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without A trace

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Plain White T's / Every Second Counts

2007-06-07 | music : newcomer


久しぶりに、パワー・ポップの王道中の王道とも言えるサウンドを放つバンドに出会った。
その出会いは、マイスペの私のフレンドが自分のページにUPしていた 「Hey There Delilah」 という曲がきっかけだった。
歌っているのは、ちょっとArctic MonkeysのVo.に似て鼻が特徴のTom Higgenson率いるChicagoの5人組、Plain White T'sというバンド。
アコースティックなそのナンバーは、実はそれほどパワー・ポップ色が出ていた訳ではなかったが、そのメロディ・ラインに惹かれ、彼らのマイスペで試聴してみたら・・・。
そこから流れてきたのは、どことなく懐かしさを感じさせるパワー・ポップ・サウンド。
早速CDを買って聴いてみたら、私の好み直球ド真ん中だった。(笑)
既にアルバム2枚、ミニ・アルバム1枚をリリースしていて、この 『Every Second Counts』 は昨年リリースされた3rdアルバムだが、私にとってはニュー・カマー。
私が初めて聴いた 「Hey There Delilah」 はミニ・アルバムに収録されているのだが、今年再発された 『Every Second Counts』 には 「Hey There Delilah」 が収録されている。
巷ではJimmy Eat Worldに通じるエモ系バンドと表現されているが、JEWをあまり知らない私には、weezer辺りの要素が感じられるし、エモと言うよりもやはりパワー・ポップだ。
パワフルで疾走感溢れるM-1 「Our Time Now」 に始まり、M-3 「Hate (I Really Don't Like You)」 のヘヴィでずしんと来るリズムなんかは、ツボに入りまくる。
特にM-5 「Friends Don't Let Friends Dial Drunk」 の泣きメロ満載な展開、親しみ易いサビのメロディは絶品!
3連のバラードM-6 「Making A Memory」、思わず一緒に口ずさみたくなるような90年代サウンドを思わせるM-10 「Gimme A Chance」、スピード感溢れるM-11 「Figure It Out」 などなど、傑作が並ぶ。
コーラス・ワーク、メロディ・ライン、ギター・メロetc.どこを取っても、良質のパワー・ポップ。
決して単純ではなく、リズムやアレンジはひねりも効いているのにとっても聴き易く、メロディ・センスはかなりのもの。
国内盤も出ているのに、日本で話題になっていないのが不思議なくらいだ。(知らなかったのは私だけ?)
「Hate (I Really Don't Like You)」 のアコースティックver.を含むシークレット・トラックもあなどれない。
曲名も何もクレジットされていないが、ベース・ラインが強烈な印象を与え、“Hold on, Hold on to me~” と繰り返される曲は、シークレットにしておくには勿体ないくらいだ。

until june / until june

2007-05-08 | music : newcomer


去年マイスペで知ってから気に入っていたuntil juneのデビュー・アルバムが、先日リリースされた。
先週タワレコに行った時、試聴コーナーにディスプレイされていたのを見たが、バンドに関してのコメントはなく、ネット上でも日本語のサイトではそれらしきものがない様なので、ざっと彼らのバイオを紹介しておこう。
彼らはアリゾナ州Phoenix出身で、現在は活動の拠点をL.A.に移している3ピースの兄弟バンド。
Vo.&ピアノのJoshとギターのDanが兄弟で、高校生の頃から一緒に曲を書き始め、高校卒業後、大学時代は地元のコーヒー・ショップやバーで演奏していた。
2000年にEPを自主制作した後、真剣に音楽の道に進むために兄弟はL.A.を目指し、L.A.のクラブで地道にライヴを続けていた。
しかし、一緒にプレイしていたドラムスとベーシストは音楽の道でやって行くことを諦めバンドを離脱、その後ふたりが今まででいちばんフィットすると直感したドラムスDanielと出会い、Sonyの傘下であるFlicker Recordsと契約し、現在に至る。
兄弟が2005年の6月までにバンドとして何らかの最終的な結果を出そうと決めたことが、バンド名の由来。
その年の4月にDanielと出会ったのだから、正に運命的であったに違いない。

さて、そんな彼らのセルフ・タイトル・デビュー・アルバム。
ベースはスタジオ・ミュージシャンが担当している。
そのサウンドは、広大な原野にだんだんと太陽の光が広がって行くような感覚で、朝のイメージが強く、ジワジワ~っと曲を盛り上げて美しく響くピアノの音が、綺麗な朝焼けを思わせる。
Vo.の特徴あるファルセットがこれまたその雰囲気にとても合っていて、クセがあるので最初はう~ん・・・と思うが、聴く度にんだんと心地良く耳に入ってくる。
美しい曲のオンパレードで、M-4 「Unnoticed」 やM-7 「Outer Space」 を始め、特にM-10 「You Do」 は本当に美しく儚い。
ノリのいいM-2 「What I've Done」 なんかも繊細でキレイなメロディが冴えている。
MaeやThe Frayなんかもピアノ・サウンドを中心とした音楽がとても綺麗で素敵だが、until juneの音楽にはひとすじの射し込む光が感じられ、より一層の透明感がある。

4曲試聴できる彼らのMySpaceはこちら

Locksley / Don't Make Me Wait

2007-04-21 | music : newcomer


いろいろ言いたいことはあるが、それは後にして、こういう音を出すバンドが登場するのは、単純にうれしい。
The Beatlesの影響全開のNYのバンドLocksley。
マイスペで試聴した 「All Of The Time」 に惹かれ、翌々日にCDを買って、その日の夜に来日のお知らせメール。
まあ一気にいろんなことが集中したが、昨年リリースされた彼らのデビュー・アルバム 『Don't Make Me Wait』 について。
全13曲、しかもその内3分強の曲が3曲だけで、あとは全部3分以内。
簡潔明瞭でストレートなガレージ・ロケンロール。
メロディ・ラインや音の作り方のあちこちに、マージービートの匂いがぷんぷんする。
余計なことを考えさせられることなく、シンプルなサウンドがすんなりと耳に入ってくる。
メロディもビートもギターの音も気持ちいい。
しかし、何かが足りない。夢中にさせてくれる何かがない。それは何か・・・?
音的にも十分好みなのだが、実は彼らの音楽にはこの手のサウンドには絶対必要なグルーヴ感がないのだ。
私を魅了して止まない横揺れのグルーヴ感、これがない! (そこがThe Redwallsと違うところ・・・)
“21世紀のビートルズ” なんて言われているようだが、Beatlesには誰もなれないわけであり、このままだともしかしたら、ただ単にBeatlesの焼き直しと言われてしまうかも知れない。
M-10 「Up The Stairs」 辺りでは、The Kinksの匂いもするのだが、やはりモロ・・・という感じの曲が目立つ。
もう少しオリジナリティを出して行くと、とても素晴らしいバンドになると思う。
バンドがスタートしてからは、もう既に3年以上経っているようだが、まだまだこれから。
次作が勝負と言ったところだろうか・・・。
そうは言っても、アルバムは気持ちのいい60'sR&Rの音が炸裂するので、かなりの頻度で聴いているし、ライヴも行く予定だ。
スピード感のあるノリのいいビートの、アルバム・タイトル曲M-1 「Don't Make Me Wait」、私のアンテナに引っかかったM-4 「All Of The Time」、ガレージ・パンクっぽいM-5 「She Does」、ノリのいい曲が続く中、ちょっと湿った感でアクセントになっているM-11 「It Won't Be For Long」 の4曲と、全曲触りだけマイスペで聴ける。
私の少し辛口の感想について、その耳で感じてみてもらえるとわかると思う・・・。

試聴はこちら

The Fratellis / Costello Music

2007-04-13 | music : newcomer


いやぁ、楽しい。すっごく楽しい!!
遅ればせながら購入したGlasgowの3ピースバンド、The Fratellisのデビュー・アルバム 『Costello Music』。
ボートラや収録曲が違っていたりとかで、文字がグリーンと茶色があり、なんかいろんなヴァージョンが出ているが、私はロー・プライスだったUS盤を買った。(笑)
既にi-podのCMでお馴染みのM-2 「Flathead」 だけがひとり歩きしていないのがいい。
M-1 「Henrietta」 やM-8 「Vince The Loveable Stoner」 のノリなんか、もう最高!
体が勝手に動き出してしまうリズムとメロディ。ただ単にノリがいいだけでなく、おどけさを持っている。
曲のあちこちにファンキーな遊び心が伺えて、本当に楽しい。
なんか今までに聴いたことのない類の音楽と言っても過言でないかも・・・。
だから、彼らの音楽に似ているバンドを挙げることが難しい。
ロック、ガレージ、クラブ・ミュージック、ポップ、トラディショナル、パンクなどが上手く融合されていて、とっても気持ちのいい傑作。
バンドの音もとてもしっかりしているし、何と言ってもやはりこの抜群の音楽的センス。
誰もが楽しめる音楽をやってのけたって感じ。いやはや、脱帽。
メンバー全員Fratelli姓を名乗っているが、兄弟ではないらしく、こういう遊び心も憎い。
ノリノリの楽曲の中でも、いちばん私のツボを突いたのがM-3 「Whistle For The Choir」。
サビのメロディがどこか懐かしく、初めて聴いた気がしなく、いちばん最初に聴いた時でさえ、一緒にくちずさみたくなったほど。
間奏の口笛やマンドリンの音色がこれまたとても味があって、曲の良さを更に盛り上げ、反則だよ~と言いたくなるくらいにキュンとさせる。
M-10 「Everybody Knows You Cried Last Night」 の、想像もできないメロディやリズム展開も憎いわざ。
ライヴでは大合唱が起こりそうなサビのM-11 「Baby Fratelli」 もステキなメロディ。
私が購入したヴァージョンにはM-4に 「The Gutterati?」 が収録されていて、「Cuntry Boys & City Girls」 は入っていない。
不思議だったのが、歌詞カードや裏ジャケでは全12曲なのに、プレイヤーでは13曲の表示。
はて? と楽しみにしていたところ、M-13には 「Ole Black 'N' Blue Eyes」 が入っていた。
この曲もいたる箇所で私のツボを突きまくる、とっても可愛い曲。
とにかく難しいことは何も考えないで思いっきり楽しめるので、オススメの一枚である。
さぞかしライヴは楽しいことだろう。先日の来日公演はドラマーの急病でアコースティク・セットになったようだが、今年のサマソニに出演決定。
サマソニに行く人は、彼らのステージは必見。大合唱しながら会場全体が揺れに揺れる光景が目に浮かぶ。

The Turning / Learning To Lose

2007-04-03 | music : newcomer


桜が満開だというのに、このすぐれない天気・・・。
せっかくの春の雰囲気を満喫できなくて、ちょっと不完全燃焼気味だ。
今まで何となく抽象的なタイトルを付けていたのだが、そろそろワン・パターン化してきそうなので、ここで基本的な表題にすることにした。
CDレビューはアーティスト名とアルバムタイトルで。
この場合、その人が興味ないアーティストだと本文まで読んでもらえないというマイナス面もあるのだが・・・。
さて、旅から帰ったら買ったまま溜まってしまっていたCDを聴かなくては・・・と思いつつ、ついお気に入りを何度も繰り返して聴いてしまい、まだまだ聴き込んでいないのが数枚ある。
そんな中で今回紹介するのは、ここんとこ毎日聴いているアルバム。かなりのお気に入り。
そして、何故こうも素直に耳に入ってくるんだろう・・・という疑問の答えも出たので、記事にすることにした。
昨年6月にデビュー・アルバム 『Learning To Lose』 をリリースした、USテネシー州Nashvilleをベースに活動する4ピース・バンドThe Turning。
多分、日本ではまだあまり知られていないバンドだとは思うが、とても聴き易いメロディが魅力のバンド。
ひと言で言えばストレートなポップ・ロックなのだが、パワーがあって華がある。
そして、前記した “何故こうも素直に耳に入ってくるんだろう・・・” という不思議。
それは、今でも心の中のどこかにずっしりと残っている80年代~90年代前半のアメリカン・ロックのテイストが満載だから、という結論に達した。
アルバムを聴くことから遠去かってしまったが、いつ聴いてもすんなり自分の耳に入ってくる時代の音楽。
Bon Jovi、Boston、TOTO、Mr.Big、REO Speedwagon、Starship、Heart、Damn Yankees、Van Halen.....etc.と言った辺り。
しかし、The Turningが影響を受けたバンドに、これらの名前はひとつもない。
でも彼らが奏でるサウンドに、私にとっての “あの頃” を彷彿させられてしまう。
パワフルなロック・チューン、メリハリの利いたバラードなどはもちろん、アグレッシヴなVo.、バンド・サウンド、コーラス、ドラムのビートさえもがちょっと懐かしいアメリカン・ロックを思い起こしてくれる。
M-1 「Never Again」 のサビとドラミング、M-2 「Home To You」 の間奏のギター・メロ。
M-4 「Through All The Earth」 のイントロからAメロへ入って行くところの展開。
ダイナミックなバラード M-6 「Change」 。M-7 「Lift You Down」 のサビのコーラス。
M-11 「In My Mind」 のイントロと間奏のギターの音とメロディ。
これらはもう思わず “ヒューッ” と口笛を鳴らしたくなるくらいで、ちょっとエキサイトしてしまう。
飽きのこないメロディアスなロック・チューンが全12曲。
好きなバンドのサイトからリンクしているサイトでたまたま試聴したのがきっかけだったが、大きな収穫だった。

彼らのMySpaceで4曲体験できるので、“あの頃” の音楽を通過してきた方に、是非味わってもらいたい・・・。

駆け抜ける、痛快R&R

2007-02-22 | music : newcomer


ここにまたひとつ、お気に入りのUKのガレージ系若者R&Rバンドを見つけた。
去年既にBRITISH ANTHEMSで初来日も果たしているので、遅いっちゃあ遅いのだが、ひょんなことから聴くきっかけがあり、“おっ!? なかなかいいじゃん” と思ったこのバンド。
UKと言っても彼らはScotlandの北部Dundee出身。
平均年齢18歳の同じ高校出身の4人組The Viewの、今年1月にリリースされたデビュー・アルバム 『Hats off to the Busker』。
いやいや、かなりいい感じで痛快なロケン・ロールをやってのけている。
確かにまだまだ荒削りだが、キャッチーなメロディ・ラインにすごく親しみが感じられ、今UKでも注目度No.1の彼ら。
初のUKツアーのチケは、なんと1時間で完売したらしい。
デビュー・アルバムによく感じられる最もフレッシュな輝きを放ち、のびのびと演奏している。
とにかく軽快で、自然とステップを踏みたくなるような弾むビートの曲が多くて、聴いていて楽しくなる。
BabyshamblesのPete Dohertyに渡したデモが気に入られたとか、“ポスト・リバティーンズ” “ポスト・アークティック・モンキーズ” なんて言われなくても、もう彼らはこのデビュー・アルバムで十分ひとり立ちしている。
M-2 「Superstar Tradesman」 の駆け抜けるようなギター・ロックはとても気持ちがいい。
M-3 「Same Jeans」 やM-6 「Don」 のトラディッショナルな雰囲気は、Scotlandならではのケルティックっぽさがミックスされているからであろう。
ワン・パターンにならず、ケルティック・フォークやスカやガレージ・ロックの香りの、いろんなスパイスを効かせた元気なナンバーが続く。
そして、Drs.の上手さにあるな~と感じさせずにはいられない躍動感あふれるビートは、あなどれない。
シンプルなメロディで、遊び心もたっぷり取り入れているので飽きない。
M-8 「Wasted Little DJ's」 のサビのメロディなんか、思わず心くすぐられてしまう。
ギターのカッティングがカッコいいM-10 「Dance Into The Night」 は、正にタイトル通りにダンスしたくなってくる。
どの曲もどこかに必ずツボにハマる部分があり、次は何?とワクワクさせられてしまう。
oasisやThe Verveのアルバムを手がけたOwen Morrisプロデュースで、oasisに似ているとも言われているみたいだが、個人的にはそうは感じない。
oasisやThe Verveよりもウンと明るいし、疾走感があふれていて元気がある。そしてやはり何度も言うが、聴いていて楽しくなる。
5月には単独来日が決まり、これから益々盛り上がって行くに違いないだろう。(ライヴが楽しみだ♪)
余談だが、Vo.以外の3人がイケメンというのが(決してVo.のルックスが悪いわけはない!)、ちょっとおかしかったりする。

森のオーケストラ

2006-12-29 | music : newcomer


最近、ギターの音よりもピアノ、特に生ピアノの音が中心の音楽が増えてきたような気がする。
“美メロ” とか “エモ” という言葉が氾濫し出した頃からだろうか・・・。
泣きのギター・メロ同様に、ピアノの美しい旋律はやはり心にぐっとくるものがある。
ここにまたひとつ、ピアノの美しい音色が響く音楽が、私のCDコレクションに仲間入りした。
Duke Special、北アイルランドBelfastのアーティストのデビュー・アルバム 『Songs From The Deep Forest』。
ちょこっと試聴した時のピアノの音と、ジャケが可愛かったので、聴いてみようと思い購入した。
それまでピアノの美しいサウンドを生み出すバンドと言えば、御大Ben Foldsを始め、Mae、Jack's Mannequin、The FrayなどUSのバンドが目立っていたので、このDuke Specialが北アイルランドと知って、少なからずとも意外な感じがした。
と言うのも、アイルランド(南)は緑豊かな美しい自然が溢れる国で、昔訪れたDublinの町は本当に美しかったが、私の中の北アイルランド、特にBelfastのイメージはやはりIRAのテロ行為の印象があまりにも強すぎて、Londonの地下鉄のBomb騒ぎやCovent Gardenの爆破を知っている私にとって、Belfastは恐ろしい町というイメージが未だに消えていなかったから・・・。
今では停戦して武装解除もされているので、きっと美しい平和な国に生まれ変わっているんだろうが、勝手に怖い町と決め付けていた町から生まれた美しい音楽。
そのギャップが、更に私を惹きつけたのかも知れない。
そしてもうひとつギャップが・・・。CDをトレイから取り出した時に飛び込んできた、透明トレイの下にあった写真。
それはそれはびっくりした! The Cureかと思った。Robert Smithがそこに居た。
 まるでロバ・スミ!

M-1 「Wake Up Scarlett」 から流れてきた、力強いイントロ。歌に入ると優しいメロディが流れてきた。
そしてオーケストレーションをバックに展開する、まるで映画のクライマックスに流れてくるようなドラマティックなサビ。
このクマさんが指揮するジャケの秘密は、ココにあったのか・・・とひとり頷く。
Duke Specialオーケストラの幕開けにふさわしい、ダイナミックなアレンジの壮大な素晴らしい曲。
ガラッと変わって、M-2 「Everybody Wants A Little Something」 はとても軽快で楽しいメロディ。
間奏のホルンの音色が、ほっこりと温かく沁みてくる。
USのバンドの音と違うところは、どこか陰のある憂いがあって、軽快なリズムの曲の中にも、哀愁がそこはかとなく感じられる。
やはりそれは土地柄なのかも知れない。
オーケストラ曲は第一楽章~最終章で構成されているが、正にこのアルバムもそんな感じ。
M-6 「Portrait」 のジプシーっぽい曲は、まるでアイリッシュ・パブで演奏しているかのようで、M-7 「Last Night I Nearly Died」 と共に明るいメロディでアルバムの中盤を彩る。
ジャケの中にもクマさんのイラストが書かれていて、物語性を感じさせられる。
歌詞付きなのだが、それが曲順とは異なる順に載っているのが意味あり気なので、今度じっくり歌詞を解読してみようと思う。
最終章では、“これは、私の最後の日” と繰り返し歌い、希望と失望が歌われ、切なく幕を閉じる。
ストリングスやホーン・セクションをふんだんに取り入れたアレンジが、どの曲もドラマティックに色づけされ、完成度の高い楽曲が連なっている。
Qマガジンで “Sumptuous, symphonic pop anthems” (Sumptuous=豪華な) と評されたのも、十分に納得できる。
それにしても、こんな綺麗でセンチメンタルなサウンドを生み出すルックスには、とても見えない。まだ慣れない・・・。

限りなく澄みきった心の持ち主

2006-11-30 | music : newcomer


特にコレを買おうという目的のものもなかったのだが、今タワーレコードがWスタンプ・キャンペーン中(12/3まで)ということで、久しぶりに行ってきた。
そして、とびっきりのアルバムを見つけてきた。1曲目と2曲目の触りだけ聴いて即買い。
バンド名はLeeland、テキサス州Baytown出身の5人組。
なんと、またまた私には縁がありすぎるくらいの兄弟バンド。
今年8月にリリースされた、彼らのデビュー・アルバム 『Sound of Melodies』。
とにかく煌めくような美しいメロディと、輝きを放つVo.の声に参ってしまった。
若かりし頃のRideのMark Gardener似のそのVo.&GのLeeland Mooringは、なんとまだ若干18歳。(日本のメディアでは17歳となっていたが、本当は18歳)
恐るべし! ティーンエイジャーだ。
しかも自分の名前をバンド名にしているだなんて、Bon Joviみたい。(笑)
それもファースト・ネームの方(Bon Joviはラスト・ネーム)。Key.の兄もいるというのに・・・。
自分=バンドの顔、余程の自信がないとできないであろう・・・。
やはり、恐るべし! ティーンエイジャー。(笑)
もちろん、ソング・ライティングも彼の手による。
彼らのオフィシャル・サイトのバイオによると、彼は相当熱心なクリスチャンのようで、“神が自分たちに与えたメロディが、天国から降りてくる” と表現している。
その歌詞には必ず “God” が出てきて、他にも “saints(聖者)” “praise(賞賛) ” “liberty(自由) ” “salvation(救済)” と言った言葉がたくさん出てくる。
“音楽をプレイしているときはいつでも、メイン・ゴールは自分たちの世代の司祭(神のしもべ)になること” とまで言っている。
なんせ、最も影響を受けたのが “究極のミュージシャン、Jesus” で、読む本は聖書なのだから・・・。
キリストとあまり縁のない私たち日本人には、そういう感覚はなかなかわからないし、ちょっと怖いくらいに不思議な感じがするが、きっと彼の心はとてもとても澄んでいるんだと思う。
その澄みきった心が、この叙情的で美しく透明な音楽に直接表れているのだと思う。
アルバム・タイトル曲のM-1 「Sound of Melodies」 で即ハマったのは、何を隠そう私のイチバン弱いツボ、3連のリズム。
このリズムに乗ってこんなステキなメロディが流れてきたら、もうハマらずにいられない。(笑)
M-3 「Yes You Have」 のAメロのアコースティックなヴァースからぐいぐい引っ張って行くブリッジの展開は、とてもエモーショナルで素晴らしい。
M-6 「Can't Stop」 では、エッジの効いたカッコいいロック・サウンドを聴かせてくれて、アルバムの真ん中で盛り上がりを見せる。
M-8 「Hey」 のピアノとハンド・クラッピングだけの間奏は、とっても楽しくって踊り出したくなる。
美しいメロディと言っても、実はしっとりとしたバラードは最後の曲 「Carried to the Table」 だけ。
この 「Carried to the Table」 の壮大なコーラスがこれまた凄い。
どれもキャッチーで洗練されたメロディの、全11曲、全くの捨て曲なしの完成度の高いデビュー作だ。
情感たっぷりと歌い上げるVo.、そこはかとなく奏でられるピアノ、控えめながらも正確なビートが響くドラム、爽やかな色付けをするアコギetc...。
最初に “熱心なキリスト教信者” をイメージしてしまうことばかり書いてしまったが、人間性に対する偏見や先入観は捨てて是非音楽を聴いてみてほしい。
すごく心が洗われる音楽だし、何と言っても18歳の若者が作り出す楽曲の素晴らしさに脱帽する。
それにしても、私はこういう声が本当に好きだ・・・。

 まずはMySpaceで試聴!

最近のちょっとしたお気に入り

2006-11-13 | music : newcomer


やはり、私は兄弟バンドと相当縁があるようだ。
好きになるバンド、気に入るバンドには兄弟バンドがとても多い。
The Redwallsのトピにも書いたことがあるが、兄弟バンドが私を呼んでるのかしら?・・・と思ってしまうくらい。
MySpaceにフレンド・リクエストしてくれたこのバンドも、またまた兄弟バンド。
USカリフォルニア州北部のModesto(モデスト)という、San Fraciscoから約2時間くらいのところにある街で活動する、リードVo.とギター&ピアノのClarkと、バッキングVo.とベースのDevinのBeggs兄弟が中心の4ピースバンド、The Evening News。
初めて聴いた時は、“きれいな曲だな~” と思っただけで、しばらく聴いていなかったのだが、この度5曲入りのEP 『Beauty Prevails』 がリリースされて、前に聴いた曲のニュー・ヴァージョンがサイトにUPされたので久しぶりに聴いてみたら、これがなかなか良くってここ最近のお気に入りのひとつだ。
フル・アルバムのリリースもまだで、レーベルとの契約もないほやほやの新人バンドだが、楽曲の完成度は高い。
彼らが影響を受けているアーティストは、Ben Folds、Keane、The Beatles、Death Cab for Cutie、Jack Johnsonとのこと。
Ben Folds、Keaneと言ったところが、ピアノのアレンジを大切にしているところに影響が伺える。
まだEPを入手してないので、5曲中3曲しか聴いていないのだが、メインの曲 「A Walk Outside」 を始め、とっても綺麗で繊細な曲ばかり。
「A Walk Outside」 と 「North」 は、控えめなピアノのメロディがとても切なくて、落ち着いて気負いなく聴ける。
す~っと音が耳に入ってきて心地良い。
「I Found You」 はピアノの音は一切入れず、ドラムのビートを効かせた軽めのギター・ポップ。
決して上手いという感じではないのだが、語りかけるように歌うClarkのVo.は、しんみりとした気持ちにさせてくれる。
もっともっと彼らの曲を聴きたいので、是非どこかのレーベルと契約をしてもらって、早くアルバムをリリースして欲しいと願っている。

「A Walk Outside」 「North」 の試聴はこちら
「I Found You」 の試聴はこちら

ちょっとだけ表舞台にお目見え?

2006-11-10 | music : newcomer


このバンドのことは、彼らから私のMySpaceにフレンド・リクエストがあって知ったのだが、そのメンバーの名前を見た時、私は少なからずとも声を上げてしまった。
2002年にメジャー・デビューしたBostonのSSW、Bleuのサイド・プロジェクトL.E.O.。
そのメンバーとは・・・CDに貼られていたステッカーをそのまま引用すると・・・
“new power-pop featuring Bleu and member of Jellyfish, sELF, Hanson, The Candy Butchers and more...”
そう、JellyfishのVo.だったAndy Sturmerがそのプロジェクト・メンバーの一員なのである。
Glen PhillipsのアルバムやThe Black Crowesの先日リリースされた 『Lost Crowes』 でバッキング・ヴォーカルに参加していたものの、主に裏方業に専念していた彼が、ついに表舞台に出てきた。
とは言ってもメインはBleuなので、Andyの歌声が聴ける訳ではないが、曲作りにも参加している。
まあ彼はこれからもこう言った形で、完全に表舞台に出ることはないと思うので、ポップ・ミュージックを作り続けているということを知るだけで満足なのだが・・・。
さて、その他の参加メンバーもとても豪華である。
The Candy ButchersのMike Viola、「きらめき☆ンー・バップ」 という邦題のデビュー・シングルで97年にデビューし、大ブレイクした当時はまだまだ幼かったHanson兄弟、CrowesのドラマーSteve Gorman、ChicagoのベーシストJason Scheff、女性インディー・ ポップ・シンガーPaula Kelleyなどなど。
総勢10人を超える大所帯バンドで、CDリリースに伴ってプロモーション・ライヴなども予定されているが、いったいその内の何人がライヴ・パフォーマンスに参加するのだろうか?
そんなL.E.O.のアルバム 『Alpacas Orgling』 には、ちょっと懐かしい80年代辺りのポップスを思い起こさせる、ステキな曲が詰まっている。
バンド名は何の略だかわからないし、E.L.O.と勘違いしそうだが、音はもろE.L.O.だったりする。
他にはJeff LynneとThe Traveling Wilburysに影響を受けているとのことだが、もうこれはE.L.O.のオマージュと言ってもいいだろう。
さすがにこれだけたくさんの才能あるミュージシャンが集まっているだけあって、ハーモニーはとても素晴らしい。
ちょっとチープなシンセの音と軽快なビートのM-3 「Ya Had Me Goin」 なんて、本当に懐かしい音で、思わず笑みがこぼれてしまう。
M-4 「Distracted」 のオペラ調の壮大なコーラスは鳥肌もの。
Bleuのアルバムを聴いたことはないが、ロックオペラにも参加していたことがあるというだけあって、とても豊かな歌いっぷりだ。
M-8 「Don't Let It Go」 のいかにもというような宇宙空間的イントロから始まり、Queenばりのコーラスの展開なんか聴いていると、楽しくなってきて仕方がない。
10曲目が終わった後、なんと40分33秒後に、E.L.O.の 「Don't Let Me Down」 のカヴァーが隠されている。
これがまた傑作である。

 左から4つ目の人形は、まさしくAndy!
L.E.O.のMySpaceで、4曲フル・コーラス聴けます。