Tinted Windows(ティンテッド・ウィンドウズ)の後味悪いライヴ(レポはこちら)の4日後、“ACCOUSTIC ROCK TOUR” と題されたFountains of Wayne(ファウンテインズ・オブ・ウェイン、以下FOW)のアコースティック・ライヴがあった。Tintedのついでとは言え、嬉しい来日だった。
渋谷クラブ・クアトロ2daysのギグで、二日目に行く予定だったのだが、初日のSMASHの招待に軽い気持ちで応募したら当選したので、結果二日間とも見ることができた。両日共に、セットリストも内容もあまり変わらなかったので、二日間をまとめて・・・。
まず初日はゆったりと全体の雰囲気を味わおうと思い、後ろのブースで見た。そう言えばかつて改装前はPAブースだったなーなんて思いながら・・・。そして二日目は前に行ってかぶりつきで見たのだった。
初日は 「Little Red Light」、二日目は 「Please Don't Rock Me Tonight」 でスタート。
Vo.のChris(クリス)は無精ヒゲが様になった小粋なおやじ風で、ジャケット姿でお洒落にキメていた。Adam(アダム)はTintedのレポにも書いたが、ポッコリおなかでシャツはパツンパツン(笑)。
で、いつもいちばん派手なJody(ジョディ)がおとなしめのファッションだったのが意外だった。特に初日の紺色のシャツは可愛い感じで、二日目はちょっとシックな感じで白シャツに黒ベスト姿だった。う~ん、でもやっぱりJodyはカッコいい。いろんなとこで、ドラッッグやってるみたいにイっちゃってるとか、不機嫌とかヤル気ないとか、言いたい放題言われていたが、私はこのJodyのロケンロールなところが好きなのだ。
そして、決して目立ちはしないが後ろに引っ込んでいるBrian(ブライアン)も忘れちゃいけない、要な人。
ChrisとJodyのアコギが中心で、時々Adamがピアノを弾く時はJodyがベースを担当。Brianはアコースティック・ライヴらしく、ワイヤーブラシなどいろんなスティックを使ったりタンバリンやカウベルを効果的に使っていた。
Adamがピアノの前に座ると、決まってChrisが “アリシア・キーズ” とか “リュウイチ・サカモト”とか “スティーヴィ・ワンダー” と紹介し、Jodyのことはジャズの巨匠 “ロン・カーター” と言い、Brianは “シーラ・E”、自分のことは “世界のクロサワ” と言い、どんどんエスカレート。誰ももうChrisを止められない。どんだけアット・ホームなんだ、というくらいラフな雰囲気で楽しく進行して行った。
二日目なんか、新曲の紹介をする時に自分達の曲には車と女の子、それから夏と酒をテーマにしている曲が多いんだと言い、そのあと何かにつけて曲の前に “car, girls, summer, alcohol” とChrisとAdamが声を揃えて発し、笑いを誘った。
「Hey Julie」 では、Adamが “パーカッションを入れる余裕がないので手伝ってくれる?” と言って、挙手した観客の中から3人チョイスし、ステージに上げてタンバリンやマラカスを渡して参加させた。二日目の女の子ふたりが、ずーっと一緒に歌っていたのが良かった。
スローペースだけどアルバムがボチボチ仕上がると話し、新曲を2曲披露。例のキーワードを言って最初にプレイしたのは 「The Summer Place」。ちょっと感傷的なメロディだが、軽快なリズムでノリのいい曲で、「Cold Comfort Flowers」 と紹介されたもう一曲は、Adamのピアノの音色が印象的なFOWらしい爽やかな曲だった。新譜が楽しみだっ!
初日、大好きな曲 「Red Dragon Tattoo」 で、Jodyお得意の足上げが見れた。「Fire In The Canyon」 ではカントリー色を出すためにと、やたら “ヒーハー” 叫んでいたのが可笑しかった。
「I-95」 や 「Hackensack」 で緩やかにしっとりと美しく聴かせたあとは、「Bright Future In Sales」、「Radiation Vibe」 と力強いアップテンポな曲で盛り上がった。
本編最後にやったその 「Radiation Vibe」 では、遊び心満載。途中からいろんな曲に変化して行くのだが、Pink Floyd(ピンク・フロイド)の代表曲 「Another Brick in the Wall」 がいちばん印象に残っている。
セッションのような感じで、3人共とっても楽しそうだった。ん?3人?...何故3人なのかと言うと、Jodyは常にマイペースだったから。時々じーっと焦点が定まらずに客席を見つめて、指を指してキザな笑みを浮かべるJodyは、完全に自分の世界に入っていたが、それはそれでアリなのだ。Jodyらしいから・・・。
そしてBrianがカウベルだったか、変な音を叩き出すと、ChrisとAdamが瞬時に振り返って突っ込みを入れるという場面もあった。
アンコールの1曲目は 「Cemetery Guns」 で、再びAdamがピアノでJodyがベースを担当。
3曲目、ピアノのイントロで何の曲だろう・・・と思い、歌が始まるまでわからなかったのが 「Stacy's Mom」。オリジナルの軽快なアレンジとは全く違う、おだやかでしっとりとしたピアノ・ヴァージョンでステキだった。
初日は 「Denise」、二日目は 「Survival Car」 で締めくくったのだが、アンコールの前半がしっとりしていた分、とっても盛り上がった。そして、夏にフジロックで戻ってくると告知すると、更に盛り上がった。
ChrisとAdamのコーラスは言うまでもなく爽やかに美しく響き、アコギとは思えないくらいのJodyのキメキメのギターもカッコ良かった。アコギをアンプに近づけてハウらせたり、マイクスタンドにギュイーンとさせたりと、やりたい放題だったが・・・(苦笑)。
アッいう間に過ぎて行った温もりのあるステキな二夜は、とってもハッピーな気分にさせてくれた。
★setlist★
01/19 01/20
・Little Red Light ・Please Don't Rock Me Tonight
・Someone To Love ・Little Red Light
・The Summer Place ・Someone To Love
・Fire Island ・The Summer Place
・Cold Comfort Flowers ・It Must Be Summer
・Hey Julie ・Cold Comfort Flowers
・Barbara H. ・Hey Julie
・A Road Song ・A Road Song
・Red Dragon Tattoo ・Red Dragon Tattoo
・Valley Winter Song ・Valley Winter Song
・I-95 ・I-95
・Fire In The Canyon ・Fire In The Canyon
・Hackensack ・Leave The Biker
・Bright Future In Sales ・Bright Future In Sales
・Radiation Vibe ・Radiation Vibe
~encore~ ~encore~
・Cemetery Guns ・Cemetery Guns
・Troubled Times ・Denise
・Stacy's Mom ・Stacy's Mom
・Denise ・Survival Car