久しぶりに、パワー・ポップの王道中の王道とも言えるサウンドを放つバンドに出会った。
その出会いは、マイスペの私のフレンドが自分のページにUPしていた 「Hey There Delilah」 という曲がきっかけだった。
歌っているのは、ちょっとArctic MonkeysのVo.に似て鼻が特徴のTom Higgenson率いるChicagoの5人組、Plain White T'sというバンド。
アコースティックなそのナンバーは、実はそれほどパワー・ポップ色が出ていた訳ではなかったが、そのメロディ・ラインに惹かれ、彼らのマイスペで試聴してみたら・・・。
そこから流れてきたのは、どことなく懐かしさを感じさせるパワー・ポップ・サウンド。
早速CDを買って聴いてみたら、私の好み直球ド真ん中だった。(笑)
既にアルバム2枚、ミニ・アルバム1枚をリリースしていて、この 『Every Second Counts』 は昨年リリースされた3rdアルバムだが、私にとってはニュー・カマー。
私が初めて聴いた 「Hey There Delilah」 はミニ・アルバムに収録されているのだが、今年再発された 『Every Second Counts』 には 「Hey There Delilah」 が収録されている。
巷ではJimmy Eat Worldに通じるエモ系バンドと表現されているが、JEWをあまり知らない私には、weezer辺りの要素が感じられるし、エモと言うよりもやはりパワー・ポップだ。
パワフルで疾走感溢れるM-1 「Our Time Now」 に始まり、M-3 「Hate (I Really Don't Like You)」 のヘヴィでずしんと来るリズムなんかは、ツボに入りまくる。
特にM-5 「Friends Don't Let Friends Dial Drunk」 の泣きメロ満載な展開、親しみ易いサビのメロディは絶品!
3連のバラードM-6 「Making A Memory」、思わず一緒に口ずさみたくなるような90年代サウンドを思わせるM-10 「Gimme A Chance」、スピード感溢れるM-11 「Figure It Out」 などなど、傑作が並ぶ。
コーラス・ワーク、メロディ・ライン、ギター・メロetc.どこを取っても、良質のパワー・ポップ。
決して単純ではなく、リズムやアレンジはひねりも効いているのにとっても聴き易く、メロディ・センスはかなりのもの。
国内盤も出ているのに、日本で話題になっていないのが不思議なくらいだ。(知らなかったのは私だけ?)
「Hate (I Really Don't Like You)」 のアコースティックver.を含むシークレット・トラックもあなどれない。
曲名も何もクレジットされていないが、ベース・ラインが強烈な印象を与え、“Hold on, Hold on to me~” と繰り返される曲は、シークレットにしておくには勿体ないくらいだ。