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Razorlight  @LIQUIDROOM, Tokyo 08/10/09

2009-08-21 | performance


サマソニの翌日、リキッドルームで “Summer Sonic Extra” と称された、Razorlight(レイザーライト)の単独公演に行ってきた。
今年1月のライヴには行けなかったので、2006年のクアトロ以来約3年ぶりだ。
前回はSold Outで、もうクアトロが酸欠になるのでは・・・と思うくらい熱気ムンムンだったのだが、今回はちょっと違った。
まず中に入ると、PAブースの前のカウンターのところと、奥のバルコニーは封鎖されていた。えっ!?そんなにチケット売れてないの?と言った感じだった。
そしてフロアは開演時間が近付いてきてもいっぱいにならず、後ろ半分は驚くほどガラガラで、前方もさほど詰まっていなかった。しかも、やたらとゲスト・パスを付けた人が多く、見かけだけの判断だが、おおよそRazorlightを見たくて・・・というよりもクラブに遊びに来たという感じの人たちばかりだった。

そんな中、約10分押してライヴは始まった。オープニング曲は、前日のサマソニと同じ 「Back To Start」。この日もJohnny Borrell(ジョニー・ボーレル)は、黒のロング・コート姿であとからゆっくりとご登場。う~ん、やはり “oh,oh,oh~ohohoh~” の声が、あまり出ていなかった。そしてこの日もやはり、見下ろすように高い台に立ってコーラスをしていたオヤジがやたらと目立っていた。
曲が終わるとステージ袖に引っ込んでしまい、あれれ?と嫌な予感。しかし、それは余計な心配で、コートを脱いでギターを取りに行っていただけだった。(笑)
コートを脱いだジョニ様は、サマソニと同じお衣装。この3年の間、Johnnyはファッション誌VOGUEの表紙を飾ったり、ハリウッド女優と浮名を流したりと、本業からは外れた話題も満載だったが、こういうところ(ファッション)にも少しその影響が出ているのだろうか・・・はて?
3曲目の 「In The Morning」 で少し流れが変わった。オーディエンスとの一体感がここで初めて出たような気がした。この曲のノリは本当に気持ちいい。
バンド全体が、意気揚々としていた3年前とは違って落ち着いた感じで、Johnnyの声も渋みがあり、以前はピョンピョンと跳ねてばかりいたCarl(カール)も、地に足を付けていることの方が多かった。でもやはり、Andy(アンディ)の落ち着いた力強いドラムのビートが恋しかった。Andyの存在は、ファンにとって、そして恐らくバンドにとっても大きかったのだと、改めて思わせる。
新作からの 「North London Trash」 で、更に渋みを増したVo.を聴かせるJohnnyだったが、やはり少し声に伸びがなかったのはフェスの疲れなのだろうか。
「Golden Touch」 では、心地良いギターのカッティングの音でビシッと決め、ワン・コーラスをオーディエンスに歌わせ、終わるとJohnnyは拍手して大きく頷き、とても満足そうだった。少ない入りにも関わらず、あれだけの大合唱ができたので、こっちも嬉しかった。「Vice」 での “L・O・V・E” の掛け合いがなかったのは、残念だったが・・・。
コーラスおやじはキーボードも務め、途中 「Wire To Wire」 では女性コーラスも登場した。
Bjorn(ビョーン)がキーボードに向かい、Johnnyがアコギに持ち替えて歌った 「America」 は、やはり名曲。体の芯まで浸透してくるような、素晴らしいこの曲に酔った。
そのまま続けてアコースティックな 「Hostage Of Love」 を哀愁たっぷりに歌いあげ、その後は 「Dalston」、「Rock 'n' Roll Lies」 と1stの曲で勢い良く突っ走って終了。
しかし、アンコールのインターヴァルが長かったこと長かったこと。
やっとのことで、Johnnyがまずひとりで登場し、アコギ1本で 「The House」 を歌った。もしかしたら、当初はキーボードを弾きながら歌う予定だったのかも知れない。何故なら、インターヴァル中にJohnny用のマイクがキーボードのマイク・スタンドにセットされていて、Johnnyがギターを持って出てくると、クルーが慌ててそのマイクをセンターのスタンドにセッティングしていたから。
その時、クルーの男の子(Bjornのギター・テック)に見せたJohnnyの笑顔が、めちゃくちゃキュートだったのが印象的で、Johnnyのキーボード弾き語りっていうのも、見てみたかった。
そして最後は全員で、お決まりの 「Somewhere Else」 で締めた。

爆発寸前ギリギリのテンションMaxで突っ走る熱いライヴではなく、かなり落ち着いた雰囲気のライヴだったが、ノリのいい曲では完璧にテンションを上げ、オーディエンスを煽り、熱心なファンでもなく見ていた人たちも、自然とRazorlightの世界に引き込まれて行っている様子が手に取るようにわかった。
あの抜けるようなJohnnyの高音ヴォイスの調子が悪かったのは残念だったが、低音ヴォイスは相変わらずセクシーだったし、タイトでよくまとまったステージで、しっかりと歌と演奏を聴かせられるバンドという印象は変わらず、やはりRazorlightはライヴがカッコいいバンドだと再認識した一夜だった。


★Setlist★

・Back To The Start
・Keep The Right Profile
・In The Morning
・Stumble And Fall
・North London Trash
・Golden Touch
・Before I Fall To Pieces
・Vice
・In The City
・Wire To Wire
・Blood For Wild Blood
・America
・Hostage Of Love
・Dalston
・Rock 'n' Roll Lies

~encore~
・The House
・Somewhere Else