのがここ。 

               庭園からは、旧市街の丘の上にそびえるホーエンザルツブルク城 [Festung Hohensalzburg] が見える。
           
手間に見えるのは、三位一体教会 [Dreifaltigkeitskirche]  

 ミラベル庭園の一角には、バロック・ミュージアム [Salzburger Barockmuseum] があり、バロック絵画や装飾の制作の過程を示すように、スケッチや下絵、彫刻の習作・模型などが展示されている。


★タイトル写真は、ミラベル庭園のペガサスの泉。

2010年オーストリア・アルプスの旅 3

2012-01-15 | travelog

★2010年2月28日 : ザルツブルク

前日は夜の街しか見てないので、この日から本格的に行動開始。まずは、ホテルの1階にあるダイニングルームで朝食。コンチネンタルスタイルなのだが、結構豪華でよりどりみどりだった。
           
 可愛いダイニングルーム
奥の丸いのが、ドイツやオーストリアの最もポピュラーなカイザーゼンメル  

朝食後、ホテルのフロントでザルツブルク・カードを購入。ザルツブルク・カードは、市内名所の入場料が全て無料、公共の交通機関が乗り放題などの特典があり、いちいちチケットを買ったりする手間が省けるし、私のようにあちこち行動する者にとっては、トラムやバスに乗り放題というのは魅力のカード。
カードの使い始めがは時間単位で、自分でカードの裏面に名前と日付・時間を記入する。24時間・48時間・72時間の3種類があり、24時間のカードを購入した。
 ザルツブルク・カードはオフ・シーズンとハイ・シーズンとでは3ユーロの差があり、オフ・シーズンのこの時は24時間用22ユーロ。

 まずは、ホテルのある新市街から散策。最初に向かったのは、ロレート教会 [Loretokirche] 。でも中には入らず外観のみ。外観はとてもシンプルだけど、モーツァルトの交響曲第35番の標題になっている “ハフナー” で知られるハフナー家の教会で、モーツァルト一家も礼拝に通ったとされる教会。ちなみに、ハフナーとはザルツブルクの大富豪の名前。
モーツァルトの管弦楽用のセレナード第7番ニ長調は、“ハフナー・セレナード” とも呼ばれていて、ハフナー家の結婚式の前夜祭のためにモーツァルトが作曲を依頼された曲で、このロレート教会の庭で初演された。
 その庭がある辺りの教会の脇の道を行くと、 このような建物の下をくぐり抜けるようになった道が見えてくる。
通り抜けると左側にザンクト・セバスティアン教会 [Sebastianskirche] があり、リンツァー・ガッセ[Linzer Gasse] に出る。
 
通りに面した扉とその装飾  
教会名が刻まれたプレートと壁面の彫刻  

教会の中へは、横の扉から入る。日曜午前のミサ中だったので、そっと覗いてすぐ去る。

ここの見どころは、教会内よりも教会裏にある墓地。そこにはモーツァルトの父レオポルトと、妻コンスタンツェが眠っている。
 墓地はコの字型の回廊に囲まれている。壁側にあるのは全部お墓。
墓地はこんな感じ。  

 そしてこれが、モーツァルトの父レオポルトと、妻コンスタンツェのお墓。

ザンクト・セバスティアン教会をあとにして、来た道を少し戻ってミラベル宮殿 [Schloss Mirabell] に向かう途中、新市街のメインストリート、ライナー通り [Rainerstraße] を挟んでミラベル宮殿の向い側にある聖アンドラ教会 [Andräkirche] に寄ってみた。しかし、ここもミサ真っ最中だったので中には入らず。
  二本の塔が特徴の教会の回りは、広い駐車場になってる。

 ライナー通りを走るトローリーバス。なんかweezer(ウィーザー)のロゴに似たペイントが!


★タイトル写真は、ザンクト・セバスティアン教会墓地の回廊。

2010年オーストリア・アルプスの旅 2

2012-01-10 | travelog

★2010年2月27日 : ザルツブルク

まだ19時を過ぎたばかりだというのに、旧市街のお店はごく一部のレストランやカフェ以外は既に閉店。比較的人は多く歩いていたが、皆ショーウィンドウのディスプレイを楽しみながら散歩している様子だ。私も、初めての街の地理を確認しながら散策。

モーツァルトクーゲルン [Mozartkugeln] と言えば、モーツァルトの絵が入った赤い紙に包まれた丸いチョコ菓子が一般的だが、実はそれらは皆模倣品で、本家本元がこちらフュルスト [Furst] のモーツァルトクーゲルン。
 
                      ↓↓こちらが模倣品↓↓
       
モーツァルトだけでなく、ドップラー効果を見出したクリスチャン・ドップラーやバッハのクーゲルンもあった。 
 
 
機内食であまりお腹は空いていなかったが、それでも何か食べようと思って出て来たのだが、開いていたのはマクドナルドくらいで、着いた初日にマックはないだろと避け、ザルツブルグで一番古いカフェCafé Tomaselli(トマゼリ)に入ってケーキを食べた。


老舗ならではの雰囲気の店内。  

ほどよい甘さのチョコレートケーキに満足したあとは、再び夜の旧市街を散歩した。

 カラヤン広場 [Karajan Platz]、奥の崖の下が馬洗い池 [Pferdeschwemme]
 コレーギエン教会 [Kollegienkirche] 
 夜の旧市街から見上げる、崖の上のホーエンザルツブルク城 [Festung Hohensalzburg]

ザルツブルクの旧市街には、通り(ガッセ)と通りの間の建物にパッサージュがたくさんあり、通り抜けることができる。
 

パッサージュのショーウィンドウには、この地ならではのチロルの民族衣装がディスプレイされていた。
  

 ゴールドガッセ [Goldgasse] の入口
 ゴールドガッセにあるお店の看板

このゴールドガッセには、クリスマス・イン・ザルツブルク [Christmas in Salzburg] というお店があり、一年中クリスマスのオーナメントを中心に扱っている。
 

この卵の形をしたものもオーナメントで、本物の卵の殻に装飾したもの。  

全て木製のものだけを扱うお店のディスプレイ。チェスなどのゲーム類と、お部屋のミニチュア。
  

モーツァルトの生家と、その近くにあったCafé Mozart。  


★タイトル写真は、モーツァルトクーゲルンの老舗店Furstのウィンドウ・ディスプレイ。

2010年オーストリア・アルプスの旅 1

2012-01-06 | travelog

★2010年2月27日 : 成田~ウィーン~ザルツブルク

ハプスブルク家の歴史に関する本を読んでいる内に、神聖ローマ皇帝のマクシミリアン1世のことをもっと知りたくなり、2010年の春の旅行先は、マクシミリアンが築いた都、インスブルックに行くことにした。
それと合わせて訪れたのが、モーツァルトの生まれ故郷で映画 『サウンド・オブ・ミュージック』 の舞台ザルツブルク。

 今回初めてオーストリア航空を利用。機内のシートはもちろん、CAのコスチュームはストッキングや靴まで全身真っ赤だった。感激したのが、食事の時にCAさんがバスケットに入ったパンを持って回ってくるのだが、種類がいろいろあったのと温めてあったこと。

 成田からウィーンに到着。ウィーン空港を利用するのは二度目。前に利用して気に入っていたCafé Melange(メランジェ)で、トランジットタイムを過ごす。ウィーンに来たらやっぱりこれ、店名にもなっているメランジェ(カプチーノのようなもの)。

40分ほどゆっくりして、ザルツ行きの便の搭乗口へ。 

 飛行機まではバスで移動。なんとこのバスは後ろ側にドアが開き、このままスルッと乗車。

機体には、“operated by Tyrolean” の文字が。Austrian Arrowsは、オーストリア航空グループのチロリアン航空によって運航がされている。
 

          30分ほどの短い飛行で低空飛行なので、上空からはほんのり雪化粧された山々が見渡せた。
           

周りを雄大なオーストリア・アルプスの山々に囲まれた、ザルツブルク空港に到着。  
 
空港からは、2番のバスで市街地に向かい、ホテルにチェック・イン。 

もうすっかり夜になっていたが、いつもの如く私は時差ボケに無縁なので、街へと繰り出した。
 三位一体教会 [Dreifaltigkeitskirche] 
 シュタインガッセ [Steingasse] の入口
 ユーデンガッセ [Judengasse] で見つけたお店の看板


★タイトル写真は、ザルツブルク空港 [Flughafen Salzburg]。別名ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト空港。

列車で周る英国の旅 Day11(last day)

2010-03-16 | travelog


【絶対君主ヘンリー8世の軌跡を辿る】 07/12/09 : ハンプトン・コート~帰国

ついに帰国の日。フライトは19時発だったので、空港に行くまでの時間を有意義に過ごした。それが目的で、13時発のヴァージン・アトランティック航空ではなくANAにしたのだった。最終日は友人の提案もあって、ロンドンから短時間で行けるハンプトン・コート宮殿に行くことにした。
ハンプトン・コート宮殿は英国王ヘンリー8世が使用していて、2009年はヘンリー8世の即位500周年を記念したイベントなども行なわれていた。
丁度、ケーブルTVで放送中の 『THE TUDORS~背徳の王冠~』 を見ているということもあって、ヘンリー8世に関係することに興味があった。
8日間のブリット・レイル・パスは前日で終了だったので、きっぷは前日事前に買っておいた。この日もLondon Waterloo(ロンドン・ウォータールー)駅からSouth West Trains(サウス・ウエスト・トレインズ)で出発。最後の列車の旅だ。
 途中、かのWimbledon(ウィンブルドン)を通過し、約30分ほどで到着したHampton Court駅は、ひっそりとした小さな駅だった。
             
                          
駅を出るとすぐにテムズ河があり、向こう側にハンプトン・コート宮殿が見えて、橋を渡ってすぐのところに正面入口があった。昔はテムズ河を上って船で行き来することもあったそうだが、今でも夏のシーズンには船で行くことができるようだ。

門をくぐると左手にインフォメーションがあり、そこで入場チケットを購入。入ったところはこんな感じ。 
右手にスケートリンクと  即位500周年イベントの看板があり、  ずんずん進むとほどなく正面ゲートのアン・ブーリン門に辿り着いた。
   振り返るとこんな感じ。 

無料貸し出ししているオーディオ・ガイド(日本語あり)を借りに行き、見学スタート。まず最初に行ったのは、テューダー・キッチン。
 Fish Court(フィッシュ・コート)という細長い中庭は、日当たりが悪いことを活かした食料貯蔵室が並ぶスペース。そこを抜けると、大食漢だったヘンリー8世の頃のままをの台所が、それぞれの調理目的別に分かれて忠実に再現されていた。
          
 容器として使ったパイは600人分   炭火調理器
肉用のグレイト・キッチンと実演    

テューダー・キッチンを出たあと行ったチャペルの中庭Chapel Court(チャペル・コート)の、王や王妃を例えたカラフルな動物が花壇の杭の上に付いているのが、とても興味をそそられて面白かった。
 リチャード1世のライオン   アン・ブーリンの雌豹   ジェーン・シーモアの豹

そのあと、ハンプトン・コート宮殿のハイライトとも言える、ヘンリー8世のステート・アパートメンツに足を踏み入れた。まず最初に入るのは、ステンドグラスが特徴のグレイト・ホール。    ここは、いわゆる大広間・大食堂。いろんな宮殿や城にこのグレイト・ホールというのがあるが、ここは他と違い、実際に椅子に座ってテーブルに向かうことも出来た。ステンドグラスには、ヘンリー8世と6人の妻の名前と家系も記されている。
               ヘンリー8世像とアン・ブーリンの名が記されている部分 
グレイト・ホールの隣りの部屋は、謁見の大広間。見事なタペストリーが飾られ、ステンドグラスにはウルジー枢機卿の姿が・・・。
  この辺り、ウルジー枢機卿についてはドラマを見ているので、なかなか興味深かった。続いて、5番目の妻キャサリン・ハワードの幽霊が出て、廊下で悲鳴が聞こえるといわれるホーンテッド・ギャラリーへ。ここには、ヘンリー自身を筆頭に肖像画が飾られていて、家族の肖像画もあった。結構明るかったということもあり、幽霊が出るという不気味さはなかったが・・・。
ホーンテッド・ギャラリー    家族の肖像画 

ハンプトン・コート宮殿では、中世の衣装に身を包んだ人たちによる無料のコスチューム・ガイド・ツアーがあり、そろそろその時間が近付いてきたので、集合場所のクロック・コート(中庭)に向かった。
このふたりがガイド。  15人くらい集まり、男性ガイドはチューダー・キッチン、女性ガイドはグレイト・ホールと二手に分かれ、私は女性ガイドに付いて行った。歩いている途中、みんなにどこから来たのか質問した彼女は、私に “ハジメマシテ。ヨウコソ。ゴキゲンイカガデスカ?” と言ったので、彼女の発音を褒めると、“本当?でもそれだけしか知らないの” と言っていた。他にはドイツやカナダやオーストラリアからの人たちが居て、今日はいつもよりもワールドワイドだわーと言っていた。建物の入口で皆でお揃いのローブを羽織って中に入り、  グレイト・ホールに行って説明を聞き、隣りの謁見室に入ったら姉だという人が来てそこから寸劇が始まった。
妹は姉の侍女とのこと    ヘンリー8世登場! 
王は姉がお気に入り    逆らう妹を叱責する王  
なんだかヘンリー王が本物に見えてくるほど、板に付いてたお芝居だった。その場にいた人たちや課外授業の子供たちも交え、  場はかなり盛り上り、終わった時には大拍手が沸いた。お芝居が終わったところでコスチューム・ガイド・ツアーは終了。私はその後、噴水のある中庭ファウンテン・コートに出て(タイトル写真)、クィーンズ・ステート・アーパートメンツとジョージアン・ルームズを見学。今はもう王室関係者は滞在しないので、写真も自由に撮ることができた。
クィーンズ・ステート・アーパートメンツには、バロック建築を英国に取り入れたクリストファー・レンがデザインしたメアリー女王の寝室があり、  絵画で飾られたクィーンズ・ギャラリーは圧巻だった。 
ジョージアン・ルームズは、当時のキャロライン王妃が使用した寝室などのプライベート部屋が見どころだった。
 寝室    浴室    ダイニングルーム 

ひととおり宮殿内を見学したあと、庭に出たがお天気が崩れてきて風が強く、雨も少し降ってきたので、あまり奥の方まで行かなかった。なので、ここの名物であるMaze(メイズ:迷路)も見に行かず。
   英国式庭園のThe Pond Garden 

とは言え、かなり広い敷地の庭園、いい運動になった。朝から何も食べていなかったので、空港に行く前にここで何か食べておこうと思い、テューダー・キッチンの横にあるセルフ・サービスの 「Privy Kitchen Cafe」 に入った。本日のシチューのビーフシチューにしたのだが、お肉はとろけるくらいに柔らかく、とても美味しくて量も多く、おなかいっぱいになった。
              本日のシチューとくるみパン

列車の時間までまだ少しあったので、再び建物の中を散策していると、ヘンリー王に遭遇。なんだか本当に王様に遭遇した気分になり、思わず大きくお辞儀をした。写真を撮らせてもらったのだが、彼はいつ何時もヘンリー8世を貫き通していた。 


もう一度庭に出て、世界最古ということでギネスブックに載っているというぶどう畑The Great Vine(グレイト・ヴァイン)を見に行ったのだが、収穫の季節は過ぎているので枯れ枝だけだった。
当初4時間の予定だったのだが、意外や意外、なかなか面白くて興味深いものが多く、予定よりも1時間長く居た。
ロンドンに戻った後は当然もうどこにも行く時間はなく、Waterloo駅に預けたスーツケースをピック・アップしてヒースロー空港に向かった。
ANAは出発前にWebチェックインができるので、既にチェックインは済ませていたが、荷物を預けに行くと、“本日、エコノミー・クラスが非常に混み合っておりまして・・・” と・・・。げっ!?嫌な予感?オーバーブッキングか?などと一瞬の間にいろんなことを考えてしまったが、その後に続いた言葉は、“同じ窓側のお席でビジネス・クラスのお席をご用意しました” だった。うっほほ~い!ラッキー! 快適すぎるほどの快適なフライトと、美味しい食事を満喫して帰国した。

これが、その豪華なビジネス・クラスのお食事♪
 ウェルカム・スナック    前菜と小鉢   
 メインディッシュ    デザート


もう帰ってきてから3ヶ月も経ってしまい、おまけにこの旅行記を終える寸前のところで次の旅にも出かけてしまったが、振り返ってみると行くとこ行くとこに青空を連れて行き、列車は1本だけ10分遅れただけであとは全てオンタイム、帰りの飛行機はグレード・アップと、何だか全てを味方にした旅だった気がする。
次にまたUKに行くのは5年後かな・・・。   

列車で周る英国の旅 Day10 ②

2010-02-23 | travelog


【伝統ある小さな街の盛大なクリスマス・マーケット】 06/12/09 : ウィンチェスター~ロンドン

London Waterloo(ロンドン・ウォータールー)駅からSouth West Trains(サウス・ウエスト・トレインズ)で、今も英国で人気があって英雄とされているアルフレッド大王を生んだ中世の趣きを残す街、ウィンチェスターへと向かった。
 この日もオンタイム!    オレンジが基調
1時間10分ほどで、ウィンチェスターに到着。駅はシンプルでひっそりとしていて、中心部から少し離れているため、駅前もタクシーがポツンと1台停まっているだけで、お店も何もなかった。

街の中心部City Centreに向かう道も、車は通れど人通りなし。10分ほど歩くと、キャッスル・ヒルと呼ばれる石造りの美しい建物が見えてきた。この奥には、ウィンチェスター城の一部として建てられたグレイト・ホールがあり、そこにはアーサー王の伝説に登場する円卓が飾られている。グレイト・ホールに入ると、中には何人かの見学者がいた。
 キャッスル・アヴェニューとキャッスル・ヒル、突き当たりがグレイト・ホール
       グレイト・ホールのアーサー王の円卓 
更に中心部に向かってメイン・ストリートであるHigh St.(ハイ・ストリート)を歩いて行くと、途中から歩行者専用になる手前の交差点で信号待ちをしている時に見えた通りの向こうの様子にビックリ。それは、突然降って湧いたような人だかりで、ここまでの閑散さが嘘のようだった。 
 突然賑やかになったHigh St.を進んで行くと、 クリスマス・ツリーの前での合唱のパフォーマンスをしていて、ツリーを囲むように人だかりができて大盛り上がりだった。
通り沿いには木組みの家もあり、木の色は茶色で統一   
本来ブルーのBootsのロゴまでもが茶色   

この街を代表するウィンチェスター大聖堂に向かうと、大聖堂の敷地内はクリスマス・イベントで大賑わいで、クリスマス・マーケットも開催中。ウィンチェスターに来たのは、大聖堂のクリスマス・マーケットが目的だったが、マーケットは日が暮れてから行くことにして、明るい内にいろんなところを観光。まずは大聖堂から。
 大聖堂の回りは公園になっている    入口は西側
長~い身廊とイングランド最古のクワイア 
聖歌隊席の横に、イギリス海軍の戦艦アイアン・デュークの鐘が保存されていて、『プライドと偏見』 の作者、ジェーン・オーティンはここに眠っている。   
     アイアン・デュークの鐘   ジェーン・オーティンの墓碑

ちょっとお腹が空いてきたので、大聖堂を出たあと、「West Cornwall Pasty Co.」(ウェスト・コーンウォール・パスティ・カンパニー)でホクホクのパスティを食べた。パスティというのは、コーンウォール発祥の具入りのペイストリーのこと。このお店はUKのあちこちにあって、どこも流行っていたので気になっていたのだ。
 意外な組み合わせだが、めちゃ旨だったターキーとクランベリーのパスティ 

パスティひとつが大きかったのでお腹いっぱいになり、外に出ると、High St.は更に人が増えていた。High St.を歩いていると、ギターの音が聞こえてきて、少年ふたりのパフォーマンスに大歓声が上がっていた。   歩行者専用の道が終わり、美しいギルドホールを通り過ぎると、威厳あるアルフレッド大王の像が、道の真ん中に立っていた。 
                
中世の時代に大司教が住んでいたウルヴジー城という宮殿址に行きたかたのだが、地図を見てもイマイチ道がわからなかったので、丁度後ろを歩いていた警官に尋ねると、地図に分かり易く道を書き込んで教えてくれた。
おまわりさん、ありがとう!    
教えてもらった道を行くと、教会の裏側に出た。クリスマス・マーケットは案の定大賑わいで、スケートリンクも混んでいた。 

大聖堂の敷地を抜けてウルヴジー城まで行く道は、趣きがあるDome Alley(ドーム・アレイ)や大司教St. Swithun(聖スウィザン)の名が付いたSt. Swithun St.(セント・スウィザン・ストリート)がステキで、途中には名門ウィンチェスター大学があった。
         Dome Alley   St. Swithun St. 
ウィンチェスター大学と壁に記された校章 
ウルヴジー城敷地内の現在の大司教の住居    
廃墟ウルヴジー城 

いい感じの暗さになってきたので、イルミネーションが映えて綺麗な賑わうマーケットへ(タイトル写真)。チョコレート屋さんのお兄さんに勧められたのは、私の大好きなフランボワーズ(ラズベリー)入りのホワイト・チョコ。帰国してから食べたのだが、チョコの甘さとフランボワーズの酸っぱさが絶妙にマッチしていて、ドライフルーツになったフランボワーズのサクサク感もあってとても美味しかった。

お店をひとつひとつ丁寧に見て回って、小物やキャンドルを買ったり、イート&ドリンク・エリアでホット・チョコレートで暖を取ったりして時間を過ごし、ロンドンに戻った。
ロンドン最後の夜は、綺麗なものからとてつもなく趣味の悪いものまでクリスマス・デコレーション巡り。途中、ハイド・パークのクリスマス・マーケットに立ち寄ったが、ウィンチェスターに比べるとショボかった。
 ハロッズ(老舗高級デパート)   マンダリン・オリエンタル・ハイド・パーク・ホテル
 ハイド・パークのX'masマーケット   South Molton St.(サウス・モルトン・ストリート) 
 Oxford St.(オックスフォード・ストリート)   ハウス・オブ・フレイザー(デパート)
 リバティ・オブ・ロンドン(老舗デパート) 
これが趣味の悪いCarnaby St.(カーナビー・ストリート)のデコレーション    
Carnaby St.から西に延びるBroadwick St.(ブロードウィック・ストリート)は、oasis(オアシス)の2ndアルバム 『 (What's the Story) Morning Glory?』 のジャケ写の通りなのだが、夜だったのであの雰囲気は味わえなかった。 

列車で周る英国の旅 Day10 ①

2010-02-19 | travelog


【世界一有名で世界中で愛されているあの探偵は、もしかして実在していた?】 06/12/09 : ロンドン

旅も残すところあと2日。もう少しの間、旅行記にお付き合いを・・・。
この日は午前中にBaker St.(ベイカー・ストリート)行った。TubeでBaker St.まで行く途中、St. Pancras(セント・パンクラス)の駅舎の写真を撮りたかったので途中下車したのだが、友人宅を出た時は気配もなかったのに、外に出たら有り得ないくらいのどしゃ降りだった。 
 St. Pancras駅は、映画 『ハリーポッター』 シリーズで、King's Cross(キングス・クロス)駅として使われている。地下からの出口のところからなんとかカメラに収めてから、Metropolitan Line(メトロポリタン・ライン)でBaker St.駅に移動。1863年に開通したMetropolitan Lineは、ホームの標識やベンチも年季もので、開通を記念したプレートも石壁に掛かっていた。


でもこの駅には他にもっと特別なホームがあるので、そのJubilee Line(ジュビリー・ライン)のホームに向かって歩いて行くと、途中から壁一面にその特別な人物が登場。そして、もうすぐ公開される映画の宣伝も怠っていない。
 壁をズーム・アップ⇒   その人の名は、世界一有名な名探偵 「シャーロック・ホームズ」!
Baker St.に来たのは、ここにあるシャーロック・ホームズ博物館に行くため。ホームズ好きの友達に頼まれていたグッズを買いに行くというのがそもそもの目的だったのだが、私自身ホームズにさほど詳しくないが興味あり。あと 「名探偵コナン」 が大好きなので、多少なりとも関係なくはないし・・・ということで。(苦笑)
Jubilee Lineのホーム(タイトル写真)は、端から端までホームズのシルエットと事件のエピソードを描いた絵で埋め尽くされていて、正にホームズ三昧。
 たくさんのホームズで描かれたシルエット     
地上に出ると、ホームズ像がお出迎え 

さっきのどしゃ降りから30分くらいしか経っていなかったが、もうすっかり雨も上がり、駅周辺にはたくさんの観光客が居た。“えっ!? この人たちみんなホームズ博物館に行くの?” と思いきや、ここにはもっと一般的な観光スポットで有名なマダム・タッソーのろう人形館があり、みんなそっちが目的の人たちだった。(私は興味なし)
作家アーサー・コナン・ドイルが生んだ架空の探偵シャーロック・ホームズは、ロンドンのBaker St. 221bにあるアパートで、相棒の医師ワトスン博士と共同生活をしているという設定。その 「Baker St. 221b」 の建物が博物館となっていて、部屋を公開しているのだ。
Baker St.に到着    ホームズ・カフェ? 
ホームズのアパートの隣りのレストランの窓辺には、コナン・ドイルの写真    
真ん中の青い○がある所が「Baker St. 221b」 
開館の午前10時までまだ10分ほどあったので、1階にあるショップで時間をつぶしたあと、小説の描写通りに忠実に保存された色々な部屋を見学。
まず階段を上ったところにあるのが、ベーカー街を見下ろすことができるあの書斎。壁にはいろんなパイプが掛けられていて、暖炉の前の机の上にはホームズのトレードマークの鹿打ち帽と虫眼鏡、ワトスン博士のシルクハットが置かれ、暖炉の脇の棚には実験用の試験管やフラスコが並べてあり、ホームズ愛用のヴァイオリンが置かれていた。帽子は自由に被ることができ、椅子に座ることもできるようになっていた。 
               
書斎の隣りにはホームズの寝室、3階の奥にはワトスン博士の寝室があり、ホームズの所持品や事件に関する物が展示されていた。更に4階は本や映画やテレビに関する資料の展示室になっていた。ホームズ宛に書かれた手紙とその返事も展示されていて、なかなか面白い博物館だった。
 本に隠された拳銃    小説本
ここまで来ると、もうホームズが小説上の人とはとても思えず、実際にここで寝起きして暮らしていた実在の人物としか思えない。下に行くと、書斎にワトスン博士(と名乗る人)がいた。どこから来たの?と聞かれ、“コンニチハ、ヨウコソ!” と挨拶。しかもこのワトスン博士、私のほかに居た人たちがそれぞれイタリア、ドイツ、カナダ、スペイン、オランダからの観光客だったのだが、なんとイタリア語、ドイツ語、英語、スペイン語、オランダ語(恐らく)でそれぞれに挨拶。一体何ヶ国語の挨拶ができるんだろう・・・。書斎の説明は英語でいいかな、と言って置かれているものを一通り説明してくれた。
   ワトスン博士     
 トイレ・マークもヴィクトリア調    入口に居たとっても気さくな警備員さん

ショップで目的のものとおみやげや自分用のものを買って外に出ると、空は真っ青! 今朝のどしゃ降りは一体何だったんだろう・・・。それなら、ということで、再びSt. Pancras駅へ。
今度は青空を背景に♪ 
St. Pancras駅をあとにして、TubeでWaterloo(ウォータールー)まで移動。この日は午後から列車の旅。  これはTubeの改札。日本の自動改札もこのくらい頑丈なら、強行突破も防げるのに・・・。
 Waterloo鉄道駅構内


★「Day10 ②」 につづく。