★2月28日 : パリ(午前)
朝起きてTVを点けると、『ケロロ軍曹』 が放送されていた。やはり、日本のアニメは人気があるのだと実感。しかし、『ケロロ軍曹』 とは・・・。
8時過ぎにホテルを出ると、ものすごく濃い霧で数メートル先さえ見えにくい状態だった。でも、以前プラハでも朝の濃い霧が晴れると、とてもいいお天気になったので、パリでもそうなることを期待して、Châtelet(シャトレ)からメトロ7号線でひと駅、Pont Marie(ポン・マリー)で降りて、マリー橋を渡ってサン・ルイ島に行った。
サン・ルイ島は、ノートルダム大聖堂があるシテ島と並ぶ、セーヌ河に浮かぶ島で、かつては貴族、今でも女優や著名人が暮らす高級アパートが建ち並ぶ閑静なところ。岸恵子さんも、ここに住んでいた。
霧に包まれたサン・ルイ島
まだパン屋さんとチーズ屋さんくらいしか開店していなく、小さな島なので一通りぐるっと回ったあと、一軒のパン屋さんでパンとプティ・ケーキとオレンジ・ジュースを買った。
そして、島の先端にあるSquare de Barye(スクアール・ドゥ・バリー)という公園の下に行って、セーヌ河岸のベンチで朝食タイムにした。
買ったパンをひと口かじった瞬間、あまりにもの美味しさに “美味しい!” と声を上げたほど。私はデニッシュ系のパンに目がないのだが、このパン屋さんの “パン・オ・ショコラ” のお陰で、この後私はパン・オ・ショコラをひたすら食べるのであった。
ミルフィーユもとっても美味しくて感激! それに、Pampryl(パンプリル)というメーカーのオレンジ・ジュースがめちゃくちゃ美味しかった。
パン屋さんのプティ・ケーキ
セーヌ河岸で朝食タイム
9時頃までセーヌ河の景色を見ながらぼーっと過ごし、サン・ルイ・アン・リル教会に行って中を見学したあと、ノートルダム大聖堂の塔に上るため、10時のオープンに合わせて左岸に渡ってセーヌ河沿いを歩いて行った。
そして、期待どおりに青空が広がっていいお天気になってきた。
対岸から見たノートルダム大聖堂の後ろ姿
10:10頃に着くと、塔に上る入口には列が出来ていて、20人くらいずつに区切って誘導されていたが、さほど待つことはなかった。
上手い具合にグループの最後だったので、凱旋門の時とは違って途中の窓から景色を眺めたりしながら、ゆっくりゆっくり螺旋階段を上って行った。
まずお土産屋さんがある北塔の高層広間に着き、そこで暫く待ってから再び上へ。塔の上はとても狭いので、ああやって人数や時間配分をしているのだった。
“キマイラの回廊” と呼ばれる塔の上には、大好きな写真家ドアノーの作品でもよく見た吸血鬼のキマイラが、パリの街を監視するように佇んでいた。その姿は、怪物なのにどこか可愛くて、キマイラと一緒にパリの街を眺めているような気がした。
ガーゴイル(ガルクイユ)というのがその名前だと思っていたが、雨水を排出するための突起部分をガーゴイルと言い、キマイラとは別のものだということが、もらったパンフレットでわかった。
他にもいろんな種類のキマイラがあちこちにあって、美しい街の風景と共にとっても楽しんで眺めることができた。ずいぶん時間をかけて眺めていたので、前の人たちとはかなり離れて、気が付けば次のグループの人たちがやってきた。
パリの街を見つめる吸血鬼のキマイラ
いろんなキマイラがいた
これがガーゴイル
次に南塔の鐘楼に入ると、“エマニュエル” と呼ばれる大きな鐘が置かれていた。この鐘は、カトリックの重要行事の時だけ鳴らされるらしい。
鐘楼を出て進むと、係りのおじさんが私を呼び止め、持っていたパンフレットをよこせと言うようなジェスチャーをするので渡すと、さっき行った鐘楼の図を指差して “ここには行ったか?” と言うので(ジェスチャーでわかった)、“Oui(ウィ)” と答えると、ここで待てと言う。そこから更に南塔の上に行くための誘導だった。
今度は先頭で上って最上部に着いた。下にはセーヌ河と橋々、遠くは少し霞んでいたが美しいパリの街を360度一望することができた。
南塔最上部からのパリの街
さっきのおじさんに途中で挨拶をして塔を下りると、大聖堂の入口と塔の入口は長蛇の列だったので、中の見学を前日の早朝に済ませておいて良かった、とつくづく思った。
大聖堂の裏に回っていろんな角度から見ると、同じ建物とは思えないほど、様々な造りでそれぞれ違った姿をしているのがよくわかった。
裏は公園になっていて、土曜日ということもあり、観光客や家族連れのパリジャンたちで賑わっていた。
シテ島とサン・ルイ島を結ぶサン・ルイ橋の上では、お洒落なファッションに身を包んだおじさんカルテットがジャズを演奏していて、通行人を惹き付けていた。
お洒落なおじさんカルテット
海外に行くと必ず買うものが3つあり、そのひとつがキャンドル。橋を渡って再びサン・ルイ島に行って、ロクシタンでアロマ・キャンドルを購入した。
日本には売っていない香りのものがたくさんあるのだが、前に買って気に入っていたシトロン・ブラックベリーは今はもうないとのことだったので、サンプルで香りを試してキャンディ・フルーツにした。イモーテルのクリームのサンプルをふたつ付けてくれたのだが、イモーテルは使っているブランドだったので嬉しかった。
お店を出たあと、セーヌ河沿いを走るバスに乗り、ポン・デザール(芸術橋)で下車。金属製の美しい芸術橋(タイトル写真)を見て途中まで渡ったあと、またバスに乗って、ひとつ先のコンコルド広場で降りた。
お天気が良かったので、コンコルド広場から一直線に伸びるシャンゼリゼ通りの向こうに凱旋門がよく見え、右側にはその先にマドレーヌ寺院が見えた。
コンコルド広場からの凱旋門とマドレーヌ寺院
コンコルド広場からアレクサンドルⅢ世橋まで歩いて行くと、キンキラ金の橋塔の手前にはグラン・パレ、橋の向こうにはアンヴァリッドが見えた。
橋を渡って行くと、反対側で何かのロケをやっていた。『のだめカンタービレ』 もここでロケしたので、あんな感じだったのかな、なんて思いながら、アール・ヌーヴォーの美しい装飾を見ながら渡り切った。
アレクサンドルⅢ世橋とグラン・パレ
橋の上のロケ隊
このあと、サン・ラザール駅からルーアンという街に列車で行くのだが、ちょっと時間が迫ってきていた。
メトロのInvalides(アンヴァリッド)駅はそこからまだ先のようでよく場所がわからず、サン・ラザール駅に向うバスはその付近からは出ていなかったので、少し早足で今歩いてきた道を引き返して、コンコルド広場からバスに乗った。
そこからサン・ラザール駅までは近いので、バスに乗ってしまえば安心。渋滞もなく、途中車内からマドレーヌ寺院を見ることもできた。駅に着いたのが12:30過ぎで、列車は12:50発、十分間に合った。
マドレーヌ寺院(バス車内から)
SNCFサン・ラザール駅
★ルーアン編につづく